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即興実験学校 インプロワークショップに参加しました!

2019年本格的にインプロや、演じることへの扉を開けた小野です。
ある日、社内の情報共有の場で「そういえば、来月インプロのワークショップがあるよ!」と教えてもらいました。
インプロを体験できる場に行きたいと、うずうずしていたタイミングだったので、「これは早速申し込しこまねば!」と思いすぐに申し込みました。
だいぶ時間が空いてしまいましたが、参加レポートをまとめていきます。

インプロが体験できるぞー!

3/9(土)に飯田橋で開催された「即興実験学校http://improlabo.net/)」にお邪魔しました。

即興実験学校とは?
高尾隆が2001年9月に設立。2002年1月より、中込裕美(旧姓:藤野)との共同主宰に。

「Give your partner a good time.(相手に良い時間を与えよう。)」をモットーに、インプロの創始者、Keith Johnstoneに師事したスタイルのインプロを行っています。

運営方針は、ワークショップの基本ルールでもある「がんばらない」。

これは、ただ楽をするためではなく、頑張って力んでも、無駄なエネルギーを使うばかりで悪影響なので、
力を抜いて無理をせずに、よりよく活動を続けていくための指標です。

インプロを学びたい人が、
「インプロを学ぶ3つの方法(授業を受けること。パフォーマンスをすること。教えること。)」

すべてを通して学べる環境を作ることを目標として設立しました。

インプロをやりたい人が、自分に合ったスタイルのグループを選ぶ。
その選択肢の一つとなるべく、即興実験学校スタイルの活動を探求しています。

(引用:即興実験学校 団体概要より http://improlabo.net/group/)

ワクワクしながら会場へ向かうと、スタッフさんにアットホームな雰囲気で迎え入れて下さいました。
参加者は8名+運営チームの4名 計12名でワークショップがスタート。
自己紹介をしながらそれぞれ学びたいことや、期待していること、なぜワークショップに参加したのか?を、発表しあいます。出揃ったところで主宰の高尾さんに、参加者が知りたいことや、やってみたいことを体験できる計5つのメソッドを選んでいただきました。
当日の体験をまとめたスケッチノートから、一部を紹介します。

① アイスブレイク「2つの点」
アイスブレイクは「2つの点」からスタート。4人1組になって体験。
コピー用紙に2つの点を書き、テーマに沿って4人で1枚の紙を回しながら絵を描いていきます。参加者同士、初対面だったため緊張した面持ちでスタートしましたが、スピード感をもってリズムよく描き進めていくと「早く自分の番にならないかな!」とワクワクした気持ちでいっぱいに!
そして1枚の紙にみんなで描くこと自体が楽しく、笑顔が溢れていきました。



②「お父さん・お母さんと、小学生の子ども」
アイスブレイクで同じチームになっていない人同士が2人1組になり「お父さんまたは、お母さん」と「子ども」のどちらかを演じていきます。1つだけのテーマを演じるのではなく、3回とも別々のテーマに沿って演じていきました。



③「1本の木」
今度は3人1組になり、体全体を使っていきます。
最初は「1本の木」から始まり、「1本の木になるりんご」「りんご畑に吹く風」…と連想ゲームのように、1本の木を起点に「ここになにがあったらいいのか?」をイメージしながら、リズムよく演じていきます。

ワークショップ内では身体を使って演じていきましたが、高尾さんから「身体を使うことに抵抗を感じる場合は、指を使って演じるのもいいですよ」という話を聞きました。

全身を使う場合は、客観的に演じている自分の姿(全身や、表情、動きなど)が見えないですし、うまくいかなかった場合はダイレクトに「自分」に反応が返ってきます。客観的に捉えることが難しく「うまくできかなかった自分が恥ずかしい、もうやりたくない」という状態に陥りがちです。
手を使った場合は自分の目で演じている様子が見えますし、うまく行かなかった場合は「手が悪い」と、手に責任を押し付け、自身から責任を回避することができるそうです。
「堅苦しいし、うまくできなかったらどうしよう」いう雰囲気が漂っている現場で、話しやすく柔らかい雰囲気をつくるためのアイスブレイクの一環として、取り入れてみるのも良いかもしれませんね。



④「プレゼント for You」
ペアを変え今度は2人1組に。
相手が喜んでくれると思うものを、イメージしプレゼントしあいます。
もらって嬉しいものだったら受け取り側は「ありがとう!」と感謝を伝え、プレゼントを受け取ります。
不要だと思ったものには「アーハン?」と回答し、受け取ってもわきに置き、不要だよという態度を示します。
相手が何をプレゼントしてくれているのか、何をもらったら嬉しいと感じてくれるのか、相手が何を好むのか想像しながら、プレゼントしたいものをイメージし演じていきます。



