損切りできない人はどのようにして損切りすべきか
この記事はなにか
トレードで損切りできない人、できるけど苦手な人向けに損切りとの向き合い方について書いた記事です。
大前提
感情をコントロールして損切りを効率よく行うことは非常に困難です。また、一時的にできたとしても精神が磨耗するため持続的ではないです。そのため感情をコントロールするのではなく事前に一定の損切りルールを定めておき、ルールに則って淡々と損切りすることが重要であると筆者は考えます。そのため今回は感情のコントロールでなく仕組みで損切りを徹底する方法をご紹介します。
注文した時点で損切りの指値を入れる
まず注文した時点で損切りの指値を入れておきましょう。これが一番確実です。例えばロングならロングした時点で「だいたいここまで価格が上昇するだろう」「おおよそこの程度の価格まで下がることは事前に予想できる」などの見立てがあるはずで、それを参考に予め指値を入れておくべきです。
実際に価格が下がってくると冷静でなくなり客観的な判断が行えなくなることが多いです。成行では「ここから反転するのでは」「もう少しだけ耐えてみよう」などの誘惑で溢れています。
注文時点で指値を入れておくことのメリットは損切りすべき価格を冷静に判断できる点です。冷静な状況での見立てに応じて注文した時点で損切りのための指値を入れておくのがベストです。
ロット数を減らす
注文時に指値を入れなかった場合の損切り方法です。ロットが小さいほど簡単に損切りすることができます。そのため損切りできない人は1回あたりの注文のロット数を小さくすべきです。
例えば
資産の10%に当てはまるロットで注文する。その注文が10%下落した時点で全体資産の1%減として損切りする
資産の100%に当てはまるロットで注文する。その注文が10%下落した時点で全体資産の10%減として損切りする
の2つの取引では前者がより損切りしやすい取引であることは明白です。後者では全体資産の10%の損失を確定することとなり、精神的には非常に損切りの判断がしづらい取引です。
暗号資産で全資産を一つの金融商品を注文し損切りできず塩漬けになる事例が多々見受けられますが、これはまさしく後者の事例に当てはまるためでしょう。
また、もし仮にどうしても一つの金融商品に多くのロットで注文をしたい場合は、小さいロットで期間を分け数回以上に分散し注文すればよいのです。そのようにすれば1回あたりの注文のロットは小さく複数回にわけて注文する中で予想外に下がってきた場合でも損切りはしやすくなっているはずです。
いずれにしろ1注文あたりのロットを小さくし、1つの損切りで発生する損失の絶対額を小さくすべきでしょう。
損失が小さいうちに損切りする
こちらも例を挙げます。例えば
資産の10%に当てはまるロットで注文する。その注文が10%下落した時点で全体資産の1%減として損切りする
資産の10%に当てはまるロットで注文する。その注文が100%下落した時点で全体資産の10%減として損切りする
の2つでは前者がより損切りしやすい取引です。逆説的ですが、損切りは損失が小さいときほど損切りしやすく、損失が大きいときほど損切りしづらく余計に塩漬けになりやすいです。塩漬けになりやすい人はこちらが原因だと考えられます。
筆者も「損切りしてもいいがこの程度の下落幅ならもう少し耐えてみよう」と考え損切りせずチャートを見守るもその後ずるずる価格下落し、いつのまにか損切りを許容できない(したくない)価格帯まで下がっていた、ということが多々あります。
もう一度言いますが損切りは損失が必要ない程度に損失が小さいときほど損切りしやすく、損失が大きく損失が必要なときほど損切りしづらいです。これを肝に銘じてまだ損失が小さいうちに損切りすることをおすすめします。
要するに
「成行で」「大きいロットで」「損失が大きくなって」損切りする場合はほぼ間違いなく失敗します。筆者もトレードを開始した序盤はこれで大きく苦しめられました。
また、今回ご紹介した取引方法でなくとも、「自分はどのような取引を行っていてどこにどのような欠陥があるか、損切りしづらい構造になっているか」を客観視しトレードを見直すことは非常に重要で有効であると考えます。
損切りが苦手な人はこれを機会に一度振り返りを行ってみましょう。
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