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当選&モデル商法その1

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本日のお題:当選&モデル商法その1
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/

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■当選&モデル商法その1

今週のお題は「当選商法」です。呉服業界に限らず昔から使い古されてきた商法で、このパターンはもう消費者にネタバレしていて通用しなくなっているのでは、と思っていたのですが最近SNSにて久々に見ましたので今回改めて取り上げさせていただきます。あまり大きな声では言えませんが、私が昔勤務していた呉服店では何度かやりましたので当選商法には詳しいんです…ってあまり自慢になりませんね。

なお、今回お話するのはあくまでも私が経験した当選商法ですので、おそらく店によって多少の違いはあると思います。ただ、こういう企画販売会は各小売店がオリジナルで考えるわけではなく、京都の呉服問屋がコンサルタント的な役割を果たしており、どこそこの店がこのやり方で上手くいった、売上を取ったという情報が問屋同士の話や問屋と取引している小売店に拡散していくのが常ですのでおそらくそれほど差異はないと思います。

まずは当選商法の流れを書きますと…。

店頭にこられたお客様や、名簿を持っているお客様に「着物ナンタラ振興協会」のようなところの企画として「着物の普及と振興のため、ご応募いただいた方に着物が当たります」というプレゼント企画を案内いたします。私が経験したのは往復はがきになっていて、取引している京都の問屋からお客様のところにはがきを送って、お客様のところに到着したであろう時を見計らって「こんなハガキが来てませんでしたか?」なんて言いながらご応募をお勧めします。

なぜ京都から送るかと言いますと、消印を京都にするためなんですね。京都の「ナンタラ振興協会」なので京都から発送されるのは当然ですよね。そういった細かい小細工も怠りません。今の感覚からすれば、なんだか訳のわかんない、聞いたこともない着物振興の団体にお客様の名簿を勝手に提供したことに他ならないので完全にアウトなんですが、当時は個人情報なんて概念もなく特に気にすることもなくそういった行為は行われておりました。

ちょっと話は飛びますが、着物の展示会の開催方法を少し解説します。着物の展示会は私が勤務していたような小さな店の在庫だけでは大きな展示会場を埋められませんし、また多くの呉服店は固定客で成り立っているので以前から店頭にあるものを展示会場に並べたところでなんの目新しさもありません。ですので展示会をするときには多くの場合卸問屋とタイアップしてその期間中商品を貸してもらうことがほとんどです。

もちろん店の在庫も展示しますけれど、展示会主体の店ですと問屋から提供されている目新しい商品ばかりが動いて呉服店の長期在庫品は少し古臭く見えてしまいますので展示会の主力商品は卸問屋から出品される商品となります。卸問屋は自分たちがタイアップのメインの問屋(サブでいくつか入る場合はあります)になろうとして、いろんな企画を持ち込んで呉服店に提案して、呉服店はそれに乗る格好となります。

話を戻します。

お客様自身で返信ハガキを書いて返送してくださる方ももちろんたくさんおられます。その返送ハガキの返送先はもちろん「着物ナンタラ振興協会」なんですが、住所はそのタイアップしている会社です。おそらくその企画で同時に動いている店がいくつもあるので(注)問屋の郵便ポストに「着物ナンタラ振興協会」と張り紙でもしているのでしょう。かくしてお客様が返送してくださったハガキはタイアップしている問屋の担当者を経てまた店に手渡されることになります。

注:いい企画が開発(?)されると、その問屋の営業マンが何人も同じ企画を小売店に持ち込み、タイアップの展示会開催の契約を取るために動きます。卸問屋の持っている商品にも限りがありますが、私の勤務していた店が取引していた程度の中堅問屋ですと週末に同時に2会場、3会場の展示会を行うことはザラです。その準備期間(ハガキでの応募期間)が1ヶ月ぐらいあったりするので10店舗ぐらい、あちこちの小売店の同じ企画の返信用のハガキがどんどん返送されてくるのは容易に想像がつきます。

さて、「こんなハガキが来てませんでしたか?」とお伺いしてご応募していただいたり、「着物ナンタラ振興協会」に返送されてきたハガキが問屋から店に手渡されたりして「ご応募いただいたお客様リスト」が出来上がります。そして当選発表です。もうこのメルマガをお読みの方でしたらお分かりだと思いますが基本全員当たります…いや、全員当たったのは昔の話かなぁ(後述)。

ここからが本番です笑。営業マンが「着物が当たったお客様」に当選の連絡をいたします。つきましてはご希望の着物を選んでいただかなくてはなりませんので○月○日から3日間の展示会にご来場ください、と案内して当日展示会を迎えます。

長くなったので来週に続きます。

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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
電話:06-6551-8022
https://www.kikuya.shop/

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