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【UFC】ウスマンがドス・アンジョスに圧勝。「TUF28」決勝戦はヘビー級でエスピーノ、女子フェザー級でチアソンが優勝

UFC(Ultimate Fighting Championship)は日本時間2018年12月1日(土)に米国ネバダ州ラスベガスのパール・シアターにて"ジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン28フィナーレ"を開催した。(photos by Chris Unger/Zuffa LLC/UFC)

メインイベントで対戦したウェルター級ランキング3位のハファエル・ドス・アンジョス(ブラジル 28勝10敗)と同5位カマル・ウスマン(カメルーン 13勝1敗)の一戦は序盤こそ両者がスピード感のある攻撃を組み立てたが、第3ラウンド以降は疲労の度合いが濃かったドス・アンジョスの動きが鈍り、速さを維持したウスマンが圧倒。ドス・アンジョスも打撃を食らいながら必死に耐え忍び、ギロチンチョークを狙う場面もあったが、形勢逆転のチャンスを得られず、マウントポジションをキープして有効打を稼いだウスマンがユナニマス判定で白星を挙げている。

また、メインカードでは『ヘビーヒッターズ』と題して放映されたTUFシーズン28の決勝戦として2試合が行われており、ヘビー級はフアン・エスピーノが優勝。

女子フェザー級はメイシー・チアソンが無敗を守って優勝、UFCとの契約を勝ち取った。

◆TUFシーズン28フィナーレ 試合結果&勝者コメント
現地時間2018年11月30日(金)、日本時間12月1日(土)
パール・シアター(アメリカ・ネバダ州ラスベガス)

【メインイベント】

▼ウェルター級マッチ 5分5ラウンド
×ハファエル・ドス・アンジョス
○カマル・ウスマン
判定0-3(45-49、47-48、43-50)

1R、左構えからオーソにスイッチし右ローはドスアンジョス。そこにダブルレッグで尻下でクラッチし、リフトからテイクダウンはウスマン。立ち突き放すドスアンジョスはサウスポーから左ミドルを打つが、ダブルレッグで金網まで詰めるウスマンは再びダブルレッグからサイドに回りテイクダウン。中腰からパウンドを放つとドスアンジョスは下から蹴り上げる。

2R、蹴りから距離を詰めていくウスマン。右で差すと金網背にドスアンジョスは右のヒザ蹴り。しかしウスマンは再びダブルレッグからシングルレッグで足首を掴んでプックアップしテイクダウン! ドスアンジョスはオープンガードで手首をつかむとウスマンはヒジを打ち下ろす。金網まで這うドスアンジョスは下から左腕をキムラに極めて後方に回すと、ウスマンも自らケージを蹴って前転。両者スタンドへ。

ここでもすぐに詰めるウスマン。ドスアンジョスに首相撲ヒザをさせずに頭つけるが縦ヒジには下がるウスマン。互いにハイキックも近づいて首相撲ヒザはウスマン。

3R、互いにオーソに。金網詰めての右ヒザ、右のボディ打ち連打はウスマン。金網背にドスアンジョスは左ミドルを打つがスペースが足りない。詰めるウスマンはボディロックからテイクダウン。ドスアンジョスの立ち際に左ヒザを連打する! 左ローはドスアンジョス。しかしダメージたまる前に詰めていくウスマンはみたびダブルレッグでテイクダウン。ハーフからまたもキムラを狙うドスアンジョスだがシングルレッグに切り替え立つとダブルレッグへ。そこに左足を頭越しにつかんで潰したウスマン。スタンドへ。ジャブ突くウスマンに左ストレートで前に出るドスアンジョスだが、そこにカウンターのボディロックで前進はウスマン。ホーン。

4R、ジャブから左ストレートはドスアンジョス。ウスマンの圧力に右回りでステップ。左ローを放つが、そこにウスマンは長いワンツーを刺し込みまたもラウンド前半でテイクダウン。ドスアンジョスの立ち際にバックに回ると、正対したドスアンジョスは背中を着く。ハーフから右で腰を抱え、左でパウンドするウスマン。ドスアンジョスの立ち際を再びバック奪い、小外で引き出しテイクダウン。起き上がり際のドスアンジョスの頭を抱え、頭抜いたところに鉄槌を入れる。

5R、常に圧力をかけ右フック、左ボディと対角線で打つウスマン。詰めるとボディロックからドスアンジョスも抵抗できず下になる。立ち際で互いにヒザ突き、長い手足でダブルレッグに行くウスマン。そこにドスアンジョスはギロチンに行くが両足を越えているウスマンは足をかけようとするドスアンジョスから回り頭抜くと鉄槌。背中ついたドスアンジョスは腰に足を当てるが、片足を越えたウスマンが細かいパウンド。最後は中腰から強いパウンドを打ち込み、試合終了のホーン。

判定は5R通じて圧力をかけ、ケージレスリングでドミネート。ドスアンジョスを立たせてもバックコントロールし、何度も寝かせてヒジ、パウンドも当てたウスマンが勝利。ドスアンジョスは2017年の3連勝から18年は2連敗に。ウスマンはMMA15連勝うちUFCで11連勝目を飾った。

