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【Krush】木村ミノルが1RKOで初戴冠&公開プロポーズも成功=8.5「Krush.91」

8月5日(日)後楽園ホールにて「Krush.91」が行われ、ダブルメインイベントの2大タイトルマッチで2人の新王者が誕生した。

ウェルター級ではK-1での連続KOで復活を遂げ、Krushに凱旋した木村“フィリップ”ミノル(K-1ジム五反田チームキングス)が、王者・塚越仁志(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)に挑戦。伝家の宝刀・左フックでの105秒KO勝ちで初戴冠を遂げた。試合後は、リング上で公開プロポーズも成功。久保優太らとともに記念撮影に収まり「これからどんどんチームでベルトを獲っていきたい」と語った。(※試合前に木村ミノルが語っていたこと

ダブルメインイベント第1試合のスーパー・ライト級タイトルマッチでは、挑戦者・篠原悠人(DURGA)がスプリット判定で王者・中澤純を降し、K-1出陣をアピールした。(photos by Hayashi Kazuya)

▼第8試合 ダブルメインイベント第2試合 Krushウェルター級タイトルマッチ 3分3R 延長1R
○木村“フィリップ”ミノル(K-1ジム五反田チームキングス)
[1R 1分45秒 KO]
×塚越仁志(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/第5代Krushウェルター級王者)
※木村が第6代王者に。塚越は3度目防衛失敗

 ダブルメインのトリを飾るのは、王者・塚越仁志と挑戦者・木村“フィリップ”ミノルのKrushウェルター級王座戦。

 Krushのリングで多くの激闘の末にベルトを獲得した塚越は、豪腕モハン・ドラゴンを3R KOして初防衛に成功すると、2度目の防衛戦では強豪・牧平圭太も2R KOに降している。対する木村も好調で、K-1で実力者・城戸康裕を退けると、平山迅、山際和希を連続KOに降してKrashに凱旋。約4年8カ月ぶりにKrush王座に挑戦する。

 互いの応援団の大声援がとびかうなか、先に前に飛び出したのは王者。左ジャブを突き刺す塚越を右にさばく木村は左フック! 塚越は思わず後退する。

 距離を取り直し、左ジャブを突く塚越に木村は右フック。これはブロッキングした塚越。ともに左ジャブの突き合いから、長いジャブでコーナーに追い込む塚越に、顔面をガードで固めた木村。塚越はすぐに空いたボディに右を当てると顔面へ。左フック・右ストレートをガードの上から叩き込む。

 コーナーを左に出た木村は強い左フック。ガードしながらもバランスを崩す塚越。立て直すとまたも左を突いてガードを上げさせ、左右ボディ打ちで前進。下がりながらも左を狙う木村に、ここは塚越もバックステップでかわす。

 対角線のコーナーまでじりじりと圧力をかける塚越はオーソから左ジャブを突いて前へ。頭をずらす木村はクリンチからの塚越の左右ボディ打ちにしっかり顔面のガードを固める。いったん離れて左ジャブをまっすぐ突く塚越。左に外す木村。

 距離を取り直し、両手を前にひっかけるように出して右のヒザ蹴りを放つ塚越。ここはバックステップでかわす木村が、オーソから前手の左フックを先に放つ。ここは距離を詰めて防いだ塚越だが、続く木村の左フックにはバランスを崩す。

 塚越が前に出てきたところに今度は右フックを叩き込む木村。塚越は高いガードに。さらに木村は左へステップを踏み左フックをガード上から当てると、さらにダブルで左フック。ここもブロックした塚越。

 リズムよくワンツーから左のダブルを打ち込む木村。塚越の左ヒザに右フックを合わせようとするが、塚越はいきおいよく前進し、右から大きめの左フックを強振するが、そこに木村は下がりながらシャープな左フック!

