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ニンジャスレイヤーTRPGソロシナリオ【異常冷害を調査せよ】

はじめに

このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版の1人(ソロ)向けシナリオです。
基本的に控えめで邪悪ではないストリートニンジャがプレイすることを想定していますが、導入やエネミーデータなどを改変することでソウカイヤや邪悪なストリート、フリーランスニンジャでもプレイ可能となっています。

導入と事前調査

あなたはニンジャにしては控えめで、ソウカイヤやザイバツ、アマクダリのニンジャのように邪悪ではない、ある程度の人間性と善良さを持ったストリートニンジャだ。
ある日、あなたにYCNANという謎のアカウントから仕事の話が持ちかけられ、ヤマ山地へと向かう。
仕事の内容は、最近ヤマ山地付近にある小希望コーポ『アシガル・フルーツ』が保有するバイオ果樹園で季節外れどころでは済まされない冷害が発生しているとのこと。
YCNANは、アシガル・フルーツからこの異常な冷害の調査を頼まれ、そこまで邪悪ではないあなたに仕事を頼んだのだそうだ。

もし、あなたのニンジャがナンシーとユウジョウを結んでいる場合は、YCNANがナンシーのIRCハンドルネームであることを理解しても良い。

YCNANはアシガル・フルーツは暗黒メガコーポのように邪悪ではないとだけは教えてくれるが、それ以上の情報を調べたい場合は【ワザマエ】か【ニューロン】のNORMAL判定で調べることができる。

最も適した知識スキル(+2):『山岳エリア』『高級嗜好品』
次に適した知識スキル(+1):『独立小組織』『ストリートの流儀』

成功した場合は、YCNANが教えてくれた情報とは別に下記の情報を得られる

●アシガル・フルーツは小規模コーポではあるものの、メガコーポと対等な関係を築けている類まれなコーポだ。そしてYCNANが言うように、邪悪さはほぼ無い。ただしメガコーポと対等な関係を維持するために若干の邪悪さは持っていることも分かる。だがそれも袖の下レベルのもの。

●ヤマ山地のバイオ果樹園では、バイオリンゴやバイオ桃の他、企業秘密で全貌は明かされていないが、電子戦争以前のオーガニックな果物を栽培する技術も持っている。

●アシガル・フルーツはヤマ山地以外にも、オキナワにバイオマンゴーとオーガニックマンゴーの果樹園を持っているという情報を手に入れる。

●冷害に関しては数年前から散発的にではあるが起こっていたらしく、それがつい頻発化しており、現時点での売上は去年の8割近くにまで落ち込んでいる。

以下は【6,6】成功時のみに得られる情報とボーナス
●冷害について詳しく調査した結果、冷害に遭った果樹の付近からいきなり強烈な冷気が発生して起きたものだという報告が上がっているが、それ以上踏み込めずにYCNANを通してあなたに依頼が来たようだ。これはもしや、ニンジャの仕業では?
【即応ダイス】+1個

以下は【6,6,6】成功時のみに得られる情報とボーナス
●冷害について調査していたアシガル・フルーツの社員が、銀毛とも白毛とも取れる巨大な狼の姿と、狼から冷気が立ち上っていたという情報も手に入れる。ニンジャはニンジャでも、ニンジャアニマルなのか?
【即応ダイス】さらに+1個、【緊急回避ダイス】+1個

アシガル・フルーツへ

調査を終えたあなたは、今回この依頼をしてきたアシガル・フルーツの果樹園管理責任者のイケガワと会う。アポイントはYCNANが予め取り付けてくれていたので、あなたは事務所で冷害調査の依頼を受けて来たことを話せば取り次いでくれる。

イケガワ「ドーモ、お待ちしておりました。早速ですがあなたには果樹園へ出向いて詳しい調査をしてほしいのです」
イケガワ「自分たちで調査をしてはいたのですが、どうにも私達だけの手には負えないような事態になっているようでして」

