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年末へ向けて、原油国際価格暴落の可能性。

 ロシアは、当座、邦貨換算で、10兆円の外貨が必要です。闇ルートで、物資を輸入しなければいけません。特に半導体。ロシア国内の外貨は枯渇していますので、主要輸出産品である原油を、闇ルートで売りさばかなければいけません。ソ連時代のバーター取引、つまり物々交換取引は難しいでしょう。相手国が、半導体を国内生産していたら、話は別ですが。

 ロシアの周辺諸国へこっそりと、G7の監視の目をかいくぐって、原油を輸出することは容易いと思われがちですが、事はそう簡単ではありません。

 ロシア原油受け入れ国は、当然、ロシアの窮状を承知していますので、完膚なきまでに買い叩きます。徹底的にロシアの弱みにつけ込みます。マイナスのロシアプレミアムが発生する所以です。当然ですね。相手国も、闇取引がばれた場合のリスクを背負っているのですから。

 また、旧衛星国以外は、原油パイプラインがつながっていない。つまり、原油受け渡しに、相当の配送コストが発生する。当然配送コストも、ロシア負担になります。海上輸送の選択肢は有りえません。G7に一発でバレてしまいます。鉄道輸送か、ローリー輸送か。

 さて、ロシアの闇取引相手国は、当然、G7以外の国となります。残念ながら、早期に、大量に、ロシアの思惑道理の原油量を、輸入する資金力は、持ち合わせていません。特にドルは余り持っていません。

 となると、ロシアは、多数の取引相手国を探し、数で稼がなくてはいけません。薄利多売方式です。ますます相手国からは、足元をみられ、引取単価のえげつない引き下げを要求されます。例えば、1バーレル10ドルとか。最終、ロシアはその要求を飲むでしょう。それだけ困っているのですから。

 相手国は、調子に乗って、国内需要量を上回る量を
ロシアから輸入します。当然、国内でダブつきます。これを、プレミアムを載せて、第三国へ転売しようとするでしょう。誰でも思いつく発想ですね。

 ロシア原油闇取引国は、多数発生し、かつ同じ行動をします。当初は、現在の、1バーレル120ドル近辺で、転売できるので、笑いが止まらないでしょうが、多数の対象国が、同じ行動に出るので、自然、国際価格は、下向きになる。それでも、ロシアは闇取引をそれぞれの相手国に懇願するでしょうから、この状況は、終わりません。

 そこに、今秋以降、予測される世界的な景気後退局面の到来です。

 また、G7を中心にした、脱化石燃料の取り組みにも拍車がかかります。

 年末に向けて、1バーレル50ドルまでの大暴落も射程距離として見えてきます。

 この段階で、さすがに、ロシアも停戦交渉に本腰を入れることになるでしょう。その前に政変が起こるかもしれませんが。

                   以上です。

 

 

 

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