◆勝者カマル・ウスマンのコメント

「ハファエルに感謝したい。彼は真のチャンピオンだし、タフな人だ。俺にはミッションがある。ウェルター級のベルトを目指しているし、今回の結果でそれに近づいた。もう話すのには疲れた。試合を求めてかなうこともあれば、かなわなかったこともある。今日は5ラウンド戦えることだけじゃなく、終始、圧倒できることも証明した。ベルトを取りに行くぜ」

【メインカード】

▼ヘビー級マッチ 5分3ラウンド
○フアン・エスピーノ
×ジャスティン・フレイジャー
1ラウンド(3分36秒)サブミッション(ストレートアームロック)

◆勝者フアン・エスピーノのコメント

「とてもうれしいし、興奮している。ここに来るまで長い道のりだった。もう少し動き回って試合の感触をつかみたかったけど、オクタゴンが小さくて、だからゲームプランに集中してそれが完璧にはまった。今年の初めに数試合しているし、その後はジ・アルティメット・ファイターの家に行っていたから、少し休んでゆっくりしたい。100%の状態でヘビー級に挑めるようにね」

▼女子フェザー級マッチ 5分3ラウンド
×パニー・キアンザド
○メイシー・チアソン
2ラウンド(2分11秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)

◆勝者メイシー・チアソンのコメント

「私は戦い始めてまだ4年だから、本当にすごいことだと思う。競争の激しさが気に入って趣味として戦い始めた。生物学の学位を取って卒業した時、夢を追ってプロとして戦うことに決めたわ。もしやらなかったら残りの人生ずっと後悔すると思ったから。最初は試合ができなくて、だからたった2勝しかしていなかったけど、TUFのトライアウトがあるって連絡があった時はうれしかった。最初は難しかったし、自分が他の子たちと一緒にいるのにふさわしくないと思っていたから何度か参ってしまったけど、自分を信じて勝ち続けた結果、今ここにいる。最高だわ。まだ実感がわかない」

▼バンタム級マッチ 5分3ラウンド
○ペドロ・ムニョス
×ブライアン・キャラウェイ
1ラウンド(2分39秒)TKO

◆勝者ペドロ・ムニョスのコメント

「相手が俺の放った最初のケリを食らったのが分かっていたから、攻め続けた。ちょっと早い制止だった気がするけど、向こうはあまり守っていなかったからね。レフェリーは常に自分でしっかりと守るように言ってくるけど、相手がそれをしていなかったから、だから止めたんだと思う。1週間か10日間くらい休みを取って、その後はトレーニングに戻る。2019年に向けた今の目標はチャンピオンになることだから、そこに向かってがんばっていく」

▼ミドル級マッチ 5分3ラウンド
×ダレン・スチュワート
○エドメン・シャバージアン
判定1-2(28-29、28-29、29-28)

◆勝者エドメン・シャバージアンのコメント

「自分が1ラウンドだけのファイターじゃないってことをみんなに示したくて、第1ラウンドは乗り切りたいと思っていた。それに、自分のグラップリングや試合展開がどうであれ危険な存在だってことを示したかったんだ。彼はとてもタフな相手だったし、最後のラウンドは自分の方が上回っていると思っていたから、とにかく終わらせるだけだった。オクタゴンにいられて最高だよ。最高の経験だった。タフな相手を打ち負かせてうれしい」

▼女子フライ級マッチ 5分3ラウンド
×キム・ジヨン
○アントニーナ・シェフチェンコ
判定0-3(27-30、27-30、27-30)

◆勝者アントニーナ・シェフチェンコのコメント

「ついにUFCで戦えて最高だったし、デビュー戦に向けて本当に必死で準備してきた。すべて順調だったし、トレーニングもハードだったけど良かった。姉のワレンチナも試合があったから一緒に準備してきたの。勝てて本当にうれしいし、このまま上り続けていきたい。彼女の計量失敗が大きかったと思う。1パウンドか2パウンドなら理解できるけど、5パウンドは減量できないと分かっていただろうし、トライしたくなかったんだと思う。また戦うのが楽しみだし、自分のスキルを改善したい」

【プレリム】

▼フェザー級マッチ 5分3ラウンド
×リック・グレン
○ケビン・アギラー
判定0-3(27-30、27-30、27-30)

◆勝者ケビン・アギラーのコメント

「ここにやってくるまで最高の旅路だった。UFCに入ることについては一度も不安に思ったことがない。いつも気になっていたのは次の試合だ。これまではどこで戦おうと関係なかったけど、今はこのスポーツがいまだかつて生み出したことのない最大の組織で戦っている。ここから良くなっていくだけだ。常に最高のケビン・アギラーを見せて、今回みたいな試合を披露できることを楽しみにしている。UFCのために汗をかき、血を流し、また試合をするのが待ち遠しい」

