人は感情に飢えている

何もなければ、何もしないのが人間です。

この何もなければというのは、足りないものも満ち足りたものも、何ならありとあらゆる欲求がない状態を指します。
仏教祖みたいですね。

なぜご飯を食べるのでしょうか?
生命活動の維持に必要なため、カロリーが不足し始めると食欲として、脳が食べ物を食べるべきという感情を呼び起こすからです。

なぜ睡眠が必要なのでしょう?
これもまた生命活動のため、脳を働かせ続けないために周期的に眠気という形で脳が欲求を出すからです。

欲がなければ人は行動をしません。

では、なぜ人は娯楽に浸り続けるのでしょう?

その答えははっきりしています。

人は感情に飢えているからーーーー

先んじて娯楽といいましたが、これは娯楽でなくてもいいです。
というか一部、正の感情(嬉しいとか楽しいとか)を持っていない人が一定数存在します。

しかし一方で、負の感情(辛いとか悲しいとか)を持っていない人はいません。
というのも、負の感情がなければ、危険に飛び込み、虎の眼前でものほほんとしています。
そのような人は自然淘汰の結果いなくなっています。

今の世の中は情報化社会によってあらゆる情報に簡単にアクセスできるようになっています。

その情報群には、嬉しい情報、悲しい情報など、いろんな感情を奮起させるようなものが多数存在します。

当然、(良し悪しはさておいて)PV数を簡単に稼げるのは負の感情を想起させる情報です。
なぜなら、人間はマイナスのものに対して同程度プラスのものより2倍程度敏感に感じるようにできているからです。

さて、何もしなければ何も得られないように、何もしなければどのような感情も現れないことでしょう。

しかし、活力がみなぎっているときならいざ知らず、あらゆることを見たり聞いたり行ったりと動けますが、そうでないときはとにかく手軽に感情を得たいのが人間です。

その時にとても効果的なものが通称情報ポルノ

すなわち、SNSなどスマホでちょっと検索すれば出てくるネット記事や他の人の感情的な出来事です。

これを間接的に摂取することによって、何もない一日も感情を得て生きていくことができます。

でもそれって本物ですか?

人の脳は狩猟採取の時代からほとんど進化していません。
故に、ネット越しに得た情報でも本物であるかのように誤認してしまうようにできています。
推しのアイドルの結婚報告で嫉妬の炎を燃やすように、人の頭は現代に適応できていないのです。

薬物中毒になる人間がいるように、より手軽に快楽を得られるものに縋りたくなるのが人間というものです。

スマホは合法だからセーフなんて考えてると、何もしないうちに老いて、何も得られないまま死ぬことになってしまうかもしれません。

以上、休日を無駄に過ごした自分自身への提言でした。

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