イケガワは応接室であなたに名刺を渡すと、すぐに依頼の話に入った。
その話の素振りから見て、イケガワは何かに怯えているような気配を感じる。
もし事前調査で【6,6,6】成功している場合、イケガワが薄々ニンジャの存在を感じ取って軽いニンジャリアリティショック(NRS)を起こしている事がわかっても良いが、もし成功していない場合は【ニューロン】HARD判定で成功することで分かる。

イケガワ「このままだと、売上が前年比の5割にまで落ちてしまいます。そうなれば社員の首を切らざるを得なくなりますし、私もいつまでここに居られるか……ヨロシクオネガイシマス!」

深々と頭を下げるイケガワに、あなたはどうにかしなければならないという使命感を覚え、果樹園の方へと向かう。

果樹園の調査開始

あなたは、イケガワからごく最近冷害の被害を受けたというバイオ桃の果樹園区画を訪れる。
ヤマ山地はネオサイタマ中心部から離れているということもあり、重金属酸性雨とはほとんど縁がないが、度々電波障害が起きるなどでメガコーポは手を引いている場所でもある。
バイオ桃の果樹はまだいくつか蛍光色に発光する実をつけている樹もあるが、大部分は葉が枯れ落ち、枝だけになっているという見るも無惨な姿だ。
そんな枝だけの果樹を調べていたあなたは、根本に溶けかかっている霜を発見。
【ニューロン】NORMAL判定に成功すると、これはコリ・ジツにより生み出された霜であると分かる。
やはりこの冷害はニンジャの仕業によるもののようだ。
更にニンジャの痕跡を調べようと、あなたはバイオリンゴ園の区画へと向かう。

続いてやって来たのは、バイオリンゴ園の区画。
ここも蛍光色に発光する実をつけている樹はあるが、やはり大部分は枝だけになっている。
なぜこんな事を?とあなたは考えながら調査を続けていたが、突然さらに奥の方から狼の遠吠えが聞こえてきた。その後に続くのは、ニンジャの『イヤーッ!』というシャウト。
これは一体どういうことだ?あなたは遠吠えとニンジャのシャウトが聞こえた方へと向かう。

あなたが声のした方へとやって来ると、そこにはバッファローめいた大きさの白狼と、イヌイットめいた装束のニンジャが対峙していた。


白狼とニンジャは互いのイクサに集中しているらしく、あなたの存在など眼中にないようだ。
あなたは両者の死角になるような場所へ隠れ、イクサを見守る。
だがあなたは気付くだろう、イヌイットめいた装束のニンジャのメンポに『天下』の漢字をモチーフにした紋章が刻まれていることを!

「いい加減、我が女王陛下の元に下ったらどうだ?ミチエーリヴォルク=サン」イヌイットめいた装束のニンジャが、白狼に言う。ミチエーリヴォルクがあの白狼のニンジャネームらしい。

「断る、それに今まで幾度となくこの果樹園を荒らしてきたのも貴様だろう?スノーブラッド=サン」ミチエーリヴォルクもまた、イヌイットめいた装束のニンジャの名を口にする。
ナ、ナムアミダブツ!この果樹園の異常な冷害をもたらしていた犯人は、アマクダリニンジャだったのだ!ミチエーリヴォルクは、スノーブラッドを止めるために今まで動いていたのだろう。

スノーブラッド「足掛け数年といったところだが、いい加減我が女王陛下がお前を連れてこいとのことでな。事を大きくしてやったのさ。コリの系譜ならば、我らが元に下るべきである」

ミチエーリヴォルク「下らん。私はヤマ山地を守る者として静かに過ごしたいだけだ、俗世に塗れた貴様らの戯言に付き合うつもりはない。このような馬鹿げたことは止めて、さっさと貴様の女王陛下とやらに『下ることを頑なに拒ままれました』とでも報告してこい。GRRRRR!!」

刹那、ミチエーリヴォルクの突進がスノーブラッドを吹き飛ばす!
「グワーッ!こ、これで終わったと思うなよ!」スノーブラッドは砲丸投げの砲丸めいて吹っ飛ばされ、見えなくなった。
ミチエーリヴォルクの脅威のカラテに、あなたはリアルニンジャアニマルをであることを確信し、その場に釘付けとなる。

