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数日前に出たのがこのニュース。

キム・カーダシアン・ウェストが、Shape Wear(シェイプウェア)ブランドを立ち上げたというもの。

彼女は構想に15年かけており、サイズはXXSから4XL、色は9色展開と、幅広い女性に向けられていて、なかなかよいではないかと思う。

のだが・・・

問題はここ

そのブランドの名前は、なんと「KIMONO」

その上、この「KIMONO」という名称を登録商標として申請しているというのだから、日本人としては心穏やかではいられない。この「KIMONO」という名称は、我々日本の大事な文化という認識であり、世界的にも知られているものでしょう。

1日前には、CNNでもこのようなニュース

タイトルとしては
「キム・カーダシアンのKIMONOランジェリー・ラインが日本人の怒りの導火線となった」
という感じだろうか。

しかし、このキム・カーダシアン、頭がいいのか悪いのか? というより変な先入観とかないのだろう。KIMの作った絵文字(emoji)でKIMOJIとか言ってしまうくらいなので、とても主観的。KIMの作ったなんちゃらであれば、頭にKIMをつけて「KIM○○」、大人になるとできなくなる、見事な子供の発想。余計なことを考えないシンプルな発想。
KIMONOもそんな発想方式に加え、「KIMONOって素敵な響きじゃない?イメージもクラース(階級・品格)があるし♪」って思っているのかも。

そして、ここまで大事になるとは思わなかったのか、はたまた大事にして注目を浴びる炎上商法なのか、わからないけれど、またまたお騒がせである。

それより何より問題は、どこの国(何カ国)で、どのカテゴリまでカバーするように登録商標を申請しているのか?お金にモノを言わせて、幾つかの国で、全部のカテゴリで申請しているとしたら、本当に厄介。さらに、その申請が通ってしまったとしたらかなり大変と思っていたら、このような記事が。

どうやら、

商標の出願状況が検索できる米国特許商標庁のデータベースによると、出願された商標は、“KIMONO”のほか、“KIMONO BODY”、“KIMONO SOLUTIONWEAR”、“KIMONO WORLD”、“KIKIMONO”など。2018年4月ごろから順次出願を開始し、“KIMONO”の文字を使用したロゴは19年6月19日付で出願し、現在審査中だ。

らしい。そして

ランジェリーや補正下着、パジャマ、ストッキング、ベビードール、ボディースーツ、ローブ、スイムウエアのほか、サンダルや革ベルトなどを指定している。

とのこと。調べられているのは、アメリカの特許庁という話。他の国で出したりしてたら・・・それはないのかな。

とはいえ、この申請が通ってしまったらと考えると、悩ましい。

登録商標といえば、昨年ニュースで出たのがこれ。「無印良品」の中国での登録商標と模倣品の話。

根本的な意味は違うけれど、商標権ってやはり厳しい。

企業であれば、交渉して解決する(お金で取り戻す)こともできるけれど(無印のように、時間がかかっているケースもあるが)、これでKIMONOの商標が取られてしまったら、日本の着物をKIMONOと表現するのは問題ないにしても、キムのブランドのものと混同されるようになったら、これは由々しき事態。誰かその名称を買いとってくれる、日本文化を愛する大富豪でもいないだろうか?と本気で考えてしまう。

そして、このキムのブランド「KIMONO」。ドメインに「kimono.com」 というそのままのものを取得できている。どうして今まで手付かずだったのか?というのは愚問。手つかずのわけがない。今まで誰もとっていなかったのではなく、誰かが早々にとってしまっていたものを買い取ったに違いない。それも保持していたのは日本人でもなく、キモノが趣味のオタクな欧米人(別にそれをビジネスで利用していない、していたとしても大ブランドではない)だったりするのかなと想像する。

なぜそう考えたかというと、某雑誌が、その雑誌名でオンラインメディアも立ち上げようとして引っかかったのが、その雑誌名のドメインがすでに取られてしまっていたから。最終的にそのドメイン保持者に交渉して交渉して、権利を譲渡してもらったという話を聞いたことがあるのだ。

よほどのことがなければ、それなりの納得のいく条件が提示されれば譲歩・譲渡するでしょう。この辺りはなんとでも。

そして今回の「KIMONO」のことから繋がって、ふと思い出したのは、「BENTO」。食とは違う部分でも「BENTO」という言葉が使われ始めている。

このブランドでは「BENTO」というパッケージサービスがあり、トレードマークをつけている。

カスタマイズして服装いろいろ詰め合わせてお届けするという意味で、これは日本のお弁当の意味をうまく使っている。それに、このブランドはCEOのサラさんはハーフ・ジャパニーズ、デザイナーの方も日本人。従って、違和感は特にないかな。

一方、同じく「BENTO」が韓国コスメのある商品のネーミングに使われている。

これはお重をイメージしてるのか?それとも最早「BENTO」は「セット」というニュアンスで使われるようになっているのか?こちらには少々「?」を感じつつ、こうやって言葉って一人で歩き出すわけだ。

日本の文化や言葉、物が、日本国外でも知られるようになる。何事も知られるようになることは事の始まりであり第一歩。これを「攻め」とするのであれば、同時に「守り」として上手いリスクマネジメントをしていかないと、本来の大事な部分が抜け落ち、本来の意味とは全く別物になってしまったり、折角良いものに育ったのにあっという間に誰かに取られてしまったり、足元を救われたりすることが大いにあるということ、肝に銘じなくてはならない一件が、今回のキムの「KIMONO」問題のような気がする。

さて、このキムのシェイプウェアブランド「KIMONO」の登録商標問題はどうなるか?まずは静観。

って、こんなに書いていたら彼女のシェイプウェアの宣伝になってしまっている。うまく動かされたか?(苦笑)

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