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こぐまちゃんとしろくまちゃん展

世田谷美術館へ「こぐまちゃんとしろくまちゃん展」を見に行きました。
3歳から5歳ぐらいの子どもたちがたくさんのにぎやかな展覧会でした。

絵本作家に共通する作風の幅の広さ、そして職人気質さが好き。

こぐまちゃんシリーズは、わかやまけんを含む4人で設立したこぐま社から誕生。文字を読めない小さい子たちにも理解できるように、絵を描いた後に話を作るという流れで作られていたのだそうです。独特な話のリズムはここからきているのかな。

これ!「こぐまちゃんとホットケーキ」!。息子にもよく読んであげてました。「ふくふく」というオノマトペが好き。

ホットケーキの部分はマグネットになっていて、
子供たちがはがしたりつけたりして遊んでいました。

「こぐまちゃんとホットケーキ」の中に、後片付けでお皿洗いをしながら泡でホットケーキを作る場面があったのですが、「ホットケーキを作れるほどの泡が出る合成洗剤で子供が遊んだら危険」というクレームがつき速攻別の絵にさし替えたのだそうです。他にもいろいろクレームがついた場面があったようです。そのたびに速攻で差し替えるのはやはり子供たちへの影響を一番に思っていたのでしょう。

「こぐまちゃんシリーズ」の絵ができるまでのショートムービーも上映されていました。

「こぐまちゃんシリーズ」の絵は、リトグラフという版画みたいな手法で作られているのですが、一つの色を塗るために絵の具で色を作り(!)下絵を紙に写し指定の場所に色を付けプレスにかけて・・・また別の色を塗るために同じ作業をして・・・これを6色分繰り返してやっと一枚の絵に・・・でも色味が違えば一からやり直し・・・。

気が遠くなるような作業。

普段使わない紫を使った珍しい絵なのだそうです。

他にも水彩やパステルを使った挿絵などがありました。一人の人が描いたとは思えない作風の広さ。とくに雑誌「保育の友」の一連の表紙はすごく見応えがありました。

活気があり楽しくいろいろな知見が得られた美術展でした。