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持続化給付金の不正はバックチェックされるだろうか?

2020年6月現在、私は計4社の持続化給付金を申請して4社すべての入金を確認しました。申請方法はとても簡単で、ネット上には山ほど情報が出ているので是非検索して見てください。

ここでは、私が4社申請した時に「不正受給が簡単にできちゃうな」と思い、実際に不正受給をする人はどんな処理をするのかを考えてみました。

4社申請して感じたこと

私は申請受付が開始された初日、4月30日に3社、5月6日に1社、合計4社の受給申請を担当しました。とても、とても簡単でしたよね。初日だけはWEBサイトが重くてなかなか申請完了しませんでしたが、5月に入ってからは特に混雑することもなくスムーズに申請出来たと思います。申請を受け付ける経済産業省側も頑張って処理してくれたのでしょう。

また、通常の助成金や給付金であれば支給通知が会社に届いた1週間後くらいに入金されるのですが、今回の給付金は緊急性が高いためか、支給通知のはがきが届く方が1週間くらい遅かったです。

遅いとか、やり方がわかりづらいとか、ネットが使えない人はどうしたら良いんだ、とか色々言われてましたが、私は今回の持続化給付金の事務処理は非常に上手くやってくれたと考えています。経済産業省の皆さん(と、受託先企業の職員さん)も大変な中でよくこの大規模な事務処理をこなしてくれました。ありがとうございます。

ただ、おそらくは臨時の職員が人海戦術で確認したのでしょう、申請内容に不備がないのに不備差し戻しをされてしまったのが1件ありました。どうみても問題無い申請データだったので、試しにまったく同じデータで再申請したら1週間後には給付されました。

不正受給は簡単にできますが、ダメです。

助成金や給付金は、どんな設計であっても、やろうと思えば不正受給はできます。そして、今回の持続化給付金は速度優先で申請書類が非常に簡略化されているため、さらに不正受給のハードルは低いです。

もちろん、不正を勧めるわけではありませんが、ここまで申請が簡略化されていて、経理処理をちょっといじるだけで確実に要件が満たせるのですから、おそらくある程度の不正は織り込み済みで設計されているはずです。

不正のやり方は単純。持続化給付金は月次の売上を比較されるだけですから、売上の日付をずらせば良いのです。納品を早める・遅らせる、請求書の発行をずらすなどやり方はいくらでもありますし、普段からも営業社員などは自らの月次ノルマの調整として同じ事を息を吸うのと同じレベルでやっています。あとは、一部売上を営業外利益として計上することも出来ます。

意図的に期ズレを発生させる処理は脱税に繋がるため怒られますが、当期内の月次売上を意図的に操作したところで今まで怒られることは無かったでしょう?会計書類は年次決算を前提に作られているので、月次の売上操作の証拠はなかなか残らないのです。

そして、これだけ大規模に給付したのですから、事後に不正だったかどうかをチェックする事も難しい。そもそも税務調査は財務省、給付金は経済産業省。経済産業省には大規模な会計チェックができるリソースもノウハウも権限もあるはずがない。故に、バックチェックはほとんど行われないはずです。内部告発でも無い限りはバレることがないでしょう。

今期の決算書では、前期の月次売り上げから50%マイナスの月をちゃんと作っておけば、おそらくはそれだけで不正がバレる事は無いはずです。

もし、私が売上の減少幅が少し足りない、、、という事業主だったら、ちょっと考えちゃいます。いまの私は事業主ではないのでやりませんけどね。

正直者は馬鹿を見て、不届き者の大馬鹿野郎は地獄行き

正直に会計書類をつくり、売上の減少幅が少し足りずに持続化給付金の支給対象外になってしまった法人。イージーな会計操作すらせずに真っ正直に営業を続ける姿は清らかではありますが、大きな損をしているとも言えます。

しかしながら、ここまで書いておいてですが、不正受給は絶対にいけません。万が一バレれば返金だけでは済まされません。バレればもちろんペナルティがあります。

①給付金の全額に、不正受給の日の翌日から返還の日まで、年3%の割合で算定した延滞金を加え、これらの合計額にその2割に相当する額を加えた額の返還請求。

②申請者の法人名等を公表。不正の内容が悪質な場合には刑事告発。

これは不正が発覚した際に取られる措置です。お金は年利3%にペナルティでさらに20%増し、、、、ただ、これは300万円以内には収まってしまうでしょう。キツいのは法人名の公表です。「この程度の不正で捕まった大馬鹿野郎」として認知されれば営業を継続するのは困難でしょうし、いまのSNSで見られるネット自警団のターゲットにされて袋だたきになります。

持続化給付金の200万円という金額は、人生を棒に振るレベルの大金ではないのです。不届き者の大馬鹿野郎は地獄を見ることになるでしょう。


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