生きていかねばならぬ

いつの世も苦しく
いつの世も美しく
いつの世も洋々と
いつの世も流れゆく

そこにはいつも輝きがあった
落ちては二度と上がれない溝があった
涙の出ない哀しみがあった
言葉のぬくもりが
あたためきれない寒さが
共鳴の音が
人里の孤独が
深い祈りがあった

今日か昨日か十年前か
足元おぼつかなく気がつけば
流れ流され泳ぎ溺れ
水面に浮かべば
目のつぶれそうな光にまた来る波

耐え難い苦しみがここにあるから
雲間の光がまぶしいから


やはり

生きていかねばならぬと



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