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360時間VR体験実験結果 ~"私"を超えて~

まず、この2週間をトラブルなく終えられたことを非常に嬉しく思います。
皆様、ありがとうございました。

初めましての方は初めまして。GlinT Fraulein (グリント) と申します。今回は、2週間VRに居続けるとどうなるかという趣旨の実験を行いましたので、その結果を纏めた記事となります。

細かいルールはこちらをご覧ください。前回の実験中によく聞かれたのですが、お風呂に入ったり食事の準備などは制限時間内という制約はありますが普通に行います。

また、先行研究等へのリンクを上記記事に多数掲載しておりますので、よろしければそちらもご覧ください。特に3泊4日ベニスマン生活との比較は興味深い内容となっています。

なお、本実験はほぼ外部に情報を公開しない状態で実施しました。


ちなみに、あんふぃとらいと Advent Calendar 2日目の記事となっています。12/2は50時となってしまいましたが……。


タイムラインで見る身体面及び精神面の変化

長い上に、割と記入漏れがあります。もう少しこまめに情報取るべきでしたね。反省。HMD着けたままの記入は、普通よりはまぁまぁ難しいです。

09/11 11:32 VRC起動。機材状態確認。

09/12 00:00 実験開始。
09/12 03:14 表情が少し気になったので調整。

09/12 08:17 目覚めた際にVRCが落ちていたため、再起動。

09/12 12:57 起床。
09/12 16:43 起きてからしばらく別noteを書いてました。
09/12 17:52 夜に備えて仮眠。

09/12 20:44 起床。
09/12 23時過ぎ ハンドサインが思ったように出ないのがしんどい。
09/13 1時過ぎ それはそうとこの姿も悪くはない。鏡を見るのが楽しい。
09/13 02:19 ハンドサインを修正。UnityもVRC起動しながら触っています。
09/13 04:04 四次元マルバツゲームを発端に、マルバツゲームをめちゃくちゃ考え始める。
09/13 06:05 ラジオ体操をする。やっぱり運動は必要そう。
09/13 07:10 就寝。

09/13 14:49 起床。
09/13 16:55 noteを書き終えJPHubへ。
09/13 17:50 VRCがめちゃくちゃ重くなったので再起動。
09/14 0時過ぎ アバターが変わってもそこまでしんどくないのはアイデンティティを保持しているから?
09/14 05:18 就寝。ラジオ体操まで耐えられなかった。

09/14 12:45 起床。
09/14 14:30 画面上の文字が少し読みづらい。初代Viveは流石に限界か?
09/15 04:42 就寝。

09/15 10:40 目が覚めたらVRCが落ちていたので再起動。何故か08:40と思い込んでいた。
09/15 14時付近の記憶が飛んでいる。多分寝てたとは思う……。この時間、マジで人がいないのでどうやって乗り越えるかがポイントになってくるだろう。
09/16 0時ごろ TonboBattleFieldが楽しい。少なくともこのワールドの銃火器に対してはVR感覚が薄そう(ないわけではない)。そうでもないとロケランで空を飛べない。
09/16 2時ごろ 保健室で就寝。この日はなかなか寝付けなかった。多分、次の日が楽しみすぎるやつだと思う。

09:16 05:50 起床。ラジオ体操で運動の重要性を実感。
09/16 08:33 VRCアップデート。
09/16 11時ごろ 遅めの二度寝の気持ちでもう一度寝る。
09/16 15:10 起床。
09/16 17:11 現実とVRを勘違いすることが2度あった。
09/16 22:30 カソウ舞踏団の演目を観た際に、超現実的な状況に恐怖感を覚える。
09/16 23:20 どうやらこの姿はいつもよりほんの少しはっちゃけることができるらしい?しかし普段はいつもより大人しい気もする。
09/16 04:21 就寝。

09/17 16:27 起床。よく寝た。
09/17 23時ごろ 現実のズボンとアバターのスカートの感覚が交錯する。
09/18 4時ごろ VRCが2度落ちながらも就寝。ギリギリ落ちていない状態を保ちつつ寝れた。

