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2023年度 ドラ映画マラソン

自分がドラえもんから受けた影響はぶっ飛んでいて、この世のほとんどのことはドラえもんから教えてもらったと言っても良い。ドラえもんはとにかく昔からずっと見ていて、幼稚園~小学校低学年あたりまで、TV放送されていた通常回や映画を毎回VHSに録画してもらって、それを狂ったように繰り返し見ていた。漫画も、てんとう虫コミックス45巻までの全巻、大長編も歯抜けだけど大抵のものは買ってもらった。とはいえ、小学校高学年あたり、成長していくにつれて見ることは減っていった。

中学~高校時代には、昔を懐かしむことにハマっていた。ゲームはXboxを遊んでいた時代だったけれど、ファミコンに戻って当時クリアできなかったゲームをクリアするとかにハマっていた。ある時、家にある古いVHSを見ることにハマったことがあった。幼稚園時代に散々見ていたドラえもん。長いブランクがあったものの、改めて見ても、全部展開もセリフも覚えていた。この次はたしかあのCMが流れるんだよな、とか、この話のあのシーンのところでテープが終わっちゃうんだよな、とか個人的すぎる記憶の仕方だったのもおもしろい。その時に、ドラえもん熱が再燃して、それまでに見たことがなかった映画のDVDを買ってきて見たりしていた。まあ、その時は金も無かったので、たいして買えなかったんだけれど。

社会人になってからは、金にものを言わせて、それまでに見ていなかったものも含めてドラえもん映画DVD(大山のぶ代時代の25作)を全て揃えた。いつでも見られるようになった、っていう安心感で満足してしまったのもあってか、結局見ることはなくこれまでずっと放置してきた。

また時が流れて、最近、Youtubeでオカルト動画を見ることにハマっていた。そうすると、意外とオススメ動画にドラえもんが出てくるようになる。記録に残っていない謎の回が放送された、とか、よく考えると恐ろしすぎる道具、とか。その中にひとつ、ドラえもん映画について語るだけの、明るすぎる動画があった。見てみたら、完全に自分と同世代と思われる人たちがひたすらドラえもん映画(大山のぶ代時代の25作)について語っていた。それもなかなかマニアックで、「あのシーンではこんな動きしていた」とか「あのシーンでの喋り方がおもしろい」とか、謎の視点で語っていておもしろすぎた。見ていて楽しすぎて、自分もその中に入って話したいと思った。なんか、ようやく自分と対等にドラのことを話せそうな人を見つけたみたいな気持ちだった。

そんな動画を見ていたら、ドラ映画をめちゃくちゃ見たくなった。そうだ、大山のぶ代時代の25作は全部持っているんだった。よし、全作順番に見てみよう!ってことでドラ映画マラソンスタート!飛ばしたり巻き戻したりすることも禁止で、しっかりと全部通して見たのは人生初めてだった。

全作見て、それぞれについて自分の思ったことを書いてみよう。

■恐竜
赤ちゃんの頃VHSを買ってもらって散々見た。今見ると、ずっとピンチすぎてけっこう粗い印象。メインであるピー助が特に活躍するわけでもないのが寂しい。一番面白いのは、タマゴを見つけた後の、のび太の動き方だった。

■宇宙開拓史
過去に原作は散々読んでいたけど、何気に映画版をちゃんと見たのは今回が初めてだったのかもしれない。それくらい覚えてなかった。ギラーミンあんな残念な感じだったっけ・・。ラストの「心をゆらして」が流れてる別れのシーンが、なんか不思議で不気味で良かった。分かりやすいシンプルなメロディをひたすら繰り返す曲が好きなんだけど、その代表みたいな感じ。

■大魔境
これも映画は今回初めて見たかも。セリフが何も無くて「だからみんなで」が流れてるシーンがすごい印象的。なぜかスネ夫が申し訳なさそうにしていて、ジャイアンが泣いてるのが不思議な感じ。正直、それ以降があまり印象に残らず、むしろ前半の冒険感の方が楽しめた。

■海底奇岩城
これまでのがっつり子供向け感からガラリと変わり、世界の終わりという壮大で怖い話に。昔見たときはラストが物足りないと思ってたけど、今見るとけっこう泣きそうになった。通常回のオチでよく流れてるBGMが、バギーが走ってるシーンでずっと流れてたんだけど、もともとこれはバギーのテーマ曲で通常回に移植されたのか?とか考えてた。

■魔界大冒険
高校時代にDVD買った時に初めて見た映画。子供向けアドベンチャ系かと思いきや、あきらかに怖い。赤ちゃんの頃に見てなくて本当に良かったと思う。見ていたら、夜中に声がするシーンとか石像が泣いてるシーンとか完全にトラウマになっていた。正直、終盤のピンチの切り抜け方があまり好きではない。拍子抜けしてしまって、これが許されるなら全部の映画これで良くなっちゃうじゃん、と思ってしまう。

