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2023/12/3 立川BABEL ONE LAST STAND×THE LAST ILLYAS pre. "NATURAL BORN LAST MOSHERS" レポ

茨城産メタルコアバンド ONE LAST STANDと長野産メタルコアバンド THE LAST ILLYASの共催企画に行ってきました。原義メタルコアの最先端にいる2バンドのタッグということで、発表当初から非常に楽しみにしていたのですが、期待を遥かに上回る素晴らしさでした。


筆者は前日にView From The Soyuzのライブに行っており、その時のフロアがかなりハードコア寄りでやや不完全燃焼気味だったこともあって、メタル欲マシマシの状態で立川に向かいました。

が、起きたのが昼過ぎで立川まで2時間程度かかるため、トップバッターのLenoriaには間に合わず、Ablaze In Veinsの最後の曲が始まる直前の到着になってしまいました。Ablaze In Veinsもっとちゃんと見たかった…。


というわけでしっかり見れたのは3番手のAlphoenixから。なんとなくメロデスってことしか知らなかったのですが、リハの時点でお手本のようなイェテボリリフが聴こえてきて、ブチ上がってしまいました。初見でもギターメロディを追いやすく、聴きやすかったです。隙あらばハモっていくツインギターは最高にヒロイックで、フロアのメロデスオタクたちも皆笑顔に。ところどころクリーンボーカルやブレイクダウンなどメタルコア的要素も含んでいて、「意外とブレイクダウンするんだな〜」と思っていたら、その後のmcで「俺たちちょっとだけブレイクダウンするんだ、ごめんな」とメロデス原理主義者への謝罪がありましたww。


4番手はUNWAVERING。叙情系ハードコアの色が強いサウンドで、音源では自分はあまり刺さっていなかったのですが、ワンラスのメンバーが激推ししていることもあり、ライブは楽しみにしていました。実際にライブを見てみると、やはり叙情系の熱量をビシバシと感じます。この日の出演バンドの中では1番ハードコア寄りだったと思いますが、メロデスのように湿っていない爽やかなメロディは即効性がありました。「揺らがないこと」を意味する自身のバンド名と絡めながら、イリヤスとワンラスへの感謝を述べるmcも胸に響くものがありました。


5番手はVesper the Aerial。来年5月に出る新譜から先行で公開されていた "Blissful Another" が素晴らしい爆走メロディックデスメタルだったので、ライブもめちゃくちゃ楽しみにしていました。イリヤスの島田さんをはじめ、他の出演バンドからの期待も相当大きかったように見えました。リハの時点から高速リフが飛び出していて、フロアの期待感は爆発寸前。物販エリアではドラマーたちがリハの音に合わせてエアドラムしてましたw。

リハが終わって暗転すると、壮大なメロディとともに幕が開き、期待感が極限まで達したところでメンバーが登場。ひとしきりメロイックサインを煽ってからソリッドな高速リフが鳴り響き、いきなりの "Blissful Another" でライブがスタート!!

速え!めっっっっっっっっっちゃくちゃ速ええええええええ!!!!!!!

間違いなくこの日最速最鋼。リフの嵐。音が脳まで届くのを待つまでもなく、脊髄反射でメロイックサインをかかげてしまう。リフを刻んだかと思えば次の瞬間には泣きまくるツインギター。爆走し続けるリズムに空間を切り裂くような鋭いスクリーム。これ以上に最高なものがあるかよ。メロディックデスメタルの一番美味しいところが、やり過ぎなまでに詰め込まれていました。あと5分ライブ時間が長かったら、リフの過剰摂取で正気に戻れなくなっていたと思う。

途切れることなく降り注ぐリフと超絶テクニックに裏打ちされたギターソロにフロアも大興奮で、その圧倒的なクオリティに時折オタクの笑い声が聞こえてきました。UNWAVERINGでフロアにはややハードコアの雰囲気が漂っていましたが、Vesper the Aerialの純然たるメロディックデスメタルを浴びて、リフを聴いてニヤけているオタクばかりの気持ち悪い空間に変貌しました。筆者ももちろん例外ではなく、リフを噛みしめてニヤけながら奇声を発したり、サークルピットに混ざったりしてました。

