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【オススメ本】「なぜこの国はこうなんだろ?」と思ったら〜『経営戦略のとして異文化適応力』

違う国の人と話したり仕事をしたりすると、「なんでこうなの??」と思うこと、結構ありますよね。自分の当たり前は、必ずしも相手の当たり前ではない、、、と頭でわかってはいても、「なんで?」が紐解けなくて苦しむことも多いのではないでしょうか。


そんな時に役立つのがこの一冊ということで、オススメ本をご紹介します。いま私がやっている「海外人事」の仕事にも活かせそうだなと読み始めた「経営戦略としての異文化適応力〜ホフステードの6次元モデル実践的活用法」


タイトルは難しく感じますが、とんでもない!むしろ、リアルな事例がいっぱいで面白い本です。知的好奇心がくすぐられます。。。海外で働いている方・住んでいる方、もしくは日本国内であっても海外や外国籍の方との接点が多い方などに、おすすめします ^^



「ホフステード6次元モデル」とは、ごく簡単にいうと「以下6点について国別のスコアを出し、各スコアを見ることでその国を深く理解しやすくなる」というもの。

1. 権力格差(小さい↔︎大きい)

2. 集団主義↔︎個人主義

3. 女性性(生活の質)↔︎男性性(仕事重視、極める)

4. 不確実性の回避(低い↔︎高い)

5. 短期志向↔︎長期志向

6. 人生の楽しみ方(抑制的↔︎充足的)


各国のスコアの掛け合わせによって、その国の文化的背景が読み解けるようになる理論。とはいえ私が今回の本で1番いいなぁと思ったのは「具体的な事例」が多いこと!


★たとえば(その1)

医者と患者の関係も国によって全然違うという話。

中米のドミニカ(権力格差・大)では診察時間は短く、医師が判断し、患者の質問に耳を傾けることは少ないとのこと。医者は自信に満ちて、指示的。何のための注射?何のための薬?とこちらが聞いても答えをもらえないままに処置されてしまうこともあると。。。

一方で、オランダ(権力格差・小)では、医者と患者は対等で、何につけても患者の意向を確認するとのこと。著者が39度の熱で真っ赤な顔をしてヒイヒイ言っていても、「どういう薬を服用したいですか?」と聞かれて唖然としたと。笑


★また、たとえば(その2)

仕事に対する考え方なども国によって違うという話。

まずは我がニッポン。ミシュランガイドで星を獲得したレストラン数は東京がダントツ世界一だと知っていましたか?2年連続世界一で、第2位のパリも大きく引き離しているそうですよ!

これは「極める」ことに秀でた日本の活躍を裏付けるデータ。というのも、日本は「男性性スコア(仕事重視、極める)」が断トツ高いのだそうです。あぁ、だからこんなにも「匠」や「プロフェッショナル」が持てはやされるのかぁ、と納得する感じがありますよね。


一方で、タイは逆。

日系企業のタイ支店で長らく活躍していたタイ人女性オフィスマネジャーに、ちょっと深刻な病気が判明した時のこと。日本人上司が「で、君が病気でしばらく不在の間の仕事はどうしようか」と言ったところ、第一声がそれだったことにショックを受けて「もうここでは働けない」とタイ人女性は辞めてしまったと。

タイは、女性性スコア(生活の質重視)が高い国だそう。そのため、彼女自身の体や生活のことよりも、まず仕事についての話がなされたことに耐えられずに、退職を決意した、とのことで。。。


これらはごく一例ですが、こんな感じでさまざまな具体例を元に書かれているので、なるほどなぁと学びがあります!^^


各事例は書ききれないので、気になる方はぜひ読んでみてください。「海外人事」として働くにも、グローバル企業で働くにも、海外で住むのにも、とにかく各国を文化的背景から深く理解するのに役立つ一冊。ぜひ知的好奇心をくすぐられながら「ほほぅ」と読んで、自身の課題解決にお役立ていただけたらと思います ^^


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