続・本の散歩 18/69@横浜 大口

画像1 『へろへろ』鹿子裕文。早川義夫が絶賛していたので読んだら面白いのなんの。長いこと編集の仕事にありつけなかった‘ひまっ子’の著者が手掛けた介護雑誌「ヨレヨレ」と「宅老所よりあい」に集う人々を描いたエッセイ。タイトルと裏腹に文章はキレキレだ。はじまりは明治生まれの老女。誰もが見放した認知症のばあさまの世話を一人の女が受けて立つ。安心して暮らせる場所を作ろう、金がなければ集めりゃいい、ケ・セラ・セラ〜♪ 登場人物たちの濃厚な匂いが本から立ち上る。笑って泣いてこれぞ人生。若い頃暮らしていた人間臭えへろへろな町で。

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