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私だけかもしれないレア体験 ~タモリや丹波哲郎の前でステージダイブを披露してお褒めの言葉をいただく

Webメディア「ねとらぼ」とnoteの共同企画「#私だけかもしれないレア体験」という投稿コンテストが開催されています。
(応募締切は2023年1月15日 24時)

テーマに該当するようなエピソードがいくつかあり、迷っていたときに公開されたのがこちら。

新宿ロフトを中心に多くのライブハウスを運営するロフトプロジェクトのウェブマガジン『Rooftop』に連載させていただいている『LOFTと私』の第33回です。

こちらのコラムにも記載しておりますが、テレビ東京の『タモリの音楽は世界だ』に、SUPER JUNKY MONKEYが出演しました。
オンエアされたのは、1995年8月だったと思います。

ということでコンテストのテーマは、この番組のエピソードに決定!


*     *     *


『タモリの音楽は世界だ』は、1990年から1996年まで放送されていた音楽バラエティ番組で、さまざまなジャンルのミュージシャンが出演することで知られていました。

そしてSUPER JUNKY MONKEYは、90年代の国内オルタナティヴロック・シーンを牽引し、海外からも高い評価を得ているガールズバンドです。
メンバーは、MUTSUMI(ヴォーカル)、KEIKO(ギター)、かわいしのぶ(ベース)、まつだっっ!!(ドラム)。


SUPER JUNKY MONKEYがタモリさんの番組に出演することは、所属事務所から届いたハガキで知りました。
(下半分には電話番号などが記載されているので、上半分のみ掲載)

収録日は1995年7月17日で、場所は世田谷区のレモンスタジオ。
SUPER JUNKY MONKEYのライブに通いまくり、メンバーやスタッフとも懇意にさせていただいていた私は、もちろん参加することに。

数日後、スタッフのJちゃんから「タモリさんの番組でダイブの名人を紹介するコーナーがあって、ゴベちゃんにお願いしたいんだけど、どうかな?」という電話がありました。
「なにそれ、おもしろそうじゃん!」と快諾。もうひとり必要とのことで、友人のE野くんを推薦しました。

ここでいうダイブというのは、ハードコアやスラッシュメタル、オルタナティヴロックなどのライブで見られるステージダイブのことです。
(現在は禁止されているライブハウスも多いけど)

ステージダイブという行為を知らない方のために、SUPER JUNKY MONKEYのライブ映像を貼っておきますね。

1995年5月14日に渋谷クアトロで収録された映像作品『HOLY MOTHER OF MEATLOAF VOL-II 5/14/95』の一部を、Sony Musicが公開したものです。
『タモリの音楽は世界だ』の収録が同年7月17日なので、その2ヶ月前に撮影されたものですね。

ステージに上がった観客がフロア(客席)に向かって飛び込んでいるのがステージダイブ
ちなみに、最初にダイブしているのは私です。

フロアにいる観客たちの頭上を転がる行為をダイブと呼んでいる方がいますが、そちらはクラウドサーフ。会場後方からステージに近づくための手段にすぎません。
「クラウドサーフしてステージに上がってダイブ」という流れです。
混同されている方が多いようですが、別物なのでご注意ください。


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1995年7月17日
公開収録の当日。
一般の観覧客(というかライブ参加者)よりも早い時間にスタジオ入りして、E野くんと共にリハーサルから参加。もちろん、テレビのリハーサルなんて初めての体験です。

ADから「それでは、名人さんたちはステージからダイブしてくださーい!」と言われたものの、無人のフロアめがけてダイブするなんて到底不可能。固い床に頭や腰を強打して大怪我するに決まってます。

私「できませーん」
AD「飛んでくださーい」
私「できませーん」
AD「飛んでくださーい」

という不毛なやり取りが数回行われたのち、無人のフロアに足から飛びおりて「ハイOKでーす!」という言葉を引き出すことに成功したのであります。

まぁ、当然なんですけどね。1995年の時点でステージダイブを知ってる奴なんて、ライブハウスに出入りしていた人間か、ハードコアやスラッシュメタルのマニアくらいだったと思うので。


リハーサルを終え、長い待ち時間を経て再びスタジオへ。

観客を入れた状態で、カメラリハーサルのために1曲演奏。私の記憶が正しければ「Buckin' the Bolts」だったと思います。
普段のライブと同じようにやってほしいということだったので、観客たちが続々とステージから飛びまくり。ステージダイブを初めて目にする出演者やスタッフたちが皆、驚きの表情を浮かべていました。