09/18 12:50 起床。


09/20 02:35 就寝。

09/20 11:10 起床。
09/20 12時ごろ アホ毛を抜かれる。なるほど。
09/20 13:30 起きたのはいいものの、祝日とはいえこの時間は人が少ない。二度寝することにしました。
09/20 15:50 再起床。これ以上寝るのも無粋なのでJPHubへ。本実験中は幾度となくお世話になっています。
09/21 1時ごろ ここまで言及していなかったのですが、実は私にとてもそっくりな方がいます。すごい面白いのですが、不思議な感覚。なんとなく動きを合わせたくなるような。一応、「姉妹」ということで完結しました(?)。
09/21 05:50 就寝。ラジオ体操には行けませんでした。

09/21 13:30 起床。割と理想的な起床タイミングではある。
09/22 0時ごろ ちょっと気になったので、

09/23 4時ごろ "夏"を体験しました。

09/24 04:55 「姉妹」にXSOverlayとStreamCameraを使った疑似天井ミラーを教えてもらいました。そのまま就寝。

09/25 14:32 起床。これが最後でしょう。
09/25 22時ごろ 泣きました。
09/26 00:00 実験としてアバターを縛る期間が終了。アバターを元に戻した際の身長の感じに、流石に違和感を感じる。あと、腕と脚がめちゃ細い。実験としては終了ですが、もうしばらくVRを続けます。
09/26 04:40 就寝。話し込んでしまった。

09/26 12:55 起床。

09/27 02:10 VRを終了。計測期間で362時間でした。


アバターが肉体・精神に及ぼす影響

今回は普段使っているアバターを封印しての生活を行いましたが、ラックさんの言う乖離、私の言う浸食48時間程度で十分に発生していたと考えられます。

アバターを普段と変えているのにも関わらず浸食が素早く発生した理由として考えられるのは、
・普段のアバターと身長が大きく変わらなかった
アイデンティティを保持しているから(後述)
の2点によって、心理的な拒絶感が全くと言っていいほどなかったのが大きな要因だと思います。

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左が普段のアバター(少し浮いていることに注意)、
右が実験中のアバター(ウルフェリア改変)

普段のアバターに戻れないという点では少し不便な点(普段使いのアバターには便利なギミックが多いため)や切なさもありはしましたが、早く戻りたいという気持ちはほとんど湧きませんでした。


アイデンティティの保持

私の前回の実験では、以下のような感覚を持ちました。

どのようなタイプのアバターを試着しても、共通して存在した感覚として”違和感”や”恥ずかしさ”という感覚が多かれ少なかれ存在しました。逆もまた然りで、普段使っているアバターに戻った際の”安心感”や”フィット感”もまた強く感じられました。
気になって自分の他の購入済アバターも使ってみたのですが、その場合は”違和感”などは感じられませんでした。

今回の実験は、実験前の1週間でアバターを用意しある程度慣らしてからの開始となりました。

もちろん、この1週間でアバターを「自分」として認識することができたのも大きいのですが、それ以上に私のアイデンティティである「女子高生であること」がブレていないというのが、心理的な拒絶の少なさに繋がったのではないか、と思います。

前回の実験における「別アバターを試着した際の"違和感"」についてもこれであれば説明が付きます。

違和感の大小に関してですが、実験中にメインで使っていたのが女子高生アバターだったせいか、女子学生の制服などを着たアバターなどでは違和感が小さく済みました。逆に機械系アバターなどのメインのアバターからかけ離れた姿であるほど、違和感が大きく長時間の試着には耐えられませんでした。

私の主張は「女子学生の制服などを着たアバターなどであれば、アイデンティティが保持されているから違和感が小さい」ということです。

アイデンティティについては例えば、各アバター共通の色使いであったり共通のアクセサリーであったり、人によってさまざまでしょう。おそらく、私のような概念的な部分にある人の方が少ないと思います。いずれにしろ、アバターを変える際などに意識してみるといいのかもしれません。


アバターへの満足感と感情

今回使用していたウルフェリアなのですが、もちろん顔も良いのですが実は手の造形が非常に綺麗なアバターです。普段使っているアバターも悪くはないのですが、ウルフェリアに関しては手を見ているだけでも非常に満足感があるほどでした。

それに伴ってか、実験期間中は非常に良い気持ちで過ごすことができました。言ってしまえば手はなかなか注目されない部分ですが、いざアバターを変えてみると自分の内面の変化が驚くほど大きかったです。

長時間使うアバターであればあるほど、満足感は少しでも高い方が良い、可能な限り妥協しない方が良いと感じました。ほんの少しの差だったとしても、目にする回数と時間が積もればかなりの差になるでしょう。


