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シングルからダブルに転向した人間の末路


僕がしばらく間何をしていたか、なぜ記事の投稿が滞っていたのか、そういうデイヴィッド・コパフィールド的な話を聞きたいのかもしれないけど、今回はポケモンSVの対戦について書く。

…うん、まあ、ただ単に他にやることがあってブログにまで手が回らなかった、というだけの話です。時間はあるけど余力がない、みたいな状況で、今やっていることについても、もう少し落ち着けば書けるかもしれない。

今回はたまたま暇ができたので、ちょっくら記事を書いてみるか、と思い立った。久しぶりにnoteのアクセス数を見てみたら、ポケモンについての過去記事が伸びていて、「ありゃ」と思ったことも理由である。いや、この「ありゃ」には特に深い意味はなくて、ただの感嘆詞です。いずれにせよ、ろくな実績もない上に宣伝もしない人間の文章を読んでいただいてありがたい限りである。


そういうわけなので、今日はとりあえずランクバトルの話をする。MacBook Proを買った話や、文章を書いて金を稼ぎ始めた話とか、正月に手相を見てもらった話なんかは、そのうちに書くかもしれないし書かないかもしれないので、あまり期待しないように。ちなみにバレンタインの話はしない。

シングルからダブルへの転向


ポケモンの最新作であるスカーレット・バイオレットが発売されてからけっこうな時が過ぎたので、今さらといった感じになるから感想は特に書かない。僕にとってそれなりに意味があり、読者にとって参考になる部分が多少なりとも有り得る話題は、僕がシングルバトルからダブルバトルのプレイヤーになったことである。

剣盾の頃は熱心なシングルバトラーで、ダブルバトルといえば、色違いガラル三鳥をもらうためだけに全日本予選のオンライン大会に参加した程度の経験しかなかった。要するにずぶの素人である。

なぜ僕がダブルバトルを始めたのかというと、これまた特に理由はない。ランクバトルが解禁される時になって、「今作はダブルでもやるか」と宗旨替えしたのである。誰に勧められたわけでもなく、相談したわけでもなく、勝手にふらりとダブルバトルの戦場に足を踏み入れた。

それでも理由がないと納得できない人のために、僕なりにそれっぽい説明を考えてみた。一つは、ポケモン対戦好きを名乗る以上は、シングルだけでなくダブルにもある程度は通じていなければならないという強迫観念に襲われたこと(襲われた記憶はない)。二つ目は、公式の世界大会はダブルバトルしか開催されていないことである。

仮の理由については後述するとして(編集後記:後述せずに終わりました)、シングルからダブルへの転向は、はっきりいってやらない方が良かった。もし誰かがやりたいと言うなら、僕は間違いなく「やめとけ」と声をかけるだろう。ポケモン対戦と一括りに言っても、シングルとダブルは全く別の競技であると言って差し支えないだろう。要はめっちゃきつい。

シングルとダブルは何が違う?


例えるなら、サッカーとフットサルくらい似ているところもあるし違うところもある。足でボールを使うことは同じだけど、人数も違えばフィールドの広さも違う。当然ながら戦術だって違う。シングルとダブルも同じで、ポケモンの技やタイプ相性が変わるわけではないけど、何から何まで違っているように感じる。

シングルで重要なのは対面操作である。いかなる相手にもサイクルを形成できる構築を組むことが、究極のゴールである。崩されなければ負けない。SVではどうなのか知らないけど、剣盾の時代には受け構築でなくともTODが発生することが頻繁にあった。そう言う意味では、点をやらなければ負けない、とディフェンシブな考え方ができるのがシングルバトルの特徴である。

一方で、ダブルバトルをやってみるとわかるけど、ほとんどTODが発生しない。というか、そもそもポケモンを交代する機会は1試合でほんの数回しかない(それゆえに、一度の交代が持つ意味合いが大きく、うまい交代を決められると一気に戦況が不利になる)。シングルではサイクルの形成こそが最重要事項で、崩したり崩されたりすることが醍醐味だけど、ダブルバトルにはサイクルという概念を持ち込むことはほぼ不可能である。

