見出し画像

【Bellator】“氷の皇帝”ヒョードルはどこまで復活したのか? 48秒勝利を動画とともに振り返る。

4月28日(土・現地時間)、米国イリノイ州ローズモントのオールステイト・アリーナで「Bellator198:Fedor vs Mir」が開催され、メインでロシアのエメリヤーエンコ・ヒョードルが米国のフランク・ミアーに1R0分48秒、TKO勝利。ヘビー級GP1回戦を突破した。

2017年6月24日のBellator初陣での1RTKO負けから約10カ月、ヒョードルはどこまで“復活”したのか。その動きを動画とともに振り返った。

【公式ハイライト動画】

また、動画ではコナー・マクレガーの同門で“柔術界の悪童”ディロン・ダニスの足首固めによる一本勝ちMMAデビュー、柔術家のネイマン・グレイシー、ラファエル・ロバトJrが共に7連勝を決めた一本勝ち、さらにUFCファイターのサム・シシリアを極めたエマニュエル・サンチェスの肩固めなど、サブミッションが続いた同大会のハイライトも観ることができる。(動画・写真提供=Bellator MMA)

───────────────────

▼ヘビー級GP1回戦 5分3R
○エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/108.86kg)
[1R 0分48秒 TKO]
×フランク・ミアー(米国/118.61kg)

ヒョードルは2011年から厳しい試合のなかで5連勝も、前戦(2017年6月)ではマット・ミトリオンと対戦し、ダブルノックダウンからのパウンドで、1R TKO負けを喫している(※動画2分26秒から)。

ミアーはUFCで2015年にオルロフスキーに判定負け、2016年にマーク・ハントに1R KO負けし、Belltorに移籍。ハント戦当日に採取されたサンプルから禁止薬物が検出されたため、2年間の出場停止処分を受けてから初の試合となる。

ローズモントの場内はミアーのコール後、“ラストエンペラー”ヒョードルのコールにも大きな拍手が沸く。

1R、向かい合うとヒョードルより約10kg重いミアーの身体はひと回り大きい。右構えのヒョードル、左構えのミアー。

左のインローでヒョードルの前足を蹴るミアー。さらに左前蹴りをボディに突いて、蹴り足を後ろに戻して、そのまま左構えで左ストレート、さらに右フックで飛び込む。その右を受けたヒョードルは金網際でダウン!

しかし、すぐに立ち上がると、ミアーは左で脇を差しながら空いている右手で立ち際のヒョードルを押し込み右フックを打ち込んでいく。いきなりピンチのヒョードルだが、金網背に右腕でオーバーフック=小手に巻き、しっかりと引手=ミアーの右ヒジを左手で掴んで払い腰!

この投げで一瞬サイドポジションになったヒョードルだが、左は脇を差したままのミアーはすぐに脇を差し上げて立つことに成功。この立ち際にもヒョードルは右の打ち下しと左の返しを入れており、際の動きの良さがうかがえる。

再びスタンドへ。圧力かけ頭を下げた右ロシアンフックを振るヒョードル。ここでミアーがたまらず組みついて左で脇を差しに頭を下げると、すかさずヒョードルは首を押さえて左ヒザを2発! ミアーも左ヒザを返すと離れ際に左ジャブを当てる。

離れた両者。左ジャブはヒョードル。ミアーは右ジャブのフェイントからいきなりの左ストレートで前へ。さらにそのまま歩きながら頭を振って同側の右ストレートも。そこに下がりながら左をかぶせにいくヒョードル。

構わず前に出て左構えから左を狙うミアーに下がりながらヒョードルは内側から右フックを首筋に! その打ち終わりにミアーも右アッパーを打っていく。

そのアッパーに下がったヒョードルに対しミアーは前ががかりになり足が出ないまま顔から左ストレートを打ちに行くが、金網に詰まりながら右に回って避けたヒョードルがカウンターの右フック!! 前のめりに崩れたミアーに続けて左の返しをしっかりと叩き込むとミアーが前方にダウン!

ここからのヒョードルのパウンドも速く的確だった。四つん這いに倒れたミアーにしっかり腹で負荷をかけて、左肩ごしから1発、利き腕ではない左のパウンドを打ち込むと、左脇が空いたミアーの脇の下から顔面にさらに2発! 続けて今度は肩ごしに散らして3発連打したところで、動けず打たれるままのミアーを見たレフェリーが間に入った。

1R0分48秒、ヒョードルがTKO勝利。

ヘビー級ならではの1発の重さと、長年のダメージの蓄積からか序盤にフラッシュダウンを喫したヒョードルだが、そのピンチを柔道・サンボで培った投げで凌ぐと、いつもの前のめりの打撃からの逆転負けの反省からか、今回は下がりながらも的確な打撃でダウンを奪い返した。

ミアーが2年間の出場停止処分明けの試合だったこともあり、レジェンドファイトの様相を呈していた復帰戦だったが、下がりながら右にかわしての打撃、素早く的確なパウンドは“氷の皇帝”復活と言っていいヒョードルのフィニッシュだった。

試合後、クイントン・ランペイジ・ジャクソンを破り(※動画2分24秒から)、先に2回戦進出を決めていたチェール・ソネンがケージイン。

フェイスオフに応じた“最後の皇帝”は「幸せな気持ちです。神に感謝します」と、ケージのなかで微笑を浮かべた。

GP別ブロックでは、ミトリオンがロイ・ネルソンに判定2-0で辛勝(※動画1分34秒から)。5月12日のライアン・ベイダーvsキング・モーの勝者と対戦する。

また、5月25日にはGPリザーブマッチとしてミルコ・クロコップがロイ・ネルソンと対戦することも発表されている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?