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17のThe Sustainable Development Goals (SDGs)

SDGsの概要

SDGs は2015年に国際連合の加盟国である193の国が同意した目標で、”2030年までに貧困撲滅、環境問題改善、平和構築と経済繁栄を目指して国際社会で協力していこう" というものです。

この目標を持続的に達成するために、17の分野に細分化されています。

1. No Poverty

一日に1.90アメリカドル以下で生活せざるを得ない人たちは、最貧困層 (extreme poverty) と呼ばれています。

1990年から2015年にかけて世界の最貧困層は1/3ほどまで減少したものの、世界にはいまだに多くの最貧困層がいて、その人たちの生活向上を目指そうというのがこの目標です。

ちなみに、この1.90アメリカドルは各国の物価などにアジャストさられて、その国の基準で判断されています。貧困に苦しむ理由は、経済的な理由だけでなく、自然災害やコロナウイルスの被害による理由も挙げられるため、多方面から最貧困層の生活向上に取り組んでいるわけです。

2. Zero Hunger

貧困撲滅と似ていますが、こちらは栄養面の向上に重点を置いています。

経済成長や農業生産の向上により、栄養失調に悩む人の数は減ったものの、いまだに多くの人が栄養のある食事をとれずに生活しています。そこで、この目標は持続的な農業生産の向上や小規模農家への技術面でのサポート、インフラ整備などを通して、安定した食べ物の供給を目指しています。

3. Good health and well-being

こちらは医療分野に重点をおいていて、感染症の原因となりうる汚染された飲み水や汚いトイレなどを改善するとともに、医療機関へのアクセスを平等に届けようというものです。

治療可能な感染症でも医療機関へのアクセスがなければ、深刻な病気に発展することもあり、とくに子どもたちには大きな影響をあたえます。

また、この目標では精神面における健康にも着目していて、虐待被害者やアルコール依存症の人の治療や、研究協力などを通して健康面の全体的な向上を目指しています。

4. Quality Education

貧困や紛争によって学校に通うことができない状況にある子どもたちに焦点を当てたのがこの目標です。

幼少から24歳の若者層にむけて、性別、地域、収入などの差に関係なく教育が公平に行き届くことを目指しています。勉強に集中できるように安全面や健康面の向上、教師の育成もふくめて教育の質の向上にも着目しています。

5. Gender Equality

持続可能な世界をつくるために人権に注目したのがこの目標です。

性暴力による安全の欠如に加えて、教育や労働におけるアクセスの差や18歳以下への強制的結婚などの社会的格差をなくしていこうという取り組みです。

とくに “女性の役割“ という固定概念は性別による格差を生み出していて、たとえば家事などの家庭における労働は、給料がでないわけで、その時間をスキルアップや教育につかうこともできません。
そのため、家庭内でお金がうまく分配されていない場合は、“女性の役割“ という固定概念自体が格差につながりかねないんです。

リーダーなどの社会的な地位に女性がいなければ、こういった女性の悩みが問題視されにくいため、女性の社会的な地位の向上にも重点をおいています。

6. Clean water and sanitation

水という生命維持にかかせない資源に重点を置いたのがこの目標です。

きれいな水を運搬するためのインフラが整備されていない地域では、汚い飲み水や手洗い用水から病気に感染するなど健康面に被害が及ぶんですね。

こうした問題に対して、水を汚染させる化学物質の管理を強化したり、水の供給源である自然環境の保護、捨てられているき利用可能な水を再利用するなどの取り組みが世界規模で行われているのです。