 コーナーに向かってダウンする塚越だが、落ち着いて立つとカウント7でファイティングポーズを取る。再開、木村の右から左の連打をブロックするも足が泳ぎ体勢が崩れる塚越に、よく見ながら詰める木村は、塚越の左ジャブを頭を右に倒して避けながらカウンターの左フック!

 後方に倒れ2度目のダウンを喫した塚越は、カウント7でポーズを取るが、一気に左フックで飛び込む木村は左から右、さらに左フックダブルでなぎ倒し、塚越がダウン。KO勝ちした木村は、恒例となった両手を後ろで組むポーズで表情を変えず歓声を浴びた。

 KO勝ちで初戴冠を果たした木村は、後ろ手のまま宮田充プロデューサーからベルトを巻かれると、ようやく表情を崩し、笑顔に。

 リング上でマイクを握ると、「みなさん、僕の復活からここまで、そしてこの塚越選手という偉大な選手にKO勝ちできて嬉しく思います。それも辛いなか、僕は負けが続いたとき、すごく人が離れていくのを経験して、でもファンの声がすごく力強くて。“俺は(格闘技を)やめてえのに何でこんなに熱いこと言うんだよ”と思って逆に反抗したこともあったんですけど、みんなの熱い声のおかげでこうやって諦めずにベルトを掴むことができました(涙ぐむ)。

 K-1もKrushも、僕、ほんとうに心をこめて支えたつもりだし、救ってきたつもりだし、“顔”ではないけど“K-1の足”としてずっと頑張った動いていたんで、やっとひとつ形になるものができてよかったです。

 そして……山崎選手に負けたときに公開プロポーズをされてしまって、そのリベンジもできたらなって思うんですけど……(彼女が)見当たらなくて。来てないかな。(バルコニーにいる彼女を見つけて)上にいます。彼女です。誰か来させてください。話にならないです(苦笑)。

 ごめんなさい、1Rで終わったからいいでしょ。ちょっと付き合ってよ。これもリヴェンジだから、俺にとって。辛い時期を見ていた人はわかると思うけど、これが俺のリヴェンジだよ、ほんとうの。

 すみません、思った以上に手間が。最近どうですか、みんな? Krushってタイトルマッチが終わったらみんな帰るじゃないですか、それが心配だったんですけど、これだけの人が残ってくれたからよかったです。初めてベルト触ったし、何、この感触。ヤバッ(笑)。みんなこんなの持ってるの? もっと堂々としろよ。

(彼女がリングにやってくる)アイカっていいます。上がってください。ここまで一番、近くで支えてくれた、辛いときも、側に誰もいないときも横にいてくれて、それがすごい嬉しくて。僕が負けが続いたり、やっぱり未熟だから、どうしても結果がついてこないときにいろいろと当たることも多かったですけど……いっぱい負けを見させてごめんなさい。辛い時期に付き合い始めたと思います。

 でもチャンピオンになれたのも彼女のおかげで、僕、マジに結婚を考えていて……、いま婚約指輪買ってないけど、これ(ベルト)があるんで、これ金じゃ買えないしいいでしょ? アリだよね? 彼女はこれを俺が獲れないときのことをわかっていて、これの重要さがわかるかなって……。

(片ひざをマットに着いて)アイカ、僕と結婚してください。(彼女は両手で顔を覆い天を見上げてからベルトを受け取り、『お願いします』と返答。木村は高い声を上げて歓喜し、彼女とハグした)

 これを持って。(ベルトを彼女の肩にかける。最後はベルトとアイカさんと共に記念写真に収まった)

 試合後の会見で木村は、開始早々から塚越が詰めてきたことについて、「勝ったなと思いました。メンタルゲームでも。僕はあくまで冷静にブレずに戦った」と話し、さらに「このベルトはKrush代々木大会のトーナメントで久保(優太)選手が初代で優勝して獲ったんです。その時、僕はオープニングファイトでNOMAN選手と試合をして、のちに先輩になる久保選手がチャンピオンになる姿を会場の2階席の遠いところで見ていました。それが今回、久保選手がセコンドについてくれて一緒にベルトを獲って喜びを分かち合えたから特別に嬉しいです。久保選手とは一度戦ったけど、試合前に顔を見て落ち着くのは久保選手だし、対策して『これで大丈夫ですよね?』って聞いて心が決まるのも久保選手です」とベルトへの思いを語った。

