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がん発覚にもかかわらず、政府は携帯電話の放射線研究を放棄

 携帯電話は、誰も予想し得なかった方法で私たちの生活の至る所に普及しました。 緊急時に助けを求めるために車や財布に忍ばせておく電話として始まった携帯電話は、今や常に持ち歩くもの、つまりポケットの中に世界中のあらゆる知識が詰まったコンピューターであり、1日に何回もチェックするものとなったのです。
 当然ながら、頭や体のすぐ近くにある小さなコンピューターからは電磁エネルギーが発生します。環境毒性プログラムでは、スマホからの放射線に高い発がん性があると指摘されているにもかかわらず、残念なことに国立環境保健科学研究所は携帯電話からの放射線はもはや心配ないと判断しています。
 
●携帯電話は、目に見えない放射線の脅威を秘めている
 携帯電話が一日中、毎分放射線を発していることは間違いありません。電磁放射線は機器から絶え間なく放出されるエネルギーです。テレビから電磁波が放出されても、電磁波の移動距離は短く、環境に放散されるため、それほど大きな問題にはなりません。 また、眼球を画面に押し付けない限り、ほとんど危険はありません。
 しかし、携帯電話は1990年代に存在したあらゆるコンピューターよりも高性能なマイクロコンピューターを備えており、それを一日に何度も頭にかざすと放射線は体の最も敏感な部分に直接届きます。
 電磁波は短波でエネルギーが強く、携帯電話を耳に当てると頭や首の周りの筋肉に深く浸透します。これにより、脳幹と脳がこの特殊なエネルギーの高線量にさらされます。実際、ラットとヒトの両方で腫瘍につながるという「高懸念」の証拠が確認されています。 「高懸念」とは、環境毒性プログラムが想定する発がん性リスクの最高レベルです。
 
●がんリスクが明らかにもかかわらず、政府は携帯電話の放射線研究を突然中止
 国立環境衛生安全研究所は、資金がないという理由で携帯電話の放射線に関する毒物学プログラムの研究を中止しています。繰り返しますが、これは彼らが行った研究から、頭頸部におけるがんの重大なリスクが発見されたにもかかわらず中止しているのです。
 研究は、ラットに携帯電話の放射線を浴びせ、その成長速度と発生した腫瘍の種類を測定することによって行われました。 また、疫学データと携帯電話への被曝率を用いて、携帯電話の使用に基づく頭頸部癌のヒト集団における相対的リスクを割り出しました。
 どちらの研究結果も、携帯電話の使用が増えると頭頸部腫瘍が増えることを強く示唆しています。 しかし、最も懸念されるのは、より多くの研究がなされる必要があるにもかかわらず、それがなされていないということです。
 
●携帯電話によるリスクを減らすためのヒント
 携帯電話と発がん率に関する研究はすべて、携帯電話の放射線を直接浴びた場合に基づいています。 携帯電話の使用をやめることは不可能ですが、被害を軽減する方法はあります。
 ひとつは、スピーカーフォン機能を使うことで携帯電話を頭から離すことです。こうすることで、頭からの放射線の吸収を防ぐことができます。 また、マイク機能付きのヘッドフォンや、音声通話機能付きのイヤフォンを使うという手もあります。これなら電話を直接頭に当てなくても自由に通話できます。 さらに、通話や画面の使用時間を短くすることも賢明な方法です。
 また、幼い子どもは携帯電話機からの放射線を大人の2倍以上吸収することがわかっています。携帯電話を常に使わせる理由はないので、もし持っているのであれば、緊急時だけに使わせるようにしましょう。子供にできる最高のプレゼントのひとつは、無制限に画面を使わせないことです。
 
 携帯電話の放射線は非常に現実的な問題であり、がん発症に関連する科学的証拠もあります。しかし、その被害を軽減することは可能です。リスクを理解し、携帯電話を賢く使用することが重要です。

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