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飛行機のはなし

日本に住んでいた時はほとんど縁のなかった飛行機にずいぶん乗るようになった。なるべく避けようとしていたけれど、住処が日本でなくなってはしょうがない。なんでもない顔をして乗るしかない。最初の頃は空港に向かうタクシーの中から具合いが悪くなったり、酔い止めの薬を飲んだりしていたのだが、だましだまし乗っているうちになんとなく慣れた。


「おべんとうの時間」という大好きな本がある。お弁当の写真と人の写真が同じ大きさで扱われ、さらっとしたエピソードが読める。(個人的にはこの、さらっとしている、ということがとても重要だと思っている)これが実はANAの機内誌で連載しているものだと知り、俄然飛行機に乗ることが楽しみになった。「翼の王国」というその本は機内で読むのにふさわしく、「世界は広い、そしてこの飛行機に乗りさえすればあなたは実際にそれを目にすることができる」というメッセージが詰まっている。それが読みたいがために飛行機はなるべくANAを選び、乗った瞬間に「おべんとうの時間」から読み始め、離陸までにはそのページを読み終わる。もちろん最後はいただいて帰ってくる。

もうひとつの楽しみは機内食。
飛行機に乗りつけない時には仕組みがわからなかった機内食についてもだいぶ知恵がつき、今ではほとんどの場合ベジタリアンミールを注文している。肉か魚か、選ぶ楽しみはないけれど、お腹が重くならずに済むのでとても助かる。
しかも日系の会社だと搭乗口のアナウンスから日本語が始まるし日本のビールも飲めるし最高だ。今回は初めてのJALだったけれど日本語&日本のビールで一息ついたあとの食事がアレだったので一概には言えない。何でも自分で体験してみないとわからない。
せっかくだから色んな航空会社の飛行機に乗ってみたいと最近では思っている。

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