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顧客にブランドを理解してもらう、広告のスタンダード

こんにちは。GMOアドマーケティングでコンテンツプランナーをしている、萬里小路です。

私の記事は、前職での広告主側の経験を踏まえ、広告主の方々に向けて「広告がおもしろくなる」とは何か?をお伝えできたらと思っております。

今回は、
『顧客にブランドを理解してもらう、広告のスタンダード』
というタイトルで、ブランドをどう理解してもらうかをお話します。

ブランドを理解してもらうために必要な価値を、
①機能的価値
②情緒的価値

の2つに区分し、それぞれの違いをいくつかのフレームからご紹介します。
※この2つの価値はマーケティングや商品開発など幅広い分野で使われている言葉です。

前回の記事(広告主に伝えたい。「ウザがられない」広告とは)でご紹介した「人の心を動かすためのRとLの法則」に応用できる内容として、お話します。

▼RとLの法則▼
Relationship  → 関係をつくる
Laugh    → 楽しんでもらう
Remember  → 覚えてもらう
Like      → 好きになってもらう
Reviews    → 自然に評価してもらう
Lead       → 離れられない状態にする

●機能的価値と情緒的価値とは何か?

まずこの2つの価値を簡単に定義します。
・機能的価値:ブランドまたはプロダクト自体が持つ特性、利点
・情緒的価値:ブランドまたはプロダクトを使うことによって感じる利益


赤ちゃんのオムツを例えに考えてみましょう。

・機能的価値:通気性、吸収性、フィット性、履かせやすい、柔らかい、かぶれにくい、コスパ
・情緒的価値:赤ちゃんがよく眠れる→ママも安心して眠れる→ママの(睡眠不足による)ストレスが軽減→仕事や家事が効率よく捗る……

なんとなくイメージできましたか?
この2つの価値は、自身が普段使っているブランドやプロダクトから考えていただくと良いと思います。
この価値を整理できると、「なぜ、このブランドを購買しているのだろう?」という顧客視点で購買する要因が明確になります。

そして、この2つの価値はどちらが良い悪いというものではありません。どちらも必要な価値であり、人により購買決定する要因は異なります。
ただ、人間の本能や欲求という観点から考えると、私は情緒的価値を見つけること、伝えていくこと、感じてもらうことが重要であると考えています。

A 「このオムツは通気性が抜群で、従来製品より200%吸水性がアップしました。」
B 「このオムツは赤ちゃんがよく眠れます。なぜなら、通気性が抜群で、従来製品より200%吸水性がアップしたからです。仕事や家事で忙しいママにも安心して眠ることができます。」

Aは機能的価値のみ、Bは機能的価値+情緒的価値のメッセージです。
この2つの違いは、
・機能的価値:プロセス・要因
・情緒的価値:結果・事象
であるということです。

オムツの場合、通気性や吸水性はプロセス・要因で、赤ちゃんがよく眠れるやママも安心できるは結果・事象です。
結論、私はBのメッセージがよりママたちに刺さるメッセージだと思います。その理由は情緒的価値があるからです。

●広告のスタンダードに

情緒的価値が広告のスタンダード=広告主のマーケティング施策の常識、になっていくことを私は望んでいます。
その理由を以下の4つでお話いたします。

①ゴールデンサークル理論
②人間の脳の構造
③人間の欲求
④コモディティ化した機能的価値

①ゴールデンサークル理論

前回の記事の最後でも、ご紹介したTEDの動画で、私のバイブル的動画です。
この動画をみていただくと、さらに情緒的価値(動画ではWHY→HOW→WHATの部分)が理解できるかと思います。

②人間の脳の構造
ゴールデンサークルのWHY、HOW、WHATが人間の脳のどの部分に働いているかを表したものです。
機能的価値はここではWHATにあたり、理性に働きかけるもの。
一方、情緒的価値はWHYにあたり、感情に働きかけるもの。
私の広告の役割の定義、「人の心を動かす」はここでいうと後者であると言えます。つまり、人間の脳の構造からも情緒=感情に訴えることは効果的であると思います。