アイデンティティについてもそうですが、もし他に長時間連続VR体験をしたい方や、そうでなくても日常的に長時間のVR生活を行っている方は、アバターの選択と改変については可能な限り力を入れるべきです。それこそ、現実側の準備と同じかそれ以上に重要になってきます。アバターを変えての長時間連続VR体験をしてみて、想像以上にアバター、見た目というのが大事ということを感じました。

またVRChatにおいては、カメラや鏡を用いて自分の姿を視認している時間が現実以上に長いです。自分の姿を認識する機会が多いということも、やはりアバターはできるだけこだわるべきという論に拍車をかけていることでしょう。鏡に映るその姿は理想的な方が気持ちがいいですから。


鏡の外の私?

今回の実験中、私にまるでそっくりなフレンドさんが現れ、というか継続的に(ほぼ毎日)交流をしていました。完全に偶然ですが、その時に感じたことなどを記しておきます。

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ほとんどお揃いの様子。左が私。

普段使っているアバターでは、同じアバターを常用している人が私の知る限り0人、アップロード者まで広げても私の知る限りでは6人(うち1人はアバターのデザイナーさん)という、極めて希少なアバターでした。なので、同じアバター使用者と出会うなんてことはまずありませんでした。

今回は同じアバターはおろか、髪の色も同系色。衣装に関してはほとんど完全に一致しているといっても過言ではありません。強いて言えば私はスカートを別の衣装から持ってきており、相手はこの衣装のスカートを改造して使用している、くらいのもので一目見て分かるものではありません。

まず、非常に不思議な感覚を覚えました。見た目がほぼ同じなそっくりさんが目の前にいるということ自体、ほとんど初めてだったので戸惑いがなかったとは言えません。

次に、行動を合わせたくなりました。カメラに対して鏡写しのポーズを取ったり、同じ表情を出したり。見つめ合ってお互いにゆらゆらしているだけで数十分経っていたこともありました。

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カメラに対して鏡写しのポーズの例。右が私。

また、単純に親密になりました。「見た目がそっくり」ということで話すきっかけとなった上に、継続的な交流の心理的なハードルが大きく下がったのを感じました。
実験後、私は普段使っているアバターに戻り、相手もこれに限らず様々なアバターを持っている方なのでアバターは変わったりしましたが、実験中と同様に交流が続いています。一度親密になったらアバターに関わらず交流が続けられる、と言えそうです。


心理学における「ミラーリング」をご存知でしょうか?ミラーリングは相手の行動や仕草などを真似て応対することで、相手に親近感を抱かせる手法です。
今回の体験で感じたのは、アバターの見た目を相手に寄せるのはミラーリングの極致ではないか、ということです。見た目がそっくりというのは、それだけで強い親近感を抱きます。そこから更に行動や仕草を無意識に寄せてしまう、意識的に寄せたくなる、という心の動きがありました。

今回親密となったことに関しては単純接触効果による部分も大きいですが、それだけでは説明しきれない部分として、強いミラーリングの効果があると思います。長時間連続VR体験とは切り離してなお追研究の余地がある部分として、興味深い内容です。


体へ対する負荷・眼精疲労について

HMDを装着することによる身体に対する負荷はやはりないとは言い切れませんが、Viveデラックスオーディオストラップの使用によって改善された部分があります。HMDの総重量としては増加しているものの、後頭部への重量となるために全体としてはバランスが良くなり、結果としてオーディオストラップが無い状態よりも負担が軽減されました。

実験をしながらXSOverlayを用いてnote記事を書き進めている時間も多く、同じ姿勢でいる時間が長かった分、何かしらのアクティビティで意識的に身体を動かすことは必要だと感じました。ラジオ体操に限らず、身体を動かすタイプのゲームワールドもいいかもしれません。

眼精疲労についても特に問題なく過ごせました。強いて言えば、目やにが出やすい体質なので、起きてから目を洗わずに過ごすと目やにが目に対して少々ダメージになった程度でしょうか(これは眼精疲労なのか?)。基本的に起床時にはお手洗いに行き手を洗い顔を洗うというルーティンがあるので、そこまで気になりませんでした。