「イクサに集中していてあえて無視していたが、先程から見ているお前は何者だ?」ミチエーリヴォルクがここであなたに気付いて話しかけてくる、その声から今のところ敵意は感じられない。
あなたは隠れていた死角から出てアイサツをすると、ミチエーリヴォルクもまたアイサツを返すだろう。そして、果樹園の異常な冷害について調べていることを話すと、ミチエーリヴォルクは先程吹っ飛ばしたニンジャ、スノーブラッドの仕業でるあことを語る。

◆ミチエーリヴォルク(種別:リアルニンジャ/アニマル)
カラテ     17→5  体力    48→5
ニューロン   14→6  精神力   14→6
ワザマエ    16→4  脚力    3/N
ジツ      8→3  

近接/射撃/機先/電脳  5/5/6/6
回避/精密/側転/発動  6/4/4/9

◇装備や特記事項
『カルマ:善』『☆コリ・ジツLv3』『◉交渉:威圧』『◉交渉:超然』
『◉知識:古代ニンジャ文明』『◉知識:山岳エリア』『☆◉冷気の収束』『☆◉氷面滑走』
『抑えた力』:このニンジャは普段リアルニンジャアニマルとしての自分の力を抑えている。
ステータスは上記矢印右側のものを用い、☆以上の★・★★・★★★のジツおよびスキルを扱うことができない。
各種ダイス数はステータス下方修正適用後のものを反映している。

「ふむ、モータル共に言ったところで私の仕業だろうと決めつけられることには間違いない。私はただ奴が気に食わないのと、この果樹園を荒らされるのを見過ごすわけにはいかなかったからなのだが」ミチエーリヴォルクは、フンと口から冷気を吐き出しながら言う。こうなったらスノーブラッドを爆発四散させて、これ以上冷害の被害が出るのを止める他ない。

「冷害の被害を止めたいというのならば、お前に協力しよう。ただし最小限だ」スノーブラッドを爆発四散させたいなら最小限に留めるという条件で協力を打診される。ミチエーリヴォルクにはスノーブラッドを追い払いはしても、殺す気は今のところないようだ。
最も、あなたが冷害の被害を止めたいというのであれば別のようだが。

具体的にはスノーブラッドとの戦闘時に以下の支援を行ってくれる。
なお、腕に自身があるなら拒んでもよい。

あなたのニューロンの値にかかわらず、あなたの行動前にコリ・ジツLv3で敵を攻撃し、1ダメージ(スノーブラッド単体に対しては2ダメージ)+回避ダイスダメージ2を敵に与えてくれる(回避難易度HRAD)。

コリ・ジツに関するデータの詳細は下記を参照(要メンバーシップ登録)

「あの様子であれば回復次第奴はまた来るだろう、次こそは生きて返さぬぞ」あなたはミチエーリヴォルクと共にスノーブラッドの迎撃準備を始めた。

アマクダリニンジャとの戦い

さて、ミチリエーヴォルクの見立てではスノーブラッドがまたやって来るのにはまだ時間がかかる。トラップでも仕掛けて迎撃用意をするのも手だろう。
【ワザマエ】のHARD判定に成功すると落とし穴を仕掛けることに成功し、スノーブラッドの取り巻きであるクローンヤクザ6人をまとめて始末することができる。

やがて日は落ち、空にはドクロめいた月が浮かぶ頃。
スノーブラッドは戻ってきた、クローンヤクザを引き連れて。

※もし落とし穴を仕掛けることに成功していた場合は、下記の描写が追加される。

7人ほどの足跡が、あなたとミチリエーヴォルクのニンジャ聴力が察知する。スノーブラッドが戻ってきたようだ。
だが足元不注意とはこのこと、先行していたクローンヤクザ達があなたの仕掛けた落とし穴トラップに引っかかったのである。
「「「「「グワーッ!」」」」」
「バカな!?落とし穴だと!?あの狼に仕掛けられるはずがない!」
狼狽えながらも、スノーブラッドがあなたたちのところへやって来た。

「1人ニンジャを味方につけたところで、俺が諦めるとでも思っているのか?ドーモ、スノーブラッドです」スノーブラッドはあなたへアイサツする。
「まあ、いい。お前を殺して無理矢理にでも連れていけばいいだけなのだからな!」
一触即発アトモスフィア!イクサの時間だ!