7. Affordable and clean energy

料理など生活に欠かせないエネルギー源へのアクセスを持続的に増やしていこうというのがこの目標です。

安全に使える電力や火力などのエネルギー源がなければ、室内における大気汚染や生活の質の低下にくくわえて健康被害にも影響が出てきます。

そこで、効率的なエネルギー供給の研究協力や発展支援を通して、世界全体での持続可能なエネルギー管理に取り組んでいるのです。

8. Decent work and Economic growth

貧困撲滅のために安定した雇用体制をつくっていこうというのがこの目標です。

国家間の貿易を支援したり、観光業を推進して国全体の経済を安定させることにくわえ、技術支援による労働者の生産性向上に取り組んでいます。

また、安定した経済体制には無駄な消費を減らしていくことも大事なので、銀行業の支援なども行っているんですね。

若者層を中心として、雇用創出やスキルアップ支援、17歳以下の強制労働を削減して教育体制を強化するなどといった取り組みも行われています。

安全で健全な労働環境を作ることにも重点をおいていて、性別によらない給与体制の整備などにも着手しているのです。

9. Industry, innovation and infrastructure

モノの運搬や人の移動手段、水などのエネルギー管理、インターネット環境整備などといったインフラに着目しているのがこの目標です。

農業や工業の生産性を上げ、経済を安定させ、医療制度や教育機関を充実させるための根幹となるのがインフラなので、その投資をすすめているんですね。

産業における雇用の創出や生産性の向上にくわえ、小規模産業の経済的な協力もおこない、発展のための研究支援などをすすめているわけです。

10. Reduced Inequality

貧富の格差に注目しているのがこの目標です。

経済や政治的な格差をなくしていくために、政策面から差別的なルールや制度を排除し、機会均等をはかっています。とくに投票権や給与などでみられる、性別や障害の有無、出身地や人種、民族や信仰宗教による格差をなくしていこうとしているんですね。

さらに途上国への投資の推進にくわえ、移民政策の改善や発展途上国の国際社会における立場を高めていくことで、国際社会における国家間の格差をなくしていこうとしているます。

11. Sustainable cities and communities

都市部がかかえる問題に着目しているのがこの目標です。

経済発展している都市部ではとくに格差が広がりやすいため、住居の確保や、貧困層へのケア、安全な公共施設と公共交通機関の整備などをすすめています。

また、環境への配慮や、文化や自然の遺産を保護しながら継続的に都市の発展を進めていくことを目指していて、自然災害による被害を減らす都市建設にくわえ、都市部とそれ以外の地域の協力体制を強化をはかっています。

12. Responsible consumption and production

限られた資源を有効利用していくために、無駄な消費と生産を減らしていこうというのがこの目標です。

ビジネス的な理由から見過ごされてきた、非効率な天然資源や食べ物の生産を取り除いたり、資源の再利用を公共機関や各会社に推進しています。

環境問題への配慮から、化学物質排出を減らしていくことに注力するとともに、資源の再利用や無駄の少ない消費と生産を実現していくための、情報共有や技術支援も世界規模で行われています。

13. Climate action

世界が抱える環境問題に立ち向かっているのがこの目標です。

国際社会全体で環境問題改善に向けた予算を確保したうえで、国家の政策に環境問題への配慮をくわえたり、効率的な環境管理に関する情報共有などを世界規模でおこなっているんです。

国民への現在進行形の環境問題に対する理解を深める活動も行われていて、自然災害の被害をおさえるための耐久性を高める活動も行われています。

14. Life below water

空気や飲み水、食べ物の生産に影響を及ぼす、海の水質汚染に目を向けたのがこの目標です。

海洋生態系の保護や、酸化しつつある水質の管理にくわえ、必要以上の漁業を減らしていく規制を設けたりしています。

小規模漁業を営む漁師への支援や情報と技術の共有にくわえ、こうした規制に準ずることで経済的な利益が得られるような仕組み作りにも重力することで、持続可能な政策にできるようにしています。

15. Life on land

森林破壊に焦点を当てたのがこの目標です。

森林は水や食べ物の供給源であることに加え、人類を含めた生態系の維持に大事な役割を果たしています。その森林の保護、失われた森林の再生、森林と共存していくことを掲げているんですね。

自然から得た利益の公平な分配、生態系を脅かす異種の流入防止、こういったことを法律や財政の国家政策に組み込んでいくことを推進しています。

16. Peace, justice and strong institutions

平和構築を掲げたのがこの目標です。

個人単位から軍事紛争までの幅広い範囲で、犠牲となる人々を減らしていこうと取り組んでいます。
子どもから大人までの物理的、精神的、性的な暴力を防ぐために、被害を訴えることのできる機会の増出、犯罪組織に対する取り締まり強化を行っているのです。

不安定な政治情勢では治安も安定しないため、政治内での不正行為の取り締まりにくわえ、安定した政府機関の発展支援、発展途上国の国際機関とのつながり強化などを世界規模ですすめています。

また、ジャーナリストに対する暴力被害などは発言や報道の自由を脅かすため、公衆への積極的な情報共有も推進しています。

17. Partnerships for the goals

SDGs の目標を実現するためには世界全体での協力が必要で、経済的に実現不可能であれば空論で終わってしまいます。そのため、先進国の発展途上国への積極的な支援を呼び掛けているのがこの目標です。

税制や国債など国家の財政管理支援、投資などを通じた先進国による発展途上国の経済発展支援、科学技術や統計データの共有など世界全体での協力を強化しているんですね。

各国の自治を尊重したうえで、途上国からの製品を積極的に取引するなど、国際機関牽引のもとで発展支援のための、より良い貿易システムを推進する活動も行われているのです。

参考
UNDP, UN、SDG Tracker

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