例えば、シングルバトルでは「自己再生」のような高速再生技が優秀とされるけど(今のシングルは知らん)、ダブルバトルでは再生技の採用は選択肢にすら上がらない。なぜなら、ダブルバトルでは様々な相手の攻撃を受けるため、後出しから受け回すことが不可能だからである。相手の盤面に物理と特殊の両アタッカーが出ていたら絶対に受からないし、全体技に巻き込まれれば回復する隙さえ与えられない。

シングルでは仮想敵を立てて、厳密なダメージ計算を元に受け駒を育成する。「ザシアンはヌオーで、その他物理はHBランドロスで威嚇を入れて対応、相手のランドはアマガで止めて、特殊全般はラッキーで受け切る」みたいなことができるのは、あくまで特定の一体(あるいは同じ対象群)を受けるだけで仕事になるからである。ダブルではヌオーでザシアンを受けたと思ったら、同一ターンにカイオーガの水技で吹っ飛ぶ。

話が長くなりそうだから、ダブルバトルの特徴をまとめる。ダブルでは対面操作(受け・蜻蛉ボルチェンなど)よりも、盤面操作するための広い視野と見通しが必要になる。そして、得点が0でも失点が0(=相手を倒さなくても自分が倒されない)なら勝てるシングルとは異なり、ダブルバトルでは得点を奪わなければ勝てない(もちろんディフェンス能力は重要)、ということだろうか。


なぜ海外ではダブルバトルが流行るのか?


勘のいいガキの読者はお気づきかもしれないけど、僕が書いたことは海外でダブルバトルが主流な理由、裏を返せば日本でダブルバトルが流行らない理由に直結している。

個人差があることは承知の上であえて偏見を述べさせてもらうと、日本のプレイヤーはどちらかといえば受け気質な性格で、シングルバトルに馴染みやすいのではなかろうか。一方で海外のプレイヤーは、積極的に自分から仕掛けることを好むため、ダブルバトルがマッチしていると感じるのではないだろうか。

これ以上深掘りするともはや比較文化論みたいな話になるけど、納得してくれる人も少なくないのではないかと思う。我慢や忍耐は日本人の国民性と言っても良く「危機を耐え忍び、好機到来を待つ」みたいな考え方が好きなのではなかろうか。

例えば、森保監督が率いたサッカー日本代表も、前半を耐えて後半で仕掛ける戦術を駆使していた。僕はサッカーに関してはずぶの素人(二度目)だけど、相手の攻撃を受けてからカウンター(これもダブルバトルでは採用されない技だ)、という戦い方は日本人の性に合っているように感じる(勘違いされると困るけど、僕は森保監督の采配の賛否を論じているのではない)。ラグビー日本代表が南アを下した試合も、相手のロングキックを自陣で確保してからタッチに蹴り出さず(体格上不利なセットプレーを避けて、ランでの体力勝負に持ち込むため)、粘り強く前進する戦術が功を奏したのである。

そうだな、スポーツを知らない人にもわかる例をあげるなら、人間関係においても日本人と外国人では全く違うのではないだろうか。外国人は知らない人に対しても、臆することなく積極的に話しかける印象がある。要するに自分からアクションを起こすことに長けているのではないか、ということである。日本人は人見知りしない人であっても、全く知らない人に話しかけるのは躊躇うと思う。

つまり、何事においても受け身な日本人は、受け寄りの思考が得意なためシングルバトルで力を発揮しやすい。外国のプレイヤーは自分から盤面を動かすアクティブなプレースタイルを好み、結果としてダブルバトルに適性を感じやすい。こういうことになるのだけど、いかがなものでしょう。

もちろん「〇〇人だから」と国籍や文化で人間を一括りにして語るつもりはなく、あくまで「こういう傾向があるのでは?」と言っているだけである。日本人でもダブルバトルで活躍しているプレイヤーもいるし、外国人でシングルバトルが強いプレイヤーもいるだろう。それにシングルでも「ちまちま受けなんてやってられねえぜ。おれは対面構築しか勝たん」という価値観もあれば、「相手には散々好きにやらせておいて、最後に怒濤の捲りで試合をひっくり返すのが最高」と考えるダブルプレイヤーもいるかもしれない。

それでも、日本でダブルバトルが流行らない理由として、国民性とも言える「受け身的思考癖」はかなり大きいと僕は考える。というよりも、2ヶ月間ダブルバトルを続けてきて、なんとなく感じたことである。ちなみにダブルをやっているとやたら英名のプレイヤーとマッチする。たまに日本人と当たると「おっ!」と思うくらい。


それから、ダブルバトルの初見殺しコンボが好きな人って、受けループなんて絶対に好きにならないと僕は確信している。僕はギミック構築が好きになれないので、あれをやられると頭に来ちゃうのだ。知っているか知らないかで勝敗が決まるなら、センター試験の世界史を解くのと変わりないじゃないか。あと僕は影踏み滅びコンボを絶対に許さない。あんな陰湿な戦法、僕は絶対に認めないぞ!

