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お客様に案内するときには安全マージンを多くとります

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本日のお題:お客様に案内するときには安全マージンを多くとります
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/

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2月のプレゼントは黒地に椿柄の厚底草履

2月のプレゼントが始まりました。今月は黒地に椿柄の厚底草履です。紬や小紋などに合わせていただけるカジュアル用で仕入れるの結構高かったです笑。今回はかなり評判が良いようですでに多くの方にご応募いただいております。まだ会員登録されていない方は是非会員登録の上ご応募くださいませ。

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■お客様に案内するときには安全マージンを多くとります

今週のお題は「お客様に案内するときには安全マージンを多くとります」です。X(旧ツイッター)では格やなんやらはあまりうるさく言わないし、好きな着物着りゃいいやん、と思ってますしそのようにポスト(ツイート)しますが店内にこられたお客様にはそんなこといいません。あまりギリギリのところをいうとライトユーザーのお客様はそのギリギリを飛び越えてしまう場合があるので、あくまでもごく一般的な現代で王道とされている「着物ルール」をお伝えします。今日はそんなお話をさせていただきます。

ネットの世界では着物に興味を持ったばかりの初心者の方が「こんな着方をしてもいいのか」なんて質問がよく見られます。そんなとき、上級者と思しき掲示板の常連のような方が「大丈夫、カジュアルは自分がいいと思ったらなんでもいいよ」というコメントをつけているのをよく見かけます。

場の雰囲気を重視するフォーマルでは「自分が好きだから好きな格好をする」と言うのは通用しません。現代社会においてフォーマルとされている服装をしてこそ、お祝いやお悔やみの意図が伝わるものです。服装なんて関係ない、大事なのは心だ、なんて思ってても心なんて目に見えませんからそんなこといくら力説されたところで伝わりません。

そりゃ面倒臭いですよ。いつもの衣服と違ってタンスの奥から引っ張り出して前日からハンガーにかけたりシワを伸ばしたり。いつも着ている服とは違うので余計な作業は当然増えます。ホスト側の方も当然面倒臭いのはよくわかっています。でも普段着と違って面倒臭いからこそ「時間をかけてあなたのために準備をしてきました」という意味であり、だからこそホスト側も丁重にもてなすのです。

しかしカジュアルとなると別にどんな着方をしようが誰に文句を言われる筋合いはありません。本来着物は洋服と同じように自由なもので、各個人がおしゃれを追求してきたからこそ少しずつ進化してきたのです。

SNSでは着物ファンが個性的なコーディネートで楽しんでおられるし、そういったコーディネートを見るのは私も大好きなんですが、それは着物上級者だからこそ垣根をヒョーイと飛び越えられるのであって、まだ何もわからない初心者が飛び越えようとすると垣根に足を引っ掛けて大怪我しますので注意が必要です。

先ほど書いたようにXでは結構いい加減な(?)答えをしている私ではありますが、来店いただいたりネットで問い合わせいただいたときにはガチガチの着物ルールを回答させていただいております。ガチガチの着物ルールとは概ね着物文化検定に参考書に載っているものとほぼ同じと考えていただいて間違いではありません。どこに出かけてもほとんどの方は違和感感じないであろうある程度全国的に浸透したルールです。

なぜかと申しますと、Xの方は質問していただいた方のポストを見れば今までどんな風に着物を着てきたのかわかるじゃないですか。ルールに厳密に着たいタイプなのか、それとも少しゆるーく楽しんで着たいタイプなのか。初心者なのか上級者なのか、大体の着物のルールがわかっているのか何もわかっていないのか、その辺りが全てわかります。

ある程度着物のルールを理解した上でそれを崩していこうというのであれば、それはもう個人的な着方の趣味というか自分だけのおしゃれをしたいということですので何もいう必要はありません。もう好きにしなはれ。あなたはもう上級者なので自分で考えて自分で一歩踏み出していけば大丈夫。出かけた先で誰かに何か言われても「私はこれでいいんだから放っといて」って言えるでしょ?

掲示板で質問している方というのは基本自分に自信がないから他人の意見を仰ぐのであって自分で決められないんですよ。そういう方に「なんでもいいよ、大丈夫」と言うのは簡単なんだけど、結局自分に自信がない方がいわゆる「イレギュラーな着方」でお出かけして出先で「それはそんな風に合わせないのよ」なんて言われたらどうでしょう。個性的で楽しく思っていたその装いが急に場違いなものに思えてきてなんとなくその日1日憂鬱な気分になるというか、着物を脱ぎたくなるようなそんなことになる場合もあるのではないでしょうか。

SNSで着物ファンの方にアドバイスしてもらうのであれば、そのアドバイスを信じるも信じないもその方次第ではありますが、呉服店で看板を背負ってアドバイスする以上、その発言には少なからず責任が生まれます。万が一にも当店で購入していただいたお客様が出かけた先で「これ間違ってるのかな」と着物を脱ぎたくなってしまうような、そんな状況にさせてはなりません。そして出先で「あれ?その着方はダメじゃないの?」なんて言われるとなぜか呉服屋のいうことより見知らぬ方のいうことを信じてしまうんですよね…。

というわけで私はお客様に「こんな着方をしてもいいんやろか」なんて聞かれた時には上記の通り着物文化検定の教則本に書かれている「どこに出かけても誰からも文句も指摘もされないガチガチの着物ルールをご案内します。ただ、それは「私がそう言ってるから絶対守ってもらわないと困る」ではなく「基本はこうだけどそれをあえて崩すのであれば好きにしなはれ」というニュアンスで一切強要はいたしません。基本を分かった上で自分の考えてそれを崩すのであればそれはそれでいいと思っております。

X等を見ていても「こんな着方をしてもいいの?」というポストをよく拝見します。それに対してなんでもいいよ、大丈夫、というのは一見優しいし、カジュアル用の着物はどう着ても自由という観点からは決して間違いではないことがほとんどです。しかしそれは出かけた先で何を言われても一切気にならない上級者だからであって、SNS等で質問するレベルの、着物の知識に自信がない初心者は少し注意したほうがいいかもしれません。

上級者から見たら「面白くない提案するなぁ」と思われるかもしれません。私自身もちょっとぶっ飛んだコーディネートでもっとああしたい、こうしたいというのもあります。でも呉服店でお客様からお金をいただいて販売したり提案している以上、万に一つでもお客様に恥をかかせるわけにはいきませんので安全マージンをかなり多くとってアドバイスさせていただいております。

なんて言いながらSNSで拝見する自由なコーディネートは呉服屋を30年もやっているおっさんですと、体の芯からガチガチのコーディネートに毒され…じゃない、浸透していてあまり個性的な提案は思いつかないんですけどね。SNSで拝見する着物ファンの着姿に「へー!!!」と驚くことも多く、勉強させていただいております。着物民の皆さんのコーディネート、楽しみにしておりますのでこれからもどんどん着姿を見せていただければ嬉しいです。

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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
電話:06-6551-8022

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