⑤「サンキューゲーム(美術館(?))」
最後は全員参加で美術館にある彫刻のようにポーズを取り、その様子に対して「これだ!」というタイトルをつけていきます。まさに美術鑑賞のよう!
「これだ!」というタイトルをつけてもらったら「サンキュー!」と言って抜けていきます。次から次へと連想しながら体全体をつかって飛び込び演じていきました。



⑤「サンキューゲーム(美術館(?)) 応用版」
サンキューゲームが続いていくなかで高尾さんが「あなたとあなた、そのままのポーズで止まって」と肩を叩きました。④のときは自らが飛び込んでポーズを取っていましたが、打って変わって
肩を叩かれた人は意図しなかった体勢や、表情のままの姿で止まるため、
様子を想像できるタイトルが表現されていきました。


ワークショップに参加して気づいたこと

「演じる」ことを取り入れようと挑戦してきましたが、わたしは演劇を学んできたわけではなく、知識ゼロから始まりました。知識がないためインプロとは「即興でストーリーを伝える中で必要なキャラクター(人や動物)になりきること」と勘違いしていました。
ワークショップで実際にインプロを体験したことで、演じる対象はキャラクターに限らず、物や抽象的な様子なども演じることなんだ。その場にいるひとたちとともに、生み出すことなのだと気づきました。

体験したことや知識を共有し、学びを深める

参加しただけでは学びにつながらないので、スケッチノートをもとに社内で参加報告会を開催しました。
スケッチノートを見ることで、どんなことを体験してきたのかざっくりと把握することができます。ですが、報告しながらスケッチノートをまとめるなかで、自分が解釈したことを、自分の言葉で発信することが大事なんだ!という気づきが生まれました。
わたしは言葉で説明することが苦手なので、「できればスケッチノートの共有だけで済ませたい…」と言葉で伝えることを避けてきました。共有することが大事だとわかっていても、どうしても言葉にならない…。
グラグリッドのメンバーはわたしの拙い説明にもしっかり耳を傾け、疑問に感じたことや感じたことをすぐにフィードバックしてくれます。
体感覚として掴みかけていても、言語化できずもやもやしていたことに対して「それって〇〇じゃない?」と返してくれたり、違う視点から意見を言ってもらうことで理解を深めることができました。

自分たちも体験してみよう!

「なんか楽しそうだし、やってみようよ!」
「身体を使ってやったことはあるから、指を使ってみたらどんな発見があるかな?」
「じゃあ、指でやってみよう」
ということで、さっそく「1本の木(指バージョン)」に挑戦!

最初は1本の木からスタート。

写真1:「1本の木」と「虫」と「人」を表現している様子

写真2:「海底に舞うホコリ」と、「鳥」と「海」を表現している様子

写真3:「殺人鬼から逃げる女性」、「殺人鬼」、「殺人鬼を追うパトカー」

写真4:「壁にもたれかかりながらたばこを吸う男性」と「男性を支える壁」、「たばこの煙」

やってみてどんなことを感じたのか、どんな発見があったのかをディスカッションしていくなかで、気づいたことがありました。

▲連続して演じることで起きた変化の図

スタートしてすぐは、1つ1つのシーン(写真1と2)を表現していましたが、繰り返していくうちに変化が生まれました。
連続して演じていくうちに前後のシーンにつながりが生まれ、1つの物語として広がっていったのです
写真3の「殺人鬼から逃げる女性」と「殺人鬼」、「殺人鬼を追うパトカー」はこんなイメージ。

そこに写真4の「壁にもたれかかりながらたばこを吸う男性」が登場。

1シーンだけで捉えることもできますが、このように同じ空間で繰り広げられている物語として想像することもできます。
演じている途中では、前後のつながりをしっかりと意識しているわけではなかったのですが、なんとなくつながっている感じがするなという感覚がありました。

より具体的に気づくことができたのは、やってみてどうだったかを振り返ったとき。「もしかすると、写真3と4のシーンはつながっているのかもしれない!」「だとしたら、1つの物語として話をふくらませることができるのでは?」と、感じたことを共有しあったことで、イメージが具体的になりました。

ではなぜ、写真1と2は1つ1つのシーンを表現していると感じたのか。一緒に演じるメンバーとのリズムを掴んだり、演じることに身体を慣らしていくことに意識が向き、共つくるという意識が薄かったからではないかと思います。

また指を使ったことで、客観的に演じている様子をみることができ、自分の体であるけれど、意識が切り離され変化が生まれていることに気づきやすくなったのではないかと思います。

ワークショップに参加して、また一つ扉を開いた

バリでは自分の可能性を広げるために、体当たりで演じてきました。インプロワークショップに参加したことで、自分の思い込み(誰かになりきること)や意識を変えるきっかけが生まれ、そもそも演じることってなんだろう? もっと理解を深めたい!という気持ちに火がつきました。

扉の向こうには宇宙が広がっていました

わたしはまだ扉を開いたところにいますが、きっと無限に広がる表現の宇宙が待っているんだろうなと、感じています。

(小野)

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