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【寄稿】グラフィックレコーディングはイベントのコンテンツ価値も高める優れもの! ―ファンドレイジング・日本2018で初導入してみて思ったこと

BRUSHでは、ファンドレイジング・日本2018のイベントでグラフィックレコーディングを担当いたしました。
日本ファンドレイジング協会 マネージング・ディレクター 大石俊輔様より、依頼者目線からのグラフィックレコーディング導入にあたっての経緯、導入して感じたよかったことや課題について解説をいただきました!

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1,560名のファンドレイザーが参加するFRJ2018にてグラレコを初導入!

 弊協会では、2018年3月17、18日に開催されたファンドレイジング・日本2018(以下FRJ2018)にて開かれた3つのセッションにて、グラフィックレコーディング(以下グラレコ)を初めて導入しました。
導入の経緯としては、FRJでは同時間帯に10近くのセッションが行われるため、自分の参加するセッション以外の9つのセッションに参加できないことへの対応から、どのような内容だったかがビジュアルで認識できるグラレコの導入を決め、株式会社グラグリッドさんの協力の元、実施することとなったのです。
グラレコを導入した3つのセッションはいずれも初日に行われ、描かれたパネルは翌日の閉幕まで多くの参加者からの視線を集めており、参加者にとって大変好評だったことが伺えました。

グラレコはイベント(FRJ2018)のコンテンツ価値も高める

一般的に認知度が上がっているグラレコですが、FRJ2018の参加者であるファンドレイザーにとってあまり知られてはいませんでした。レコード用のパネルには、当初多くの参加者が困惑や疑問などを感じていた様子だったからです。

しかし、講師や司会から紹介が行われると「おお!」という関心の声があがるなど、参加者の関心は一機に高まりました。事実、セッション終了時には、レコーダーに記録のコツを聞くなど、相当の関心を惹いていたことが伺えました。終了後、多くの参加者がパネルの周囲に集まり次々と写真に収めていたことからも、グラレコがFRJにとって大変効果的であったことは間違いないと感じました。

↑多くの参加者、登壇者が次々にグラフィックを舞台に写真を撮影!


講師・参加者の双方向で進むセッションでは認識のズレを最小化するグラレコが最適

印象に残っているのは、ゼネラルセッションで登壇者の一人が、舞台上で描いている様子をのぞきこんだり、終了後に舞台前の席に戻ってからスマートフォンを構えて写真を撮りに立ちあがったりなどしていたことです。他のセッションでも、グループワークの際のちょっとした空き時間に、講師が写真を撮っていたりしました。

↑ゼネラルセッションでの、登壇者とグラフィックレコーダーの掛け合いの様子

参加者向けサービスの一環として導入してみたグラレコですが、実際にセッションで行ってみると、思いの外、講師や司会などコンテンツを提供する側にも好評頂きました。

↑講師の方の話しの内容、思いを可視化していきます

↑講師や運営ボランティアさん達が終了後に記念撮影!

講師と参加者が双方向で進行することの多いFRJのセッションでは、実はグラレコは結構ハマっているかもしれないと思いました。伝える内容や認識、イメージがビジュアルで共有されるので、認識のズレが殆ど生じなくなるからです。他方で、セッションを聞きたい一部の参加者にとっては、集中力を妨げるなどのマイナスな面も見受けられましたが、この点は事前からの周知で問題なくクリアできる課題だと感じました。

グラレコが行われた初日の夜は、描かれたパネルの写真がSNS上で多数投稿されており、導入当初の目論見通り、SNS映えするグラレコの拡散力には期待以上のものがありました。事実、翌日には「SNS上で見かけて気になって…」「昨日はどこに展示されていたの?」など、運営サイドに多数の嬉しい問合せを頂くこととなりました。

最大の課題は、「どこでレコーディングするか」という場所の問題

しかし、好評であったFRJ2018でのグラレコにも、もちろん課題はありました。最大の課題は位置取り。イーゼルやパネルなどを含める、グラレコ実施のための道具一式は各セッションにて最前列右側にスペースを確保して設置されており、ゼネラルセッションでは講堂の舞台上手前に配置されました。

ゼネラルセッションを始めとしたいずれのセッションでも、前方に着席した参加者には、セッションのメイン画面が見づらい情況を作ってしまっていたし、特に講堂では映像にイーゼルの影が映ってしまうなどのトラブルも発生してしまいました。

加えて、パネルによって前方右側に着席した参加者には、登壇者の顔が全く見えない状態を作り出してしまっていました。実際、このような理由で、何人かの参加者は中央の席に移動していたのです。逆に、講堂ではスクリーンが良く見える席は必然的にパネルからは遠い席ということになるので、描かれていく絵はそんなによくは見えません。

このようなことからも、グラレコの位置取りは慎重にしなければならないことを強く感じましたし、グラレコをどのように使用したいのか、導入の目的にもつながる課題でもあるように感じました。

グラレコの導入には目的を明確にし、事前の準備と当日の工夫が大事

今回、グラレコが導入された最大の利点は、展示されていたパネルを見ることによって参加していないセッションの要点が手に取るように分かった点です。パネルのサイズは絶妙で、詳しく読み込まなくても筆者もぱっと見ただけで話しの流れを理解できました。

また、参加したセッションについても、頭の中で要点を整理するのに大きな役割を果たしていました。この意味では、当初の目論見通りグラフィックレコーディングの導入は、大成功だったと言えます。


同時間帯に多数の講演やセミナーなどが行われるイベントを企画している方には、参加者満足度向上のために、グラレコを導入することを強くお勧めしたいと思います。

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大石様、ありがとうございました!
FRJ2018のこうした事例のように、グラグリッド運営のビジュアルファシリテーションチーム BRUSHでは、イベントの体験の価値を上げるために運営者の方と一緒に最適なグラフィック活用方法を考え、場をつくっていきます。

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