■宇宙小戦争
スネ夫が活躍する映画みたいに言われがちだけど、自分としてはラストでジャイアンがクジラに突撃するシーンのかっこよさの方が印象的。そのときのBGMがおもしろくて、昔自分が遊んでる時に少し思い切ったことをするときによく歌ってたりした思い出。「少年期」がドラ映画主題歌のなかで最強と言われがちだけど、自分的にはそこまでではない。好きなのは当たり前なんだけど、他にも良い曲が多すぎるってのが原因だと思う。2番の歌詞が好きなのに、エンディングでぶった切られてるのが妙に寂しくて。

■鉄人兵団
今見てもめっちゃおもしろかった。「わたしが不思議」も相まって、一番泣けるのはこれかな。あのしずかがあそこまでわー!っとなるのは他にないと思う。これ本当に子供が見る映画?ドラえもん映画を全く知らない大人に一本だけ勧めるならこれかな。

■竜の騎士
地球空洞説や恐竜の絶滅など、扱っているテーマがけっこう難しい。華やかさやアクションシーンも少なく、子供には退屈だろうと思う。大人の自分は、初期のドラ映画の中ではこれが一番好き。オカルト好きだから地底でラジコンが飛んでるところとかたまらん。歴代主題歌の中では軽く見られそうな「友達だから」「あした・あさって・しあさって」も、意外と聞くたびに好きになっていく。

■パラレル西遊記
ずっとのび太のママが怖い映画。ラストダンジョンに突入するシーンが好きで昔から何度も見てる。牛魔王の城が見えた時のワクワク感が最高。「今回もそうやってピンチを切り抜けちゃうか~」という拍子抜け感。魔界大冒険よりも唐突。そして、牛魔王とのバトルがかっこいいのに時間が足りなかったのかギュッとしすぎ。

■日本誕生
なぜか今までほとんど見たことが無くて、あまり思い入れがなかった映画。今回最大の収穫だったのは、「時の旅人」がすごく良いと気付けたこと。堀内孝雄氏が作曲してたってのも初めて知った。一億年前の地球も今日と同じような青空で、人間だけが存在していないっていうのよく想像する。

■アニマル惑星
自分の最古の記憶の中にあるドラ映画がアニマル惑星。当時テレビ放送されたのをVHSに録画してもらって、何度も何度も見ていた。いろいろ起こりすぎて、他の映画と同じ上映時間と思えないほどのボリューム感がある。環境問題というメッセージ性の強い内容なんだけど、自分的にはニムゲのボスがイケメンすぎることに謎のメッセージ性を感じていた。

■ドラビアンナイト
この辺りが自分の幼稚園時代で、ドストライク世代。当時テレビ放送されたのをVHS録画してもらったのを散々見ていた。不気味系の映画ではないんだけど、前半の絶望感がぶっ飛んでいて当時はめっちゃくちゃ怖かった。エンディングで、何でシンドバットがけん玉をしてるんだろう?って思ってたけど、後日のび太がシンドバットの絵本と共に渡してたってことが今回初めてわかった。しかもエンディングにミクジンもいるね。

■雲の王国
ベタで申し訳ないけど、25作品の中でやっぱりこれが一番好き。自分が幼稚園児だった当時、映画館で見たらしいけど自分にはその記憶がない。母親が見に行ったって言ってるんだからまあそうなんだと思う。混んでいて座れず俺をずっと抱っこして見ていたらしい。高校時代にDVDを買ってきて見た時、のび太の家が水没するシーンを見て、あれ?この映画見たことあるな・・??となった。たぶん、映画館で見たときにのび太の家が水没するシーンを見てあまりに怖すぎて記憶に蓋をしてしまい、思い出せなくなっていたんだと思う。ドンジャラ村とかキー坊とかドラ知識がちょっと必要なところがあるので、自分からこの映画を人に勧めることは無い。けど、絶対一番おもしろいよ。

■ブリキの迷宮
だからこれも子供には怖すぎるって。ドラが完全に壊れて頼れるものが何も無いままに進む物語が、当時は怖くてたまらなかった。なんとか地球に戻ったのび太が、かすかな希望を持って押し入れを開けた時に、ドラの幻が現れて微笑みながら消えるシーンが、当時はあまりにも不気味に感じられた。昔からこの映画のエンディングがかなりお気に入りで、ブリキンの走り方をよく真似していた。今見て思うのは、サピオが走っていることと、のび太が家族で出かけられたのが良かったなってこと。

■夢幻三剣士
唯一、当時映画館で見た記憶のある映画。そして、人生で一番たくさん見た映画。昔はこれが一番好きだった。ドラ映画で唯一のかっこいい系の曲「夢の人」が大好きで、ラストダンジョンに突入する時に流れるのがたまらない。ラストバトルに巻き込まれたシズカールが殺されてるの酷すぎる。いまさら知ったけど「世界はグー・チョキ・パー」のグー・チョキ・パーって三剣士のことだったのか。まじでずっとただジャンケンしてるだけの歌だと思ってた。