▼フライ級マッチ 5分3ラウンド
○ジョセフ・ベナビデス
×アレックス・ペレス
1ラウンド(4分19秒)TKO

◆勝者ジョセフ・ベナビデスのコメント

「最初にレフェリーが止めたと思って、自分が勝ったと思ったから喜んでいたんだけど、アレックスがまだ俺をつかんでいて、レフェリーがまだ続行だって言った。相手がダメージを受けているのは分かっていたし、ほぼフィニッシュしかけていたから、今度は仕留めるだけだった。アレックスは本当にタフなヤツで、今でも強力だと思っているだろうから、俺は寄せ付けずにしっかりとフィニッシュを決めないといけないと分かっていた。特に直前だったから、アレックスが名乗りを上げて今回の試合を受けてくれたことにとても感謝している。世界3位を前にして、こんな風に試合を受けてくれる人はそう多くない。彼のことはよく分かっている。フライ級でいろんな人をフィニッシュしてきているし、俺もいいと思う。今回の試合も途中、彼がフェイバリット(下馬評で有利の評価)だったことがあって、ありえないと思ったどけどね。ずっと、自分とタイトルの間には壁があるような気がしていたけど、DJが負けて、今のチャンピオンには勝ったことがあるから、その壁はもうない。だから、次の要求はそれだ。ベルトがほしい」

▼ヘビー級マッチ 5分3ラウンド
○モーリス・グリーン
×マイケル・バティスタ
1ラウンド(2分14秒)サブミッション(三角絞め)

◆勝者モーリス・グリーンのコメント

「コーチに聞いてもらえれば、トライアングル(三角絞め)がゲームプランになかったことが分かると思う。テイクダウンディフェンスに力を入れて、ケージから離れて打撃で勝負する、それがプランだった。相手の手を遠ざけようとしたんだけど、彼は確かにオリンピックレベルのレスラーだから、大変だった。グラウンドに入ったら、相手がどうしてくるかを見たかっただけだったのに、それほど打ってこなかったから、こっちがトライアングルを仕掛けた。これが4回目のトライアングルだ。みんな、俺のことはただのストライカーだと思っているだろうけど、なんでもできるのさ。それを証明できてうれしいよ。だらしない場面はどこにもなかったし、今日は自分らしくいけた。ものすごく満足している。最初の一歩としてこの結果を残せてうれしいし、毎回レベルを上げながらヘビー級を駆け上がっていくのが楽しみだ」

▼女子フェザー級マッチ 5分3ラウンド
×ユリア・ストリアレンコ
○リア・レットソン
判定1-2(28-29、28-29、29-28)

◆勝者リア・レットソンのコメント

「勝てて本当にうれしい! チョークは決まっていなくて、ただ彼女の腕に捕まってしまっていただけ。その状態で笑みも出ていたし、問題ないことは分かっていた。ようやくUFCに来られたことが大きい。私はこれをフルタイムの仕事としてやっているし、たくさんのことを犠牲にしているから、本当に大事なことだった。今年初めに配備があってトレーニングを休まないといけなくなったことは大変だったけど、戻ってきてUFCに出られたなんて本当に光栄よ」

【アーリープレリム】

▼ライト級マッチ 5分3ラウンド
○ルーズベルト・ロバーツ
×ダレル・ホーチャー
1ラウンド(4分50秒)サブミッション(ギロチンチョーク)

◆勝者ルーズベルト・ロバーツのコメント

「最高の気分だ。前回の試合はグラウンドばかりだったから、自分のパフォーマンスを改善したかったし、今回は打撃を見舞って俺のストライキング力を見せつけられたと思う。7勝でフィニッシュ7回、これが俺の実力だ。15分間を戦うつもりはなかったし、試合に臨んでやるべきことをやり、フィニッシュする。次が誰かはそのうち分かるだろう」

▼ウェルター級マッチ 5分3ラウンド
○ティム・ミーンズ
×リッキー・レイニー
1ラウンド(1分18秒)TKO

◆勝者ティム・ミーンズのコメント

「相手の試合を見るとかじゃなくて、自分の試合をやりたいようにやりきることが大事だった。俺の仕事は試合に出て、相手をぶっ倒すこと。それをやったまでさ。クリンチで捕まえてたたき潰してやりたかったんだ。何度か捕まったけど、俺のアゴが硬いことはみんな知っての通りさ。ひとつやられたらひとつやり返さないといけないとか言うつもりはないけど、2回やられたら30やり返した。だから、うまくいったんだと思う。試合が決まるまで9カ月も辛抱強くまったんだから、この後は俺もチームもできるだけすぐに試合が組まれるべきだ。1月か2月か、できるだけ早くやりたい」

▼バンタム級マッチ 5分3ラウンド
○ラオーニ・バルセロス
×クリス・グティエレス
2ラウンド(4分12秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)

◆勝者ラオーニ・バルセロスのコメント

「最高の状態で試合に臨めたし、これが自分のナチュラルな階級だ。この先はここで戦っていく。試合の序盤は相手の動きのせいでちょっとトラブったけど、最終的にはグラウンドで捕まえられたし、柔術を生かせた。UFCでは2勝、フィニッシュが2回だ。次の試合が待ち遠しい」

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