転向後の戦績は?


察しのいい読者は気づいているかもしれないけど、僕はダブルに転向してからというもの、全然勝てなくて困っている。シングルでも勝ててなかったじゃないか、と突っ込んでほしいわけではない。

ええと、シーズン1ではマスターボール級に到達するまでに100戦くらいやった。シーズン2では序盤こそ寿司コンボが対策できなくて借金10を背負ったものの、自分が寿司を握るようになってからは怒涛の連勝街道を突っ走って勝率五割に復帰し、四桁にもかすった。ところがシーズン3でパラポケが解禁され環境がガラッと変わってからは、全く対応できず50戦やって未だにハイパーボール級を彷徨っている。

敗因ははっきりしている。構築が組めないことである。良い構築を組むことの重要性は、シングルもダブルも変わらない。シーズン2では自分の経験値も増えてきたし、環境が落ち着いてきたこともあって、ある程度メタをはることができた。しかし、環境が一新されると全くついていけない。シングルでさえレギュレーションの変わりたてはきつかったのに、知識も経験も足りないダブルでは本当にどうしようもなくて頭を抱えている。環境の変化が苦手なインキャは、クラス替えをすると友達を作るのに苦労することと似ている。

インキャにありがちなディフェンシブな考え方を好む性格ゆえに、ダブルに適応できていないことも理由の一つだが、最もきついのはそこではない。僕がダブルに適応できないでいる最大の原因は、グレイシアのせいなのである。

嫁は色証グレイシア(♂)


今作で僕は色証グレイシア(ドヤア( ͡° ͜ʖ ͡°))を相棒にしていて、何があってもパーティから外さないと決めている。ただでさえ構築の組み方が理解できていないのに、マイナーに分類される相棒を抱えてとなれば、そりゃ素人の手に負えるわけがない。

でも、僕はグレイシアを抜いて勝つくらいなら、嫁と一緒に負け続ける道を選ぶのである。嫁がいない勝利に、いったい何の価値があるというのだろう?好きなポケモンを抜きにして勝てるようになったところで、それは強くなったことにはならないと僕は思う。本当に強くあるためには、愛するポケモンについて誰よりも知り、最大限に能力を引き出し、共に喜びや悲しみを分かち合い、互いに手を握り合っていなければならないのではなかろうか?愛する者の手を離した未来に、いったい何が残るというのですか?

と、それっぽいことを書いたけど、現実は厳しいものである。いったい何度「グレイシアの代わりに〇〇を入れれたら…」と思ったか数え切れない。シングルの時はどんなことがあっても切断はしないと決めていたけど、ダブルを始めてからというもの「ああ!くそ!急所、死ね!運だけヤロウ!犯罪者!」と喚きながらぶちぶちと回線を切ってしまっている。運負け程度でキレ散らかすのはよろしくないことくらいわかっているけど、switchを破壊する愚行だけは避けようと必死なのである。新天地で結果が伴わないという事実は、それくらいストレスフルだ。まあ、上位ランクの変動に関わるわけではないから許してください(だめに決まってるだろ)。

それでもシーズン2ではグレイシア入りでまずまずの勝率を残せたので、パラポケ環境も慣れてくればどうにかできるのではないかと思う。シーズン1だって、初めの頃は寿司+カラミンゴに初心者狩りされまくったけど、どうにかマスボまで辿り着いたのだから。

おわり

話がとっちらかったけど今回はこれで終わり。またしばらく投稿できないかもしれないので、くれぐれもこのブログを楽しみにはしないように。とりあえず残りの今期の目標は、マスボ到達と運負けで切れ散らかさないこと(もちろん二つの意味で)。

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