■創世日記
昔見たときは、いつものメンバが自ら冒険しない感じが退屈で苦手だった。今見てみるとおもしろいけど、やっぱり地味で上級者向け感がある。ラスト、「これ本当に解決してるか?」という不安があり、うーんと思いつつも、エンディングの創世日記をみると一気に好きになる。共同研究って言うなら「今日は雨がふりました。」ってやつだれか直してやれや、って思う。

■銀河超特急
当時は、西部劇とか忍者とかそれぞれ別個の話になっているのが大長編という特別感を感じられなくて退屈だった。・・と思いきや、その退屈というのがフリになっていて、途中から急に物語がぶっ壊れることに驚いた。そんな、退屈だと思っていたのは昔の話で、今見るとものすごい夢の詰まった映画だと思った。あまりにも平和だったのに、それが急に壊滅するみたいな展開が好きになったのはこの映画を見たことの影響が大きいと思う。そして敵がめちゃくちゃ強え。俺的ドラ映画史上最強の敵はヤドリとか考えてた。

■ねじ巻き都市冒険記
この年、藤本先生が亡くなった。そして武田鉄矢先生が関わらなくなったことによって、ここからドラ映画が変わっていったと強く感じる。そして何よりも、この辺りには自分も小学生で、あまりドラえもんを見なくなっていたこともあって、これ以降の作品はちょっと自分とは距離があると感じてしまう。今回この映画を見て感じたのは、過去作のオマージュのようなシーンを多く感じられ、藤本先生への敬意を示しているかのようだった。「Love is you」は、愛の貧乏脱出大作戦を思い出してしまうのがあまり良くない。

■南海大冒険
10年くらい前に一度見たことがあったはずだけど全く覚えてなかった。けっこう派手なことはやっていると思うのになぜか記憶に残っていない。記憶に残るかどうかって、大長編の漫画を読んだ読んでないが影響しているような気がした。ホットミルク、俺は良いと思う。

■宇宙漂流記
これも10年ぶりくらいに見たはずだけど全く覚えてなかった。っていうかこれは結構おもしろかったんだけど、ラスボスがちょっとあっけなさすぎるかな。もうひと展開ありそうな感じだったのに普通に終わったのが残念。

■太陽王伝説
これは今回初めて見た。けっこうおもしろかった。感じたのは、南海大冒険以降は冒険感が強い気がする。昔みたいな教訓的なものは無くなったと感じる。ねじ巻き都市以降、どうしても主題歌に物足りなさを感じてしまう。変えていこうっていう意欲は感じられるんだけど。

■翼の勇者たち
これも今回初めて見た。これはちょっといまいちか・・。時空がおかしくなるとか、別の種族の世界とか、人間界への侵攻とか、さすがにマンネリかな、と。

■ロボット王国
これも今回初めて見た。終盤の盛り上がりは、後期作品の中では良かったと思う。けど、終盤良かった分、中盤までの印象が全く無い。そして、どうしても主題歌が合っていないような気がしてならない。

■ふしぎ風使い
フー子の登場が唐突すぎて意味わかんない。毎度、スネ夫の出番が無いからって、ちょっと展開が無理矢理な感じがした。ていうか、原作のフー子の話とは別物なんだから、フー子っていう名前を使わなくて良かったんでは。フー子っていう名前が出た時点で結末が確定してしまう。申し訳ないけど、原作の目玉だけのビジュアルの方が好きだし、原作の短い話見た方がまだおもしろいって感じてしまった。

■ワンニャン時空伝
声優変更前ラスト。正直、ドラの声が限界な感じする。ラストだからか、後期作品の中では圧倒的に気合が入ってると思った。ラストはまたこの展開かって思うんだけど、アクションシーンがかつてないほどに迫力があってけっこう驚く。歴史は文明崩壊を繰り返しているんだ、っていう話なんだけど、この映画見ると一時代が終わって新たな時代が始まったんだな、っていう気持ちになる。


ドラ映画を見ながらいろいろ調べたいと思い、youtubeでドラえもん関連を検索していたら、今度はオススメ動画に海援隊が出てきた。海援隊と言えばドラえもんももちろんだけど、金八先生も思い出す。金八先生のドラマは「新しい人へ」(ペダルをこいで~♪ってやつ)「まっすぐの唄」「初恋のいた場所」のシリーズをリアルタイムで見ていた。それ以来ぶりにか、これらの曲を聞いて一気にその時代にタイムスリップして、泣いてもうたわ。

「何の花だろう、こんな坂の途中。冬を選んで咲く花もある。止まれば倒れるこの自転車が、君が選んだ生き方なんだね。」

泣きながら、当然、海援隊のアルバムをamazonで即購入。思っていた以上に、自分は武田鉄矢先生に育ててもらったのかもしれない。ドラ映画の主題歌にしろ、金八先生の主題歌にしろ、ものすごくメロディがしっくりきて、聞きなじみがある感じがする。生きてきた中でどこかで聞いたことはあるけど詳細を知らなかった「声援」「思えば遠くへ来たもんだ」が、海援隊の曲だったってこともアルバムを買って初めて知ることができた。

時間は螺旋の階段。ひとまわりして、またこのタイミングでドラえもん映画や金八先生に触れることとなったなんて。

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