見出し画像

2020.06.20

朝起きたら、タイムラインが霜降り明星のオールナイトニッポンを絶賛する声で溢れていた。

「Zoom飲み会で下半身を露出するなどの“セクハラ”をした」とする報道が出た直後の放送で、この騒動には一切触れず、一つの人気コーナーを延々と引っ張る構成の放送を行った、というのが経緯だそう。

このスキャンダルや芸能人の私生活にはこれっぽっちも興味がないし、この放送も聞いていない。事実関係がどうとかもまだわかっていないけれど、この件を「傍観」した所感を以下に記しておく。

件の放送を称賛するフレーズとして「芸人魂」という言葉が使われていた。不祥事で世間がざわつく中、ラジオであるにも関わらずバッチリ舞台用の正装をして放送に臨み、2時間ひたすらボケ倒し、「ネットニュースの記者を困惑させたった!」というのがどうやら「芸人魂」なんだそうだ。せいやが高校生の頃にいじめを受けていたのを笑いで跳ね返した、というエピソードを引き合いに出して語る向きも多い。

でもぼくは、なんだかそういったホモソーシャル的で閉じた雰囲気に「危険だ」と本能的に感じてしまった。

もう一度書きますが、この件の事実関係は全く知りません(というか、わかってないしこれからもわからないままになるんじゃないかな)。でも、この件と先日あった箕輪のセクハラ事件と何が違うの?と思ってしまう。箕輪が「ハニトラだ!」と言い訳しているのに対して「よく言った箕輪さん!」と囃し立てていた信者たちと似ていないか。吉本はこの報道に「法的措置」を検討しているらしいが、幻冬舎と似ていないか。

#MeToo 、箕輪セクハラ、岡村ANN、この連続性で見た時に、明らかに今回の世間の「メインストリームの声」が真逆を向いてはいないか。いまこっちに舵を切るのは「危険」ではないか。「セクハラ」とされている件について「加害者」による、「事件をなかったかのようにする発言・態度」をそんなに称賛して、大丈夫なのだろうか?

これは「逆張り野郎」の戯言だろうか。

----------

なんだか台所の床が濡れているなあ、と思っていた。気づいてはいたが、半日くらい放置していた。

半日後にようやく「なんで?」と思い(気づきと問題意識の芽生えは別物なのだ)、確認すると、先日の掃除で使ったスポンジを入れたゴミ袋から水が漏れていることが判明した。

どうやらかなり強い酸性の液体を使ったためにそれが袋を溶かし、水が染み出していたようだ。「へ〜、なるほどね」と思い慌ててゴミ捨て場に持っていった。床に致命的なダメージがなくてよかった。

ゴミの放置、ダメね。

----------

見るならいま、見るならいま、と言われ続けてきたネットフリックスのドキュメンタリー『13th 憲法修正第13条』を見た。

今ならYouTubeで無料で見れる(日本語字幕付き)!

いまアメリカで起こっているブラック・ライヴズ・マター運動、ひいてはそれを引き起こしたジョージ・フロイド殺害事件はなぜ起こったのか、その背景がかなりわかりやすく説明されている。

「奴隷制はもう終わったんだし、人種差別なんてもう無いんでしょ?」「そもそも黒人の犯罪率が高いのが問題でしょ?」「警官から逃げるほうが悪いんでしょ?」「犯罪者なら投獄されて当たり前だ」「何でもかんでも人種差別のせいにするな」なんてことは、このドキュメンタリーを見れば絶対に言えなくなる。

奴隷制が終わって自由の身になっても、南北戦争で荒廃した南部の経済を立て直すために「犯罪者」として投獄され、「合法の奴隷」として働かされた。政府が貧困問題から目をそらすためにドラッグ問題を「中毒との闘い」から「犯罪者との闘い」にすり替え、逮捕から投獄に至るまでのプロセスを都合のいい法改正で簡略化し、アフリカン・アメリカンのコミュニティで蔓延していた“クラック・コカイン”のみを重罰化した。なぜアフリカン・アメリカンのコミュニティは反撃できなかったか?有力な活動家たちを迫害し、投獄・殺害・亡命に追いやっていたからだ。刑務所の運営は一大ビジネスになり(たとえば刑務所からかける電話は10分で1.5時間の労働に相当する金額が当人に請求される!勿論電話回線を引いているのは民間の業者)、企業と政治家たちはロビイスト団体を通じて密接な関係を結び、大量投獄やそれを可能にする立法によって利益を得ている。

こういった事実が、わかりやすい説明、時にショッキングな資料映像・写真、効果的な音楽によってクリアに紐解かれていく。傑作ドキュメンタリーだ。トランプの「古き良き時代〜」という発言に人種隔離時代のリンチの映像が重ねられる。昨日6月19日はJuneteenth、奴隷解放記念日だった。1865年のGeneral Order No.3から数えて155年。アメリカ、ひいてはこの世界には未だに人種差別という名の奴隷制が残っている。どうしたらいい?これを見てみんなで勉強しよう。考えよう。

----------

INVISIBLE - A Rat and Refugees
バンクシーによるものと思われるネズミの絵と、日本の入国管理局の難民収容問題に反対するグラフィティとの対比に焦点をあてた短編ドキュメンタリー映画。

友人に勧められていたこちらのドキュメンタリーも見た。この問題に関しては昨年こちら↓の作品も見た。でも、まだまだ認知が足りていない大問題であると感じる。

ストリート・アートや「パブリック」に関する議論に関しては門外漢なのだが、なんとなく漠然と怒りを感じていたことについて議論の輪郭を与えてくれる部分もあり、「勉強は大事!」となった。

そして「“収容所”が存在する社会に生きている」という高橋若木氏の発言、忘れない。ぼくは#FREEUSHIKUに連帯する。何か活動にも協力できれば。寄付ができるっぽいのでまずはそこから。

そうか、今日6月20日は「世界難民の日」だったのか。各地の入管の前でもデモがあったみたい。

にしても「入管」で検索して一番上に桜井誠の動画が出てくるTwitterはやっぱり頭おかしいだろ。中指。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?