陰陽五行と「がん」 ストレスと関係が深いのは

漢方の診断や治療が難解なのは抽象化をするからです。

細分化・具体化したことをカテゴリーに仕分けし、大きな枠組みにまとめるようなイメージです。

部位と機能を陰陽五行など東洋的視点で抽象化し、実際の病状診断や治療を行います。

例えば、五行の「肝」に属する部位は「乳房」や「子宮」、「肝臓」、「血液」、「筋肉」、「目」です。

「肝」は、ストレス(怒りの感情)、自律神経(自動調整能力)、女性ホルモンや月経周期、血液代謝などの機能に関わります。

「ストレス」はさまざまな病気の原因になります、こと「肝」に属する部位はダメージが多くなります。

「乳がん」がストレスと関係するのか、といわれたら漢方的にはあると答えられるのです。

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「ストレス」によるエネルギーの停滞によって生じる症状は「肝気鬱結証(かんきうっけつしょう)」といいます。

ストレスの影響で、イライラして焦りやすく、胸が張ったり、胃が張ったり、お腹が張ったり、頭痛になったり、めまいしたりします。

胃やお腹の張りは、ゲップやおならがでると楽になります。

このような自覚症状を確認する事によって、漢方の分類ではどのようなカテゴリー(証)に該当するのかを決定し、漢方の基礎治療を行うのです。

「ストレス」が引き金になるのは、「肝気鬱結証」以外に、更にストレスが強くなった「肝鬱化火」や、肝臓のエネルギーや血液が消耗した「気血両虚証」、血液が停滞する「瘀血証」、患部の冷え「寒証(陽虚証や実寒証)」、患部の湿熱「湿熱証」など、体に現れている病状に応じ分類して、漢方治療を行います。

抗腫瘍作用のある生薬や、医食同源にならい栄養療法を行うとして、漢方の「ストレス」治療を取り入れいることで、より特異性のある治療ができるのです。

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