VR感覚について

VRには触られているような感覚がするVR感覚(※)というものが存在し、私は普段全身に少し、顔周りにはやや強めの感覚があります。

測定等をしてもらった訳ではないので体感での話になってしまいますが、今回使用したウルフェリアに関して言うと、VR感覚がそこまで強く出ることはありませんでした。

仮説として考えられるのは、
・普段のアバターを使ってきた時間に対して、実験期間だけでは時間が短すぎた
・TonboBattleField、Murderなどの激しい遊びを日常的に行っていた
・普段よりも厚着をしていた
辺りでしょうか。

ラックさんの実験における、「アバターに対する拒否感が強かろうとなんだろうと、没入感と時間さえあればVR感覚は強制的に生ずる」という論に対して、生じたVR感覚が強くなるかに関しては、また別の条件が存在するというのが落としどころでしょうか。

※ VR感覚
別名ファントムセンス。
諸説ありますが当記事内では触覚、温度感覚、嗅覚、味覚等、一種の錯覚として体や脳が捉えてしまう現象の事を指しています。
あるかどうかには個人差があり、先天的に強い人も居れば後天的に会得する事も可能です。私の場合、先天的に少し持っていたものがあり、後天的に増幅とコントロールを行って今に至ります。
現実に存在する部位のみならず獣耳や尻尾、羽、更には体に身に着けている衣服や装飾品にまで感覚が存在する人も居ます。


睡眠・心拍数・ストレスモニタリングと考察

ここではMi Band6を用いて記録されたデータを見つつ、長時間連続VRが身体に与える影響について考察していきます。条件設定としては「お風呂でもバンドを外さない」としていましたが、各種モニタリング機能を付けた結果かなり電池の消耗が激しく(特に連続ストレスモニタリング)、途中からはお風呂などのタイミングで充電をすることとしていました。
各データは、上2行が実験中2週間、下1行が実験直後の1週間を普通に過ごした様子となっています。

まずは睡眠について。前回同様、HMDを装着したまま睡眠する、いわゆるVR睡眠を行っていました。前回とは違い、Vive デラックスオーディオストラップを使用しての実験だったため、寝心地という面では明らかに悪化しています。

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明らかな外れ値(記録睡眠時間が1~2時間台)を除けば、実験中と実験外で明確な差は見られないと思います。
注目したいのが、9/21、9/24,9/27のグラフ。睡眠中に一定周期でREMが訪れる状態が非常に分かりやすくなっています。おそらく、かなり理想的な睡眠ができているのではないかと思います。実験中のVR睡眠でもこのような綺麗な睡眠がとれる、ということは特筆に値するでしょう。


次に心拍数。一部グラフが下に振り切れている部分がありますが、それが充電のタイミングとなっています。

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寝ている時の心拍数って、こんなに分かりやすく下がるんですね。もしくは、起きた時に跳ね上がるとも言えます。ちょっと面白いです。
それはさておき、こちらも目立った変化は見られません。それだけ、VR内外がシームレスに繋がっているとも言えます。思い込みかもしれませんが、実験中の期間の方がほんの少し全体的に心拍数が安定しているように見えます。特に起きている時間のブレが少なめな気がします。あくまで気がするだけ。


最後にストレス。1日目のデータは計測できていませんでした。大きく書かれている数字は各日の最後の値であり、参考にすべき値とは言えません、

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9/16朝のラジオ体操だったり9/23未明の"夏"だったり、身体を動かす活動が適度なストレスとなっていることが分かります。適度なストレスは身体に良いので。
ストレス計測は心拍数計測よりも計測条件が厳しく飛び飛びですが、円グラフを見る限りは全体的には大きく変わっていなさそうです。実験中の期間の方がやや軽度のストレスが多めに見えます。おそらく、VR内で身体を動かすアクティビティを多く行ったことが関係していると考えられます。


これらのデータを鑑みるに、きちんと環境を整えればVR空間内でも現実と大きく変わらない心身状態で活動ができる、と言えるでしょう。もちろんVR酔い対策や機器への慣れといった部分は必要かと思われますが、「人は一日に何時間もVRを装着して活動し続けられない」という論に対しての反証の一つとはなると思います。


食事、もとい栄養摂取について

概要記事にある通り、今回は自作完全食を用意して臨みました。ゴミや洗い物がほとんど出ない、用意が楽、HMDを装着したままでも摂りやすい、という点でほとんどストレスは感じませんでした。

