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みんなスイミーだったんだ。

新しい場所へ進むことは、誰だって怖い。

別れることは、悲しい。

ひとりぼっちは、さびしい。


「出てこいよ。いっしょにあそぼう。おもしろいものがいっぱいだよ。」

「だめだよ。大きなさかなにたべられてしまうよ。」

「でも、いつまでもそこでじっとしているわけにはいかないよ。なんとかかんがえなくちゃ。」

スイミーはかんがえた。いろいろかんがえた。うんとかんがえた。

それからスイミーはさけんだ。

「そうだ。みんないっしょにおよぐんだ。うみでいちばん大きなさかなのふりをして。」

スイミーはおしえた。

「けっしてはなればなれにならないこと。みんなもちばをまもること。」

そしてみんなが一つの大きなさかなみたいにおよげるようになったとき、 スイミーはいった。

「ぼくが目になろう。」

あさのつめたい水の中を、ひるのかがやくひかりの中を、みんなはおよぎ、大きなさかなをおい出した。


今の現状に満足していれば、周りの素晴らしいものやおもしろいものは見えてこない。世界はもっと広い。

もちろん、幸せであることが良い。誰だって今いる場所から出ていくことは、怖いこと。

今でも自分は十分にやっている。

何でわざわざ?

でも、怖さを乗り越える勇気があれば、悲しみが強さになり、さびしさを知ることで、優しくなれる。

みんなスイミーだったんだ。


新しい場所での、新しい出会い。個性が輝く、ひとりひとりの役割りが必ずある。いつまでもじっとしているわけにはいかない。

今は悲しいけれど、お別れです。

自分のために。


スイミーと、子どもたちが教えてくれました。



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