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フィンランド教育の魅力

Joensuuにある、東フィンランド大学(UEF)を見学する。
 今回、ここに勤めている、Ismo教授(Teacher Education)おそらく、教育学部の教授が大学を案内してくれた。


フィンランドには私立の大学がなく、ここも公立の学校だ。

Joensuuのメインバスターミナルから歩いて10分ほどのところにある大学は、このあたりの地域には大学はここだけとあって、かなり広い。日本の大学と同じで、それぞれの学部のキャンパスがあり、それぞれに教授の部屋、研究室、講義室がある。

また、ほとんどと言って良いほど学食が食べられる食堂があった。生徒だけが利用するのではなく、一般の人たちも利用することができる。student、teacher、visitorで、料金が違っていた。駐車場も広く、たくさんの人たちがランチに来ているようだ。サラダはビュッフェ形式で、メインディッシュやスープなどは別料金で追加できる。何より、パンは食べ放題ということが魅力的。


 フィンランドでは、大学に限らず、すベての学校において私立学校というものが存在しない。

「授業料と引き替えに、優れた教育を提供する私立学校は、事実上存在しない。」

と何かに書かれているものを読んだ。案内してくれた教育学部の教授の話によると、進学するための試験があり、大学へ入ってからも進級試験がある。しかし、何度も追試が受けられる制度のよう。それだったら、時間はがかかったとしても、必要なスキルを身につけて卒業することができるということであり、落ちこぼれは生まれないということになる。

何と言っても、フィンランドの教育の最大の魅力は、お金の問題に悩まされることなく、自分の興味や関心、必要に応じた教育を受け続けられる環境にあるということだろう。


 大学内の図書館を見学した。そこには、学生や先生がゆったりとリラックスしたり、集中して学習できるスペースがたくさんあった。自由に利用できるコンピューターが66台、group study roomが各階に数カ所、自習用に利用できる個別のテーブル、ソファが至る所に。そしてそれらがカフェのようにセンス良く配置されている。もちろん、3階建ての建物で、たくさんの本が並べられてあった。吹き抜けの造りで、広々としていた。そこで学生たちは学習したり、本を読んだりしていた。

 大学内には、Teacher Training schoolという場所があった。そこでは、将来先生になる生徒が、そこで実際に授業に入り、実践を踏まえた訓練ができるそうだ。日本でいう、教育実習をしに行く学校が、大学内に設置されている。1年に2、3回それぞれ4週間から8週間、それぞれの学校に入りこみ、訓練するそうだ。小学校、中学校、高校とそれぞれの学校があり、それらもすべて公立で、同じ教育制度を受けられるということだ。教育大学附属小学校というものが日本では存在するが、それと少し違うように感じる。


 教師になるのは難しいそうだ。学校は5年間。小学校の教師になるためには、日本と同じで算数や理科など、30項目ほどの授業が必須。中学、高校の教師は、それぞれの専門教科になる。先生の夏休みは、生徒や子供たちと同じで6月、7月、8月の数日ほど。大学の教授は7月だけが休み。夏休みの間も大学はずっと開いていて、学生や先生たちが自由に学習できる。


 学生寮が新たに建築されていた。今回訪問したのは、夏休み前ということもあり、試験があったり、早い学生は夏休みに入っているので、学生位の数が少なかった。しかし、普段はたくさんの学生がいて、混んでいる状態らしい。新たに寮が作られるほど、学生の数も増えているとのこと。

 大学は広々とした造りで、キャンパスがいくつもあり、芝生や木もたくさん植えられている。自転車を止められるスペースも管理されている。キャンパス内には広々としたエントランス、ミーティングルーム、トレーニングスペースがあるなど、そこに通う生徒たちにとって楽しめる空間がたくさんあった。個人ロッカーやベンチなど一つ一つの造りのセンスがよい。図書館も然り、そのような学習環境が整えられている大学だった。ここだったら、また学生に戻って通いたいなと感じた。



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