③人間の欲求
欲求といえば、マズローの5段階欲求が有名です。
現在、日本人の多くは(世界的にみてもですが、)この欲求モデルが承認や自己実現といった比較的上位の欲求を満たしたいと思っています。
そして、この上位の欲求は機能的というより感情的な欲求と言えます。
他人に認められたい、褒められたい、目標を達成したい、目指したいなど、ポジティブな結果に目を向けています。欲求レベルが上がることにより、機能的価値はあることが当たり前、前提とも言えます。

④コモディティ化した機能的価値
機能的価値が当たり前になっているというのは、機能がコモディティ化しテているということです。
先ほどのオムツもそうで、通気性や吸水性が良いオムツは今は当たり前です。そうでないものは選ばれませんよね。
他にも、洗濯洗剤は白くキレイに落ちるが当たり前です。今は、その機能が前提で、ワンプッシュで洗剤が出る、量をはかる必要がないジェルなど「手間をなくす」という情緒的価値がヒットしています。

●情緒的価値をみつける方法

この価値をみつける一番良い方法は、『自分がユーザーになる』です。
自身がユーザーとしてどういう価値を感じるか、なぜそのブランドを使っているかを考えることが最もユーザー視点でありファクトであると思います。

しかし、全てのブランドのユーザーになることは現実的ではないため、友人や家族などの意見も参考にすると良いですね。
その時に以下の3つの視点でみてみると、価値をイメージが具体化しやすいと思います。

①効果的と効率的
②4つのニーズ
③自己と他者

①効果的と効率的
そのブランドを使うことで、効果が高まるのか、効率が良くなるのかで整理してみることです。オムツの話で言えば「よく眠れるようになる」は効果的、「仕事が捗る」は効率的と言えます。

②4つのニーズ
(1)楽しみたい
(2)失敗したくない
(3)便利にしたい
(4)知りたい
の4つのニーズのどれを満たすものなのかを考えてみてください。その人の性格も具体化できるので、イメージがつきやすくなるのも特徴です。
※例えば、失敗したくない人はハードルを下げて自分でもできると感じてもらうことが大切です。

③自己と他者
(1)自分はそのブランドを使うことでどうなりたいか?
(2)どのように相手に、そのブランドを使っている自分を見られたいか?
を考えてみてください。先ほどのマズローの欲求の承認や自己実現はこの2つとも言い換えることができます。自身と他者の目で整理することでブランドがもつ価値を整理できることができます。

●情緒的価値の先にある価値

そして、機能的価値がコモディティ化したことを考えると、情緒的価値もいつかは同じことになり、人はさらに上位の価値を求める可能性が高いです。
その価値は、『社会的価値』といえます。
自分や相手といった関係性をさらに超えて、社会との関係性やブランドとの関係性を求めます。ある意味、ブランドとは本来その役割がある(=ブランディング)と言えるのではないでしょうか?

私で言えば、Apple社製品はその価値をもっています。なぜAppleを使っているかは、スペックやデザイン性という機能、周りにインテリジェンスでおしゃれだと思われたいという情緒を超え、このブランドをもっていることに価値があり、このブランドを使っていることで自分の表現したいことが実現できると感じて使っています。

この状態は、RとLの法則の最後のLead=離れられない状態(ブランドにリードされている状態)です。
すべてのブランドがこの状態をつくれたら最高です。

しかし、そのためにはその前にある機能的価値や情緒的価値を発見し、提供し、ユーザーに体感してもらうことが重要で、コモディティ化した機能的価値を超え、情緒的価値をマーケターはつくりだし、ユーザーに提供することがスタンダードになることです。私は、そのために広告主の方々にコンテンツマーケティングの支援を引き続き行っていきたいと思います。

ブランドを伝える広告がそのスタンダードになったら、広告はもっと世の中にとってポジティブな存在になれると思います。我々の「広告がおもしろくなるノート」を通じて、マーケターや広告に関わる方々の日々の仕事の意識や行動が変わることを願います。

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GMOアドマーケティング

インターネット広告を「あやしい」「不快」と思っている人にこそ読んでほしい。インターネット広告業界の裏側を紹介しつつ、本気でインターネット広告をより良くすることを夢みるノート。 【運営会社】GMOアドマーケティング株式会社(https://www.gmo-am.jp/
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