◆スノーブラッド(種別:ニンジャ)初期装備: イヌイットの斧(カタナ読み替え)
カラテ     4  体力    6
ニューロン   3  精神力   5
ワザマエ    3  脚力    2/N
ジツ      2  万札   0

近接/射撃/機先/電脳  4/3/3/3
回避/精密/側転/発動  4/3/3/5 

◇装備や特記事項
『☆コリ・ジツLv2』『◉忠誠心:アマクダリ』×2『◉一瞬の勝機』

もし落とし穴でクローンヤクザを始末しきれていない場合、クローンヤクザ6体も戦闘に加わる。

◆クローンヤクザ(Y-12型) (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)	
カラテ    2  体力   1
ニューロン  1  精神力  1
ワザマエ   3  脚力   2
ジツ     –  万札   0
攻撃/射撃/機先/電脳  2/3/1/1

◇装備や特記事項
 チャカガン: 銃器、連射1、ダメージ1

なお、この戦闘ではグリットマップを使用しない戦闘となり、クローンヤクザの手番時に6体残っている場合は弾幕ルールを適用する。

スノーブラッドの行動方針は、コリ・ジツ→イヌイットの斧による強斬撃の交互攻撃、回避についてはダイスを2つずつ使用する。
なお残り【体力】が2になった自分の手番で『◉一瞬の勝機』を使用して殺しにかかってくる。
もし『◉一瞬の勝機』が使用できない場合は、強斬撃のみの攻撃に切り変わる。

エンディング

「女王陛下バンザイ!サヨナラ!」死闘の末、あなたはスノーブラッドを爆発四散させた。
「これで静かになるな、私は山へ帰らせてもらおう。おそらくもう会うことはないはずだ」ミチリエーヴォルクはあなたにそう告げ、山の方へと消える。
あなたはイケガワにもう冷害の被害が出ないことを報告し、報酬を受け取るだろう。

【万札】15【名声】+1【余暇】4を獲得。
さらにミチリエーヴォルクとユウジョウ判定を行える。

最重視するパラメータ:【ニューロン】
親密度1:『何故私に興味を持つ?私はお前たちソウル憑依者とはまた違う存在なのだぞ?』
  報酬:『◉知識:山神の流儀』/『◉交渉:威圧』

親密度2:『ふむ、ヤマ山地に興味があるというのか。教えてやらぬことはないが』
  報酬:『◉知識:山岳エリア』/ 『◉知識:古代ニンジャ文明』

親密度3:『トゥララの奴が支配した後のコリ共は気に食わぬ。故に私はアマクダリという俗世に塗れた連中も嫌いなのだ』
  報酬:『◉憎悪:トゥララ・ニンジャ』/『◉憎悪:アマクダリ』

親密度4:『私のリアルニンジャとしてのカイデンネームはスノーウルフ・ニンジャ、もうお前になら話してもいいだろう』
  報酬:『◉ヒサツ・ワザ(大狼牙(ポン・パンチ読み替え))』/『◉知識:ニンジャアニマル』

爆発四散:『私が滅びようとも、ヤマ山地に残る私の思念は潰えぬ……サヨナラ!』
   報酬:**コート・オブ・スノーウルフ**
【万札:UR】:**コート・オブ・スノーウルフ**
ミチリエーヴォルクの抜け毛を謎の技術でニンジャ装束に加工したもの。
夏は涼しく、冬は防寒性に優れた防具。

胴体防具とみなし、追加で以下の効果を得る。
【効果種別氷結からのダメージ】-1、【体力】+1、【緊急回避ダイス】+1

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