メロデスが好きな人間にとっての "幸せ" が何であるかを教えてくれる素晴らしいライブでした。来年5月の新譜も待ち遠しいですね。


…っとついこれで終わりみたいな書き方になってしまいましたが、ここからイリヤスとワンラスが出てくるというのがこのイベントのやべえところです。1日でこんなにリフを浴びていいんですか。


6番手はいよいよTHE LAST ILLYAS!!幕が開けるとさっそく "Blood Sea" で、思わずリフを歌ってしまう "原義" メタルコアを展開。一切奇をてらうことなく、mcでも多くを語らず真正面からリフとソロとブレイクダウンで勝負する姿は、完全にバトル漫画における無双キャラのそれでした。王道だけど決して古臭くないリフの数々で、「イェテボリリフばっかりのメタルコアなんてもう古いでしょ」と思っている輩に正義の鉄槌を下していく。

この日のイリヤスの重たいブレイクダウンは、メロディックデスメタルの何たるかを教えてくれたVesper the Aerialに対し、「メタルコアってのはこうやんだよ!!」と見せつけているかのようでした。そしてワンラスとのスプリットEPの2曲を披露した後、満を持しての

"The Insanity" !!!!!!!!
これだあああああああああああああああああ

これはマジで義務教育で教えたほうがいい名曲。短めのブレイクダウンを抜けてイントロのリフに回帰するところで、無限に幸せになれる。その後のリフ→ブレイクダウン→ソロ→ブレイクダウンという王道展開にも、地肩の強さが表れています。

やはりリフが強いメタルコアは最高だ…。30分あったはずだけど、体感時間は5分くらいでした。毎日見たいわこのバンド。


そしていよいよ最後、ONE LAST STAND!!リハで聴こえてくるフレーズがほんとにUNWAVERINGばかりで笑ってしまったw。

まず、トリプルギターの音の厚みがやばい。単なるヘヴィネスではない豊かさを持った音でした。その豊かな音で "ワンラス節" としか表現しようのない中毒性の高いフレーズを次々奏でられれば、否が応にもブチ上がる。メロディアスなフレーズだけでなく、思わず体が動くようなリズムや、シンガロングパートも詰め込まれている超欲張りセット。

イリヤスと同様、こちらもスプリットEPから2曲とも披露。"撃鉄" の2分過ぎあたりで出てくるメロの中毒性がやば過ぎる。単なる北欧メロデスの模倣ではない新鮮さがあり、一度聴いたらもう忘れられなくなります。麻薬か?

mcでは、メタルというカルチャーへの愛や今回の企画にかける想いを積極的に語っていました。どんどん言葉をつないでいくその姿は、言葉よりリフで語ったイリヤスとは対照的なやり方で、イリヤスと同様にメタル愛に溢れていました。

本編終了後、メンバーは1度捌けてから再び登場して "Ivy" を披露。最後の最後までありあまるオリジナリティを見せつけてくれました。



最高にメロディックで鉄臭い1日でした。自分はメロディックメタルコアの黎明期をリアルタイムで体感できなかったので、イリヤスやワンラスのようなバンドがいてこんな企画をしてくれることには感謝してもしきれません。本当に最高の企画をありがとうございました。


ライブ終了後はイリヤスとワンラスのスプリットEPと、Vesper the AerialのTシャツを2枚買いました。イェテボリ神社行きたかったので、せめてTシャツが買えてよかった。帰る前にイリヤスのはかたさんとメタル談義できたのもめちゃくちゃ楽しかったです。


来年はもっと行動範囲を広げて今年以上にライブに足を運びたいですね。あとギター上手くなりたいです。まだ始めて1年も経ってませんが。


汝、メロディックであれ。


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