見出し画像

自分にできることを全力でやる、という決意

8月14日(水)

久々に日中家にいたので、病院や美容院の予約をしたり、スピッツのツアーのファンクラブ先行に申し込みをしたり、同窓会の出欠はがきを書いたりした。スケジュールの調整がとても苦手なので、気合いを入れないとできないのだ。

気づけば雨と風の音がやんでいたのでジャージを履いて外に出る。はがきをポストに投函するついでにコンビニに寄って光熱費の支払いもすませようと思いついた。えらい。えらすぎる。今日は苦手な作業をよくがんばったので、無性に食べたくなった柿の種と、ついでに缶ビールを購入して帰宅。

冷房の効いた部屋で、昼飯代わりに柿の種を食べて缶ビールを飲む。

子供の頃は好物のピーナッツばかり先に食べて親に呆れられた。

今はどんな順番で何を食べようが、昼から酒を飲もうが誰にとがめられることもない。

とてつもなく幸福だった。ナイトプールだの海だの柄にもない予定を満喫した夏だったが、今日が一番「これが私の夏休みだ」と強く感じた。

Amazonで注文した本が届いているかなと思って郵便受けを見に行くと、予想外のオレンジ色の分厚い封筒が入っていた。日本骨髄バンクからで、登録患者さんとの白血球の型が一致し、ドナー候補者の一人に選ばれたという通知だった。コーディネートが可能かどうか検討した上で一週間以内に返信を、と書かれていたが、すぐに気持ちは決まった。何度か病院に通う必要があり、もし提供すること決まったら手術のため入院も必要になるが、上司を説得して仕事もやりくりすると決めた。スケジュールの調整は苦手だけれど、そんなことは言っていられない。候補者になってもさまざまな理由で提供できない場合があるのはわかっているが、自分にできることは全部やろうと思う。
最終決定時には親族の同意が必要になるということで、母親に電話して簡単に説明した。母は私が決めて事後報告することに関しては何も言わない。

17時、Tと待ち合わせて神楽坂の居酒屋「だいこんや」へ。名前の通り大根料理が名物だけど、他の料理もおいしそうで心が踊る。スパークリングワインで乾杯する。

器にもこだわりが感じられるし料理の彩りも美しくて目にも楽しい食事だった。

大根料理は、だいこんもちと、大根と牛肉のサイコロステーキを食べた。

ステーキの下の春巻きの皮みたいなパリパリも美味!
日本酒は好みを聞いて、二本ずつ持ってきて試飲させてくれる。残草蓬莱(ざるそうほうらい)という、神奈川の辛口の酒が特においしかった。

Tは、身内を白血病で亡くしている。迷った末に、ドナー候補者に選ばれたという通知が来たことを伝えると、そのときの経験を話してくれた。自分にできることをする、と決意はしたものの、まだ実感が湧かないから、患者さんの家族目線の話が聞けてよかった。

そのまま近くの沖縄料理屋に吸い込まれ、泡盛のハイボールと、ラフテーとポーク玉子を頼む。よく食べてよく飲んだ。

酔っ払って帰って、なんとか入浴はしたが、気づけば床でチャイルドポーズ(正座に座ってから両手を万歳して上半身を床にあずけるヨガのリラックスポーズ)で眠っていた。自分がドナー候補者になったことを思い出し、慌てて布団に入る。風邪をひくわけにはいかない。今の自分にできることは健康管理だ。自分だけの身体じゃなくなるかもしれないのだからちゃんとしよう。そう決意して眠りにつく。

#日記 #エッセイ #酒 #骨髄バンク

日記を読んでくださってありがとうございます。サポートは文学フリマ東京で頒布する同人誌の製作(+お酒とサウナ)に使わせていただきます。