この記事って……もしかして広告?

こんにちは、GMOアドマーケティングのWEBメディア編集担当です。出版社やWEB専業会社を行ったり来たりする、メディア大好き人間です。

わたしたちが運営する「広告がおもしろくなるnote」は、「インターネット広告はあやしい・不快・うざい」という問題点に立ち向かうべく、インターネット広告業界の裏側や新しい試みをご紹介するnoteです。
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これは広告? 普通の記事?

突然ですが、みなさんはWEBメディアの記事や雑誌、TV番組を見ていて「はいはい、どうせ広告なんでしょ?」と思ったことはありませんか?

「雑誌○○で取り上げられました!」
「今回ご紹介するお店は△△です!」

一口に「広告」と言っても、その形はどんどん変わってゆきます。もはやテレビCMやバナー広告といったわかりやすい形だけが「広告」ではありません。だからこそ、読者は「これは広告なの?普通の記事なの?」と不安になることもあるでしょう。

普通の記事(コンテンツ)と広告は、どう違うのでしょうか? 「編集権」というものから考えてみたいと思います。


「編集権」ってなに?

出版業界と、WEB業界を行ったり来たりしている筆者ですが、1つ違和感を感じていることがあります。それは、出版社の人間ならほぼ全員が知っている「編集権」をWEBメディア編集者がしばしば知らない、ということ。

「編集権」とは、大辞林によると以下のとおりです。

新聞・雑誌の編集上の方針を決め、それを実施する権利。

どうしてこの「編集権」が、広告と関わってくるのでしょうか。ちょっと極端ですが、例を出して考えてみます(例に他意はありませんのでご注意を)。


たとえば、テレビ朝日には『報道ステーション』という番組があります。テレビ朝日は民放ですから、報道ステーションの合間に挟み込まれるCMで賄われてるわけです。そのCMの大口スポンサーに東芝があったとしましょう。

では、その東芝を慮って、報道ステーションは東芝の不祥事を報道しないか?と言われると「それは当然NGだ」と感じる人がほとんどではないでしょうか。

CMとしてお金をもらって広告枠を提供することと、ニュースを配信する/しないを決めることは、別物として考えないといけません。

メディアに関わる人間であれば、この編集権(テレビであれば編成権)はもっとも大切にしなければならない権利のひとつです。


広告には「編集権」が無い

通常記事(コンテンツ)において「何を・どのように・表現して発表するか」は、編集権をもつ編集部側が一切を決めることができます。

一方で、広告には編集部は編集権を持ちません。たとえタイアップ広告でも、です。タイアップはあくまでも記事のスタイルを取った広告。表現方法などはクライアントの意向に沿ったものになります。

「○○というポイントを推してほしい」
「ふわふわではなくフワフワで統一してほしい」

というように、記事構成や表現方法にいたるまで、公開前にクライアントと内容をすり合わせます。

逆にいえば、広告でない以上は、何を取り上げるのか、またその内容表現について第三者の介入を受けるべきではないということです。

『ねとらぼ』などを運営するアイティメディアさんは、通常コンテンツと広告コンテンツの編集権について明確に記載をしていますので、ぜひ見習いたいところです。


実際にある「大人の事情」

先日、メディア界隈・広告界隈で「“将来広告出稿してくれそうなベンチャー企業を優先的に取材する”とメディア編集者が公言することは、是か非か?」という議論が話題を呼びました(そのエントリーは現在削除されているため、リンク等は貼りませんのでご了承ください)。

実際に「タイアップバーター」(タイアップを発注する代わりに、間接的に通常コンテンツでも取り上げてもらう)という言葉も業界慣習として存在しているのも事実です。

「これが事実」「広報としては目からウロコでした」と言った賛同する方もいらっしゃれば、「何をいまさら。知ってた」と言う方。「それは公言すべきではない」と苦言を呈する方もいらっしゃいました。

将来の広告をちらつかせば、本来独立して存在すべき通常コンテンツ領域の編集権にも食い込める可能性がある、ということを公言してしまったという意味では、編集権を自ら放棄したということになりかねず、残念のように思います。

実際に読者からは「今までの記事も疑ってしまう」という声もあったようです。

雑誌やテレビでも、WEBメディアであっても、本来「広告費を頂きつつも、一方で読者に有益な情報を発信する」という点においては「編集権」の考え方は一緒。

しかし、WEBメディアではこの「編集権」があまり知られていないせいか、しばしばこの境界が他メディアに比べて危うくなっていることがあります。

「これは広告なの?普通の記事なの?」と読者が迷ってしまっていては、本当に届けたいメディアの想いや価値観も届かなくなってしまう。

だからこそWEBメディアは読者のためにも、そして自分たちのためにも、広告と通常のコンテンツ領域を明確に分けねばならず(詳しくはノンクレジット広告問題やスポンサードコンテンツとも関わりますので、また後日)、そして「編集権」を明確に守らねばならないと、思うのです。



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