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悲話

テレビにも出演しているという美女に連絡先を教えてもらった私は喜んだのも束の間、そこで夢から目が覚めた。
日曜日の早朝だと言うのに、私は今日一日のやる気が全て喪失し、神の存在を否定することになった。私は今日、トイレ以外の用事でこの布団から出ることはないだろう。
そのため、この日記も布団に入った状態で書いている。

夢での出来事だと知りつつも、試しにその美女の名を検索してみたもののヒットせず。
一番近い名前で、没後五十七年も経っている翻訳者の男であり、その名前もペンネームだった。
せめて実在する苗字であれば、彼の孫か曾孫と知り合うという正夢になる可能性もあったが、その可能性も打ち砕かれた私は大きな溜め息を吐いた。
「神は死んだ」とは誰の台詞だったか。
部屋のカーテンの隙間から青空が見える。


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