雨に任せて

梅雨が遅れて、京都は雨が続いている。

低気圧のせいか、気分の沈む時が多い。

カラッと晴れてくれたら、お布団を干してお日様の匂いのなか眠りにつきたい。

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私には忘れられない女の子が2人いる。

今日はその1人の話をしよう。

私が25歳の時に知り合った女の子で、私の一つ上だった。細くて肌も白くてちょっとキツネ顔の可愛らしい女の子だった。

私たちは価値観も似ていて、すぐ仲良くなった。

その子は、ある日2人の人を同時に好きになった。

彼氏がいながら、別の男性と関係を持ったのだ。

彼女は2人の男性と同時に付き合うことに悩んでいた。それでも彼女は、今の彼氏と浮気相手と、どちらを選ぶか決めかねていた。

その頃の私は純愛を信じていたし、浮気を憎んでいた。

だから私は言ったのだ。

「悪者になるのは今だけ。でも皆が離れていっても、私はあなたの味方でいるから。だからどちらかちゃんと選びなさい。」


その言葉が響いたのかどうかは分からないが、間も無く彼女は彼氏と別れて、浮気相手と付き合うことになった。

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今から思えば出過ぎたことを言ったと後悔している。

男女の関係なんて、流れに身を任せればいいのだ。

それに浮気相手は彼氏がいることを知っていて、それでも彼女を選んでいた。

もし仮にその浮気相手とうまくいかなかったとしても、それぞれまた新しい恋をして、愛を育むだけなのだ。

私の出る幕なんてなかった。

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結局その後その子とはゴタゴタがあり、縁を切った。

風の噂で、その浮気相手と今は結婚し子どももいることを知った。

安っぽい正義感を振りかざした私は、今だに独りである。

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正直に言うと、彼女のことが羨ましい。道を誤った彼女を、それでも受け入れてくれる人がいて愛してくれる。

私もワガママを許して欲しかった。

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実は1ヶ月半前、私は左肘を骨折し固定をしていたためしばらく片腕生活をしていた。

慣れない片腕生活にイライラしていた。

メールでやりとりしていた人と行き違いがあって、少し言葉がキツくなってしまった時があった。

すぐさま左肘を骨折していて心に余裕がないことを伝えたが、相手は私を許さなかった。

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彼女は二股をしても許されるのに、怪我をして心に余裕のない私が許されないのは何故なんだろう?

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彼女がこんなに羨ましいのは何故なんだろう?と彼女を思い出す度、思う。

キーワードは「のに」かな。

いいこと言ってあげたのに。彼女を守ってあげたのに。あの子は二股してたのに

どうして私は幸せになれないんだろ?

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こんな雨の日は傷口がじくじくと疼きだす。

いつか私も幸せになって、彼女のことを思い出さないくらいになれたらいいな。

全ての人にこの恵みの雨が優しく降り注ぎますように。

#嫉妬 #日記 #エッセイ #梅雨

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