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ファシリテーターは心身共に健康に!身体や感性を研ぎ澄ませるための「リカバリー休」

組織づくりを目的とした1月のバリ合宿から、4か月!
社労士さんのお力添えをいただいて、グラグリッドは就業規則や評価システム等、育っていく会社としての「制度デザイン第一弾」をあらかた終えることができました。

グラグリッド独自に生み出した新しい制度の中でも、特に社労士さんがそのユニークさに驚かれていた制度があります。
それが「リカバリー休」。
ファシリテーションに関わるメンバーが心身を休めて、研ぎ澄まために設けられた休暇制度です。

実は私(和田)、この制度に毎回毎回助けられています。
そこで今回は、この「リカバリー休」についての制度のご紹介と、私たちがなぜ大事にして制度化までしたのかという背景をお伝えしていきたいと思います。

「リカバリー休」とは?

リカバリー休とは、グラグリッドの就労規則に定められた休暇の制度です。
年次有給休暇、特別休暇、産前産後の休暇、育児・介護休業等、代休に加え、独自に定めました。
早速、実際の就業規則を見てみましょう!


第22条 リカバリー休

1. 事業場外でのワークショップや講演の登壇など、会社の指定した業務(以下、本番と呼ぶ。) に従事した場合、疲労の回復を目的として、本番に従事した社員に対しリカバリー休を与えます。

2. リカバリー休の対象となる本番業務は別表1「リカバリー休および本番手当」の定めによります。

3. リカバリー休は本番に従事する都度付与され、その時間数は本番全体の時間数の2分の1(1時間未満の端数があるときはこれを1時間に切り上げる。)とします。

4. リカバリー休は1時間単位で取得することができます。

5. リカバリー休は有給とし、その期間については通常の賃金を支払います。

6. リカバリー休の有効期間は、本番より5営業日以内とします。本番の当日または翌日に取得するものとし、また、5営業日を超えて取得のなかった場合権利は消滅します。

株式会社グラグリッド 就業規則より

そして、本番とみなされる対象業務は以下のものです。

対象業務
a. ワークショップ
b. イベント
c. 講義講演/ファシリテーター
d. インタビュー調査/モデレーター


ポイントとしては、対象業務の「本番の疲労回復を目的」としており、「有給」の休暇であるということ。
単なる「疲れたししんどいので、有給休暇をとって休もう」とは違う文脈を持っていると私たちは考えています。

本番=高い集中力をもって、常に頭と身体を活用しているような状態

ファシリテーター(及びビジュアルファシリテーターやグラフィックレコーダー、リサーチャー)として、共創の場をつくっていくためには、高い集中力を持って、頭と身体をフル活用することが求められます。

共創の場というのは、すごくワクワクする時間である一方で、実はとてもシビアな時間でもあると思うのです。
多様な人が集まり、相互で関わり合い、道なき道を探索し、迷い、そして新たな道を拓いてゆく。
もちろん、こうしたプロセスや関わり方は、プロジェクトの一貫として事前にデザインされています。しかし、有機的な「人」が織りなしてゆく場において、既定された関わり方が通じることは非常にまれです。

・参加者を常に観察し、どんな状況なのかを捉える。
・その状況や組織の状況に応じて、いつ、どんな風に関わるのがベストなのかを考え、実行する。
・関わった結果をうけ、どんな関わり方をすることがよいのかを模索する。
・「〇〇したらどうしよう」というような自らの恐れを客観視して、その恐れから解き放たれ、「いまここ」の場に貢献する。
・チームで状況を持ち寄って、ワークショップやイベントの全体の状況をつかみ、つかんだものをチームでの行動を策定する。
・プログラム自体も、変化させる。

そうした行為は、たいてい一瞬で行われます。
その一瞬の裏には、全方位を見る集中力と、頭や心身をどう使うかという判断力、そしてチームメンバーとの阿吽の呼吸があるのです。
知識、経験、技術、体力、フル活用!

そして中には、新規事業創出や創造的人材育成ワークショップ等、プロジェクト自体の成果責任を担うものもあります。
この場合、さらに高いパフォーマンスが求められます。

その場をファシリテートする人にとって「本番」は、心身ともに非常に負荷の高い時間なのです。
そして、グラグリッドにとって「本番」は、実りと新たなつながりを生みだす、非常に価値ある時間でもあるのです。

本番の実りと新たなつながりを、持続可能に生み出すために

そんな心身共に負荷が高い状態で1日を過ごし、イベントやワークショップを終えると、私たちはたいてい魂がぬけたような状態になっています。
そうした状態からリカバリーするのに必要なのが、「休み」の時間なのです。

寝るもよし。頭をからっぽにしてぼーっとするもよし。
身体の回復をするためにサウナやマッサージにいくもよし。
家事をするも、読書するもよし。

負荷の高い状況から、心身ともに解き放たれて回復するからこそ。次の「本番」に対して、高い集中力をもって、持続可能に向き合えるのだと考えています。
休むことこそ、大事な仕事なのです。

身体を互いに思いあえる組織でいたい

なお、リカバリー休は、「本番の時間の半分」という目安で定められています。準備や撤収含め1日(8時間)のワークショップなら、半日の4時間のリカバリー休を取得することができます。

ちなみにこの数値感。
アラサー&アラフォー女子4名が「このくらい本番やったら、このくらい休めば復活できるよねえ~」という実体験から算出したものです。
就労規則が策定される前から、メンバー間で自然とお互いの身体を思いあいながら、本番後の休み方を実践していたのです。
リカバリー休は、その互いの身体への思いあいを制度化したものです。

余談:リカバリー休をどう使ったか(和田の場合)

例えば5月。私は2回、本番がありました。

①メーカー系研究企画におけるビジュアルファシリテーション
→3時間のワークショップなので、1.5hのリカバリー休。
→翌日昼まで寝て、家でブランチを食べて出社。

②疾患啓発ワークショップ
→8時間のワークショップなので、4hのリカバリー休。
→2営業日後に、15:00頃業務終了して整骨院へ治療へ向かう。整骨院帰りに超おいしそうないちごタルト🍓を買って食べる。

実は疾患啓発のワークショップ数日前に、ダイエット目的でジムで筋トレをがんばった結果。腰に負荷をかけすぎて、痛めてしまっていたのでした。
本番をフルパワーで動けるよう、本番前3日間は、フレックス制をフル活用して、整骨院に連日通っていました……腰って、ほんと大事ですね。

私のみならず、他のメンバーも、それぞれにリカバリー休を有意義にすごしているようです。
ぜひ、グラグリッドのメンバーに出会ったら「リカバリー休、どんな風にすごしたんですか?」と聞いてみてください。ファシリテーションする立場ならではの、個性あふれる休みの使い方が聞けるかもしれませんよ。

(和田)

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