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【企業情報】商船三井/競争激化で生き残り戦略

皆さん、こんにちは。B to B サラリーマンです。本日は、三井財閥を源流をおく商船三井についてお話をしていきたいと思います。日本には大手海運企業はわずか3社しかありません。「商船三井」「日本郵船」「川崎汽船」の3社です。

1.企業概要

海運業をざっくりと説明すると、船で石油や石炭の資源、繊維、食料品の加工品、車、機械、などの産業用品を含め、あらゆるモノを輸送する業界です。最近は輸送スピードが速い空輸や、船を操舵する技術を生かして資源開発にも領域を拡大し、付加価値の高い事業展開を図っていますが、売上構成からすれば、主要事業は船を活用してモノを運ぶこと、と理解して良いと思います。(参考:https://www.mol.co.jp/ir/accounts/finance/segment.html)

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近年の売上推移をみると、約4割を占めていたコンテナ事業を日本郵船・川崎汽船の同事業と合併したことで、売り上げが減少しています。(*現在はOneがコンテナ事業を運営し、商船三井の持分会社)

2.給与について

海運業といっても大きくは物流・輸送業に位置するため、年収は高くないかも、、と筆者は不勉強ながら学生時代に思っていたのですが、その真逆で日系企業では最高水準になっています。給与例は以下の通りになります。

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地上総合職であれば、入社5年目でコーディネーター(いわゆる主任)に昇格し、残業見合い時間込みの給与になります。トップメーカーの給与にも引けは全く取りません。

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10年目に差しかかる頃には、年収は900万円に到達します。近年の業績がやや斜陽傾向にあるため、賞与は少なめですが基本給が高いため、非常に安定しています。残業代次第では年収1,000万円には到達するのではないでしょうか。

3.海運業のこれから

一方で、海運業界はプレイヤーが多くなりすぎたため、競争激化の傾向が非常に強いです。特に近年は欧州、中国資本の会社を中心に吸収合併を繰り返し、薄利多売で生き残りをかけている企業が増えてきています。ONEも同様のロジックで誕生しましたが、やはり規模で劣後している分、競争力にも見劣りしています。

そのため、冒頭で触れたように各日系企業は新規事業として新造砕氷LNG船を活用した極東地域でのエネルギー輸送や、LNG発電船事業にも進出を図り付加価値がより高い事業を始めていますが、事業の減損リスクは決して低くなく、知識やノウハウをどこまで高度に運用できているかが問われています。

また、世界人口の増加に比例して、物流量も増えていくことは明らかと言えるため、これからは新興国におけるシェアをいかに高めていくことが重要になるのではないかと筆者は考えています。

中国におけるモノづくりが東南アジア各国にシフトを始めていますし、このタイミングで日系企業以外からの輸送業務をいかに確保できるかで、将来の商船三井は大きく変わってくるといえるでしょう。

要約すると、既存事業は競争激化のため、①高付加価値事業の拡大と②発展著しい新興国でのシェアが生き残りの大きな鍵になってくるはずです。

4.総括

とはいえ、GDP世界第三位の日本経済に根を下ろしている商船三井。企業体力は十分にありますし、これから勝負に出る余力はあります。かつて総合商社がトレーディング業から川上、川下に勝負を仕掛けていったように、海運企業も勝負をかけるタイミングに差し掛かってきたと筆者は感じています。

これから生き残りに向けた勝負をかけざるを得ない商船三井。新規事業を拡大していくのは間違いないでしょう。新たな事業に挑戦したい方は、この会社で働くのも楽しいではないでしょうか。

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