ただどう見てもディストピア食であり、これに関しては合う合わないが人によって極端に分かれそうです。例えば食事を楽しみたい人や温かいものが食べたい人にはあまり向いてないでしょう。逆に、徹底的に楽をしたい人や極力現実側の事情を考えたくない人にはお勧めできます。栄養としては間違いなくバランスが良いので、通常の食事とのハイブリッドとするのが落としどころでしょうか。


実験とは直接関わりませんが(どちらかというと前回の実験に関わる)、HMDを装着したままでもそこまで不自由なく食事はすることができます。片手で食べられるおにぎりやサンドイッチ、菓子パン類はもちろん、スプーンを用いてカレーを食べるというのは割と日常的に行っていますし、なんなら箸を用いてご飯と味噌汁とおかずをいただく、なんてことも普通にやっています。繊細な箸さばきが求められる焼き魚なんかはちょっと難しいかもしれませんが、大抵のものは案外HMDを着けたままでも食べられます。

感染症対策の観点から「黙食」が謳われる日々ですが、VR空間なら気にする必要ありませんね!慣れてしまえばDiscordやZoom繋げながら食事しているくらいの気持ちで、より充実度の高い結果が得られたりします。VR飲食は、あります!(クソ雑なまとめ)


その他所感と今後の課題

・コントローラーについては前回と変わらず、やはりViveコントローラーは一般的な使用においては難があります(ゲームワールドだと使いやすいことがあります)。Indexのように、手を放しても落ちなくなるストラップが販売されているので、そういうものを使うのも良さそうです。

・前回と大きく変わったのがトラッカー充電環境。これに関しては非常によくなりました。身体の可動域が制限されなくなり、より快適なVR生活を送ることができました。バッテリーの重さに関しては、腰は完全に無視できる程度、脚はバッテリーベルト+モバイルバッテリーを装着してやっと気になりだす程度でした。

・実験中、note記事を書き進めていたのですが、机とベースステーションの位置の関係でどうしてもトラッカーが飛んでしまいました。また、トラッカーを靴に括り付けている関係で、VR睡眠時にはトラッカーを外していました。
この2点に関しては、haritoraやuni-motionといったジャイロ式トラッカーを用いることで解決できるでしょう。まだ使ったことがないので正確なことは述べられませんが、ジャイロ式のトラッカーは性質上「滑り」が発生するのですが、そこは光学式のトラッカーの「飛び」とトレードオフの関係でしょうか。用途に合わせて使い分けることも考えられます。

・次回同じような実験を行うとしたら、アバターの性別を変えるか、身長を大きく変えるか、というのが妥当かなと思います。何をもって「合うアバター」「合わないアバター」とするかは人それぞれだと思いますが、例えば「合うアバター」の中でも何か大きな変化を持たせた際に、何が起きるのかは気になる部分です。

・(蛇足)今回の実験を通して感じたことを始めとした、アバターに関する所感を私立VRC学園の方で講師としてお話させていただきました。こちらの記事にまとめましたので、併せてお読みいただければ幸いです。


結論として、普段とは違うアバターで長時間過ごすことにおいて、それが自分に合うと感じるアバターであればストレスは取るに足らないものです。ただ、何をもって自分に合うとするか、アバターの何をもって個性とするか、というのは自分自身によく問いただす必要があるでしょう。

個人的な部分としては、普段とは違うアバターでここまで長時間過ごすことはまずなかったので、非常に刺激的で、新鮮な気持ちで過ごすことができました。何か月、いや、年単位ぶりの気持ちかもしれません。

次に同じような実験をするならば、上でも記しましたが、アバターの性別を変えるか、身長を大きく変えるか、といったところでしょうか。もしくは改変禁止・サンプルアバターオンリーなんてのも考えられますね。

ラックさんは「実験的な側面で見ると、1週間以上はやる意味が薄いのではないかと個人的に思います」と述べていましたが、実際、実験としては1週間で十分だと感じました。2週目だからといって大きな変化が起きるといったことはありませんでした。


最後になりますが、間接的ではありますが今回のきっかけとなったラックさんを始め、実験を応援してくださった皆様、実験中に出会った皆様、特にVRCスクールで関わった皆様、そして最後までこの記事を読んでくださった皆様に感謝の意を残して終わりとさせていただきます。
皆様、本当にありがとうございました。


ふたり

何者にでもなれるわけではないけれど、何にでもなれる。
それって、とっても素敵なことでしょう?

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