モダン

イヤホンを耳に突っ込む。やかましい音がなる。
バカやってんな、って思う。だけど心臓が反応してる。

こないだは心斎橋に行った。アディダスをたくさん見た。ピンキーな女子もチラチラと見た。レコード屋に行った。欲しいのは無かったのよ。知ってそうで知らない芸人がロケしてた。三角公園でたこ焼き買って口へと。日光を浴びたたこ焼きはジューシーだった。世界は俺を中心に廻っているのだ。みんなそう思ってた。世界の先端に私はいるのよ。みんなそう思ってた。汚い街に純朴なハートを落とした。たこ焼きのソースはまだ小指についたままだ。なんで俺はここにいるんやろ。若者に混じって、小指を舐め、俺は歩き始めた。真っ直ぐな瞳と心を青く燃やしながら。アメリカンな雑貨屋があった。アメリカンなナンバープレートを買いかけた。アメリカンなコーラの貯金箱を買いかけた。あっぶね。店を出た。その後、ランタンだらけの店や、道具屋筋、黒門市場、ヤンキースの帽子の店、なんかを通りすぎた。複数の木々が絡まりあいながら地上50メートルまで伸びたかのようなビル群。「隙間は許さへん。その隙間がもったいないやん」そんな関西人の声が聞こえてきそうだ。俺も関西人やけど、知らんけど。せわしないまま一生を終えてもいいならこの街は楽園だろう。でも観光客はほとんどいなかった、アメリカ村。外国人からしたらありきたりな街並みなのでしょうか。

難波まで歩いた。難波ってこれといって何があるわけでもないよね。10年くらい前は、よく日本橋にレコード買いに来たけど、今はあまり。
なんばパークス、なんばシティをうろうろして帽子を買った。被ることはあるのだろうか。それからチェーン店の天ぷら屋へ。カウンターには職人ぽい年輩の方々が。優しく「いらっしゃい。」。俺、安心する。
そこに混じって1人、東南アジア系の女性が。「あ、新人のアルバイトかな」と、思ってたら、まさかのその子が天ぷら担当。まさか先輩?むしろまわりの職人ぽい人らこそシルバーワーカー?なんか急におっちゃん達が新人に見えてきた。おいしく食べて帰った。キラーパンクに八つ裂きにされたような1日だった。

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