なお、カメリハのために演奏されたこの曲はオンエアされていません。


そして、ようやく本番開始。
SUPER JUNKY MONKEYが出た番組前半に出演したタレントは、司会のタモリさん、丹波哲郎さん、中尾ミエさん、林家こぶ平さん(現・林家正蔵)、池谷幸雄さん、そして東海林のり子さん。
意外なことに、東海林さんは多くのロックミュージシャンと交流があり、ライブにも通っていたそうです。

ロックに精通している東海林さんからの紹介を受け、SUPER JUNKY MONKEYのライブがスタート。
演奏されたのは「あいえとう」。SNSでステージダイブの話題が出るたびにアップされる動画は、この映像です。
本番ということで、観客たちもカメリハ以上の飛びっぷり。文字通りのステージダイブの嵐が、有名芸能人の目の前でくり広げられたのであります。

YouTubeにアップされている映像はアンオフィシャルなので、こちらには貼りません。気になる方は検索してみてください。


演奏が終わり、ステージにタモリさんたちが登場。
調子に乗って、いきなりダイブしてきた林家こぶ平(あえて呼び捨て)を、ライブ慣れした観客たちが無事に受け止めてステージに戻す場面も(重すぎて沈んだけど)。

続いて「よいこのダイビング講座」というコーナーに突入。
ステージダイブを目の当たりにしたタレントたちからの質問に、講師としてヴォーカリストのMUTSUMIちゃんが答え、そして私が模範ダイブを披露することに。
SUPER JUNKY MONKEYの演奏に合わせて3回ほどダイブ。

ちなみに3回目を飛ぶとき、なぜか関係ない奴もステージに上がってきてダイブしてました。テレビ収録ということで舞い上がっていたのかもしれません(笑)。

タモリさんから「あの2人は覚えてます」と言われ、丹波哲郎さんからは「やり方がやっぱりね、うまーく尻を使ってるね、背中とね。全然、足でぶつからないようにしてるよね。思いやりのある飛び込み方だよ」というお褒めの言葉を頂戴しました。
『タモリ俱楽部』はもちろん、丹波さんが出ていた『Gメン'75』も幼少期に観ていたので、感慨深いものがありましたよ。

当初の予定では、私の次にE野くんの模範ダイブが行なわれるはずでした。しかし、丹波さんが「でも、できればこっちから見るとね、女性の方が飛び込んでもらいたいね」と発言。その流れでドラムのまつだっっ!! が女性名人として模範ダイブを披露することに。

実は、丹波さんのセリフも、まつだっっ!! がダイブすることも台本に書かれていたもの。E野くんの模範ダイブだけなくなってしまったのです。
おそらくダイブ名人が2人飛び終えたら、丹波さんが女性名人について発言することになっていたのではないかと(リハーサルがそんな感じだったので)。
個人的には、勝手にダイブした奴のせいでE野くんの出番が消えたと思っています。

まつだっっ!! の模範ダイブに続いて、池谷幸雄さんがステージダイブを初体験。バルセロナ五輪の銀メダリストによるスーパーダイブが披露されたのであります。

ラストはハードコア・チューン「Decide」が演奏され、再びダイブの嵐。
異常なまでの盛り上がりをみせたSUPER JUNKY MONKEYの出番は、この曲で終了。最後はメンバーもダイブしてました。


収録後、SUPER JUNKY MONKEYのメンバーやスタッフ、友人たちとファミレスで打ち上げ。満腹になるまで飲み食いさせていただきました。


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1995年8月
(予定されていた8月11日にオンエアされたような気がしますが、定かではありません)

SUPER JUNKY MONKEYが出演した『タモリの音楽は世界だ』を自宅で観ているときに電話が。
「ゴベ、いまテレビに映ってるの、お前だろ?」
高校の同級生でした。


その後もライブハウスで会う多くのバンドマンたちから「タモリの番組、観たよ、名人(笑)」とからかわれました。当時はみんな、テレビを観ていたんですね。
(スマホどころか携帯電話さえ普及していなかった時代なので)


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以上が「#私だけかもしれないレア体験」です。

まつだっっ!! と池谷幸雄さんもダイブを披露していますが、「一般人では私だけだった」ということでご容赦ください。
(勝手に飛んだ奴もいたけど)


SUPER JUNKY MONKEYとのエピソードをこちらに綴っているのでぜひ。
全4話です。


僭越ながら選曲に関わらせていただいた『R.P.G / IF」の7インチ。


アナログ盤やDVD、Tシャツなどが買えるこちらも要チェック!


SUPER JUNKY MONKEYのYouTubeチャンネルです。ぜひぜひ。


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