息子が投資マルチにハマった親御さまのその後
週末とても嬉しい知らせが届きましたのでその模様を記載します。
メッセージをいただいたのはこちらの被害事例で相談に乗っていた方。
はじめに
2022年に息子さんがマルチ商法に加入。その後借金を抱え大学を退学されました。
”インタビューその後”にもありますが、息子さんは2023年に借金を理由に何とかマルチ商法を辞めましたが、その後も交友が続き、再度マルチ会社に入会したようにも見えており、私の知る専門家や元会員の方などにおつなぎしつつ、私も時折お話を伺っていました。
インタビューその後②
先日いただいたメッセージがこちら(原文ママ)。
読んだ瞬間涙が出ました。
全てが万事解決、ということはないのかもしれません。
ですが、こうして一歩踏み出して一定進展があったこと。本当に良かったです。
私はただお話を聴くことしかできませんでしたが、微力ながらお力になれたこと、大変うれしく思います。
ここからは、本相談と切り離して今回の事例を通して改めて考えることを記載します。
ここからが重要です。
今回は本当に良かった。そのことに変わりはありません。
とにかく嬉しかった。
自分の活動を続けてきてよかった、本当にそう思います。
ただ、それで終わらせて本当に良いのでしょうか。
マルチ商法会員の親族被害の難しさ
改めて実感したのは、マルチ商法に一度ハマって家族関係が壊れてしまうと、関係の再構築が非常に困難であることです。
ハマった本人はもちろんのこと、周りの親族もそうです。本人と親族の関係も、「辞めて良かった」の一言ですむようなものではありません。
万が一マルチ商法を辞められたとしても、その後再度別マルチに入ってしまったり、一度出来上がった交友関係をなかなか捨てられるものでもありません。
私の表現力も足りずですが、この2年間で、こちらのご家庭だけでも様々なことがありました。
お母さまは幾度となく葛藤され、迷われ、悩まれ続けていました。
そうした親族の気持ちに、継続的に寄り添う、課題解決に向けて伴走してくれる仕組みが現在日本にはありません。
「マルチ会員親族専用の相談窓口の設置」
私が常々課題提起しているのは、やり場のないどうしようもない辛さに悩み続ける親族に対し、脱会した元マルチ会員や臨床心理士、弁護士などの専門家がタッグを組んで課題解決に向けて伴走する仕組みです。
この仕組みがない限り、マルチ商法被害は継続的に、長期的に、会員やその親族の多くを巻き込みながら残ってしまいます。どうか負の連鎖を止めてください。
現在の仕組みへの警笛
私は法や心理の専門家ではありません。
今回の事例も、私は単にお話を聴いたに過ぎず、相談者ご自身が解決に向けて動かれたことが全てです。
今回は、たまたまお話を聴いた方がこのように一定進展があったにすぎません。
お話を聴く過程の中で、私が素人目線で対応してはまずい、と感じた瞬間が幾度となくありました。
現在発生しているのは、このような相談する当てのない会員親族が、私を含めた専門機関ではない先に、SNSなどを通して個人的に相談を持ち掛けることです。
SNS界隈でマルチに関して発信をされる方も、当然ながら全てに精通しているわけではありません。ただの個人です。中にはインフルエンサーのようなYouTuberも多々いらっしゃいます。
どの人が大丈夫、どの人が危険などと言いたいわけではなく、単純にそれは仕組みとしてまずいと思うのです。
相談した相手が別の詐欺的手法に繋げて2次被害が起こったらどうするのか?
素人が対応を誤って相談者に何かがあった場合誰が責任を持つのか?
そして何より、そうした相談を何ら資格を持たないイチ個人のボランティア活動に頼っていて良いのか?
そういうことなのだろうと思います。
今仕組みを整備しなければ、本当にまずいです。
マルチ商法を原則禁止とするのが難しいのであれば、どうか「マルチ会員親族専用の相談窓口設置」を真剣にご検討ください。
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