君は優しい。

大切な友達がいる。
今日はその子に向けて。

○○さんに「君は優しいよね」って言われたんだ。俺はその言葉が好きじゃない。人に言われるとさ、優しすぎると言われているようで。未熟な感じがするんだ。

そんな話を2016年の夏にした。

当時の私たちはどう自分を磨くかばかり考えていたように思う。会うたびに成長して先へ進む君は私の憧れだった。
人として大好きだった。

根が優しい君。根が自己中な私。
共通点は仕事にストイックなところと
人間関係に慎重なところだと思う。
あとは建築好き。

職業柄、心を尖らせる必要があった君は
職業柄、心を丸くする必要があった私を
面白がり、不思議がり、否定もした。

お互い、性格と職業がまるでマッチしていない。
それでも決めた道を迷わず進む。

そんな関係性が心地よかった。
戦友とも少し違って唯一無二だ。

会うのは半年に一度。
お互いの向いている方向を再確認しながら何時間も喋り倒し、いつも時間が足りなくて。名残惜しそうにケーキを食べ終え帰路に着く。

次会うときには、負けない何かを仕込んでおこう。なんて小さな野望を胸に秘め、いつもの生活に戻る。

コロナ禍になって私は仕事の対応に追われ
君は修行に出てそれきりだけど
なんだか物足りない。
張り詰めた緊張感が足りない。
そろそろ会いに行くよ。元気かな。

私達らしい未来の話をしよう。

刃を研ぎ直そう。

そしてまだ優しいと言われるのが嫌そうなら言ってやるよ。優しいと感じるのはこちら側だから素直に受け取れと。

君に優しさがなくなってしまったらただの生意気な天邪鬼になってしまうから。きっと後悔するからそのままでいて欲しい。肩の力を抜いて自分と向き合って欲しい。優しさを受け入れて欲しい。そしたら絶対、もっと強くなる。

じゃあ、また。
今度はあの子も仲間に入れて3人で会おう。

(あの子は私たちよりストイックなあいつ)


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