 また、今後については、「これからどんどんチームでベルトを獲っていきたい。K-1で久保選手がチャンピオンで、僕としては今のチームが一番成果が出るので、久保選手と戦うために環境を変えるのはマイナス。今のチームが世界で戦うためのベストなので、これを守りつつチャンスが来たらK-1も行って。もちろんKrushでも後楽園でもガッツリやっていこうと思います。KrushからK-1に出るまでKOが続いていた頃の感覚を取り戻すことが出来ました。ファンの皆さんを待たせちゃいましたけど、これからまた頑張ります」と抱負を語った。

▼第7試合 ダブルメインイベント第1試合 Krushスーパー・ライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R
○篠原悠人(DURGA/K-1甲子園2015 -65kg王者)
[判定2-1]※30-29×2、29-30
×中澤 純(TEAM Aimhigh/第5代Krushスーパー・ライト級王者)
※篠原が第6代王者に。中澤は2度目の防衛失敗

右ローを当てる中澤に対し、構えを変える篠原は左ストレートなどパンチ勝負で接戦をものにした。

▼第6試合 セミファイナル Krushライト級 3分3R 延長1R

○林 健太(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第3代Bigbangスーパー・ライト級王者)[1R 2分47秒 KO]
×水町 浩(士魂村上塾/初代WMAF世界ウェルター級王者)

1R、左ジャブを突く林は右ロー、ヒザ蹴りで前進。水町は後ろ蹴りも、林は打ち下ろしの右クロスでダウン奪い、立ってきた水町に右ストレートで追加2度のダウン奪取。林はK-1ライト級戦線出撃をアピール。

▼第5試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R
○朝久泰央(朝久道場/J-NETWORK Nextgeneration cup -55kg優勝)
[判定3-0]※30-27×3
×里見柚己(K-1 GYM横浜infinity)

左右のロー、足へのヒザ蹴り、打点の高い前蹴りなどを効かせた朝久泰央が、里見の左の強打をもらわず3R動き止めず判定勝利。

▼第4試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R
○明戸仁志(K-1 GYM EBISU FREE HAWK)
[本戦判定判定1-0]※30-29、29-29、30-30
[延長判定2-1]※10-9×2、9-10
×剣闘士“俊”(K-1ジム総本部チームペガサス/GLADIATOR武士道キックライト級王者)

▼第3試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R
○鷹大(WSRフェアテックス西川口/WPMF日本フェザー級王者)
[判定3-0]※30-29×3
×和夢(Gwinds/第4回K-1チャレンジ Aクラス -60kg優勝)

▼第2試合 Krushヘビー級 3分3R延長1R
○愛鷹 亮(力道場静岡/Bigbangヘビー級王者)
[2R 0分53秒 KO]
×俊雄(PAL-GYM/元SKKBスーパー・ヘビー級王者)

▼第1試合 -68.5kg契約 3分3R延長1R
○瑠久(K-1 GYM横浜infinity/第2回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -65kg優勝)
[2R 2分38秒 KO]
×迅也(北斗会館浅科道場)

▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R
○斉藤雄太(K-1 GYM EBISU FREE HAWK)
[判定3-0]※30-26×2、30-27
×高下由暉(Fighting Kairos)

▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushライト級 3分3R
○谷中蒼空(ドージョー☆シャカリキ/JAPAN CUP2017優勝)
[判定2-0]※28-27×2、27-27
×鈴木孝司(K-1ジム蒲田チームキングス/第17回K-1アマチュア チャレンジAクラス -65kg優勝)

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