アメリカの看護師国家試験NCLEX-RNでよく聞かれるポイントについて，簡単にまとめていきたいと思います．

今回は，専門職として求められる，患者とその家族，利用者や地域住民とのコミュニケーションスキルについて，therapeutic communicationを取り上げます．
コミュニケーションは，会話の相手，その場の状況の影響を受けるため，一般化が難しいものではあります．でも，気を付けた方が良いポイントを知っておくことで円滑な情報の収集・共有を期待することができます．

Therapeutic Communication

意識したほうがいいこと

・注意深く，積極的に聞く（Attentive, Active Listening）
・目的のある沈黙を使う（Silence）
　*ただ押し黙るのではなく，意図的に沈黙を使うことで患者の話を引き出すことを狙いにしています．
・患者が目の前のことに集中できるようにする（Focusing）
・患者に話をさせるような質問をする（Using Open-Ended Questions）
・患者の言いたいことを明確にする（Clarification）
　*"Am I correct that you told me that you plan on having home health care after your discharge?"
　*"You appear upset. Would you like to talk about it?'
・患者が特定の話題や健康問題について詳細に話をするよう促す（Exploring）
・患者の言うことを言い換える（Paraphrasing）
　患者　： "I am too tired even to think"
　看護師： "Did you mean that you are too tired now to continue with this education?"
・患者の発言を繰り返す（Restating）
　患者： "I am ready to do some walking. "
　看護師： "Did I hear you say that you are now ready to do some walking? "
・患者の言葉や態度の奥にある患者の感情を，鏡のように映し出す．（Reflection）
・患者が会話をリードするように仕向ける（Providing Leads to the Patient）
・話の内容をまとめる（Summarizing）
・会話の中で伝えられた患者の考えに対する認識，承認，受容（Recognition, Acknowledgment, and Acceptance）
・患者に限られた自己開示のもと自分の時間を提供する（Offering of Self）

避けるべきこと

・患者が自分の意見，信念，感情を擁護して，正当化することを強要する（Challenging）
・患者の健康や治療に関係のない質問をする（Probing）
・話題を転換する（Changing the Subject）
・看護師が自分自身や行動，失敗などを弁護する（Defensiveness）
・陳腐なコメントや患者への日常的なアドバイス（False Reassurances）
・患者の感情や意見に反論する（Disagreeing）
・患者の意見を審判・判断する（Judgments）
・患者自身に対する拒絶，患者の感情や思考を少しでも拒否する（Rejection and Minimization）
・患者の意見や感情を一般化しようとする（Stereotyping）

参照：
17 Therapeutic Communication Techniques
https://www.rivier.edu/academics/blog-posts/17-therapeutic-communication-techniques/（2022年9月30日）
Therapeutic Communication: NCLEX-RN
https://www.registerednursing.org/nclex/therapeutic-communication/（2022年9月30日）