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【RIZIN】朝倉未来「俺とやったら面白いという試合を組んでもらいたい。高谷選手とか川尻選手とかでも俺は大丈夫です」、日沖発「ベストの動きができてやられたならしょうがないけど……ちょっと悔しさがあります」8.12『RIZIN.12』

8月12日(日)『RIZIN.12』(ドルフィンズアリーナ・愛知県体育館第)第7試合で、元UFCファイターの日沖発(ALIVE/stArt Japan MMA)と元THE OUTSIDER王者の朝倉未来(トライフォース赤坂)が対戦。1R 3分45秒、朝倉が左ハイキックでダウンを奪い、追撃のパウンドでTKO勝利した。

サウスポー構えから後ろ手の左でボディストレート、左ミドルなどを効かせ、ロープに詰めた朝倉。日沖は得意の四つ組みからのテイクダウンで投げたが上を取ることはできなかった。組むこと、組み付かせないこと──MMAの攻防のなかで、朝倉の「思い切りのいい打撃」は、徐々に相手を手詰まりにさせ、ペースを握ったことで生まれた。(写真=RIZIN FF/GONG KAKUTOGI Masaru Kawabata)

▼第7試合 RIZIN MMA特別ルール 66.0kg契約 5分3R
※ヒジ打ちあり
○朝倉未来(トライフォース赤坂)
[1R 3分45秒 TKO]※パウンド→レフェリーストップ
×日沖 発(ALIVE/stArt Japan MMA)

1R、日沖は右ヒザにサポーターをつけて臨む。試合の入りはともにオーソドックス構え。先に左のインローを前足に蹴る日沖。日沖の左ジャブの打ち終わりにすぐに朝倉は右フックを狙う。上体でかわす日沖。

スイッチして左ローを蹴った朝倉はそのままサウスポー構えにする。今度は右でインローを蹴る日沖。日沖の入りに朝倉の左ストレートがかすめる。続く右もかわす日沖。

左構えから後ろ手の左でボディストレートを当てる朝倉! さらに左ストレートを振るが、それを日沖は右外に回ってかわす。朝倉のワンツーに右の蹴りを合わせる日沖。朝倉は遠間から右フックもこれは日沖が見切る。

その打ち終わりに左手でヒザ裏を掴むと同時に右フックを狙う日沖。しかし、朝倉は左に体をかわし右フックを振りながら日沖を突き放す。

オーソから左ローは日沖。互いに前手をさわりながら朝倉は距離を測り左ミドルへ! 日沖の腹にヒット。入ってきた朝倉に日沖は左フックを返す。

強い右フックで至近距離となり右を差して組む朝倉。日沖は右をオーバーフックし四つに持ち込もうとするが、ここも朝倉は顔を突き放して離れる。

すると日沖はダブルレッグから、右を差して組み付きに、左で小手に巻いた朝倉は日沖の頭を右手で押し下げ回そうとするが、ここは日沖が正面に戻って組んで四つに。ついに背中ごしにクラッチを組む。

左手を内無双、スイッチを狙いながら押し返す朝倉。日沖はクラッチを解きヒザ蹴りを放つが、そこで朝倉はコーナーに押し込んでいく。

日沖も左で差して押し返すと、リングほぼ中央で四つのクラッチを組み、右に回して投げ! ここで体を残した朝倉によって日沖の投げは捨て身気味に。朝倉が上を取ることに成功する。

すぐに足を効かす日沖。クローズドガードから腰を切り上の朝倉の右手を内側に流して頭ごしに左手で掴んで三角絞め狙い。

さらに右手で朝倉の左足を下から手繰り寄せながら、両足で煽りながら右足で朝倉の左脇をすくい、スイープを狙う。左手をマットについて返されない朝倉が体を戻すと、下から腕を手繰り、頭をマットにつけスタースイープ的に足をかけるが朝倉は足を抜き体を離して立つ。

スタンド再開。大きな左フックで身体ごと飛び込む朝倉。かわす日沖はロープに詰まる。さらに朝倉は右フック。これもかわした日沖は左を返すが朝倉かわす。速い左インローは朝倉。じりじりとコーナーに詰め、右にステップを踏んで左ボディ打ちは朝倉! 右に抜けようとしたのか、日沖は右に頭が下がる。

しかし、ここはコーナーを抜けてワンツーで押し返す日沖。下がりながらも右を狙う朝倉。いきなりの右ストレートは日沖。バックステップでかわす朝倉がまたも詰めてくると、日沖は左の前蹴り。朝倉はオーソドックス構えになり左から右のワンツーで飛び込むと、下がる日沖にさらに左フックを振るが、日沖は右にダッキングでかわして回る。

再びサウスポーに戻す朝倉。オーソの日沖は一瞬朝倉が前に出した左手に反応したか、その左手をかいくぐりタックルに。しかし、そこに左手を残したまま左ハイを打った朝倉の蹴りカウンターでヒット! まともに首筋に受け後方に倒れた日沖だが、視線は朝倉を見ている。

両足の間に入っていく朝倉は左から右のパウンド2発! 日沖の頭が後方にバウンドし、すぐにレフェリーが間に入った。

 試合後、リング上でマイクを持った朝倉は、「たくさんの応援ありがとうございました。ほんとうに力になってます。今の格闘技界で強いやつとか、リスクのある試合とかをやらない奴が多いんですけど、対戦相手の日沖選手、今日、リスクしかないような僕と対戦してくれてほんとうにありがとうございました。でね、俺たち朝倉兄弟で日本の格闘技を盛り上げていっちゃおうかと思ってるので、9月さいたま、オファーください。待ってます」と連続参戦をアピールした。

◆朝倉未来「(日沖は)リスクある試合を受けてくれた。その分、僕が頑張っていきたい」

──試合を終えたいまの感想をお聞かせください。

「素直に嬉しいです」

──地元での戦いでファンの声援も聞こえていましたか。

「そうですね。聞こえましたね」

──弟の朝倉海選手と試合前に会話をしましたか。

「連絡は取り合ってないですけど、ミット打ちとかアップも一緒にやりましたし。入場も一緒にして、その時に肩を叩いてきて、言葉はなかったですけど。そういうことはありました」

──今日の試合、最初オーソドックスだったのをサスウポーに戻したのは?

「3週間前に右足を怪我して全治3週間の怪我だったんですけど、今日、(右で)蹴ることが出来なかったので、しっくりこなかったので左に戻しました」

──試合中、日沖選手の頭が右に倒れる場面が何度かありました。フィニッシュの左の蹴りはそれを見て狙っていたのでしょうか。

「ハイキックを蹴ろうと思って足を出した瞬間に(頭が)下がったんで、そのなかで軌道を変えました」

──大きな勝利だと思いますが冷静ですね。

「まあ……対戦相手(日沖)も地元出身なのでちょっと複雑な心境はありますね。それが自分だったらと思うと。素直に喜んでいられないなっていう思いもありますし。リスクある試合を受けてくれたので。その分、僕が頑張っていきたいですね」

──今後の展望は?

「僕らは誰とでもやるので。強いからやりたくないとかないので。誰とでもやります」

──具体的にやりたい選手も?

「とりあえず名前が売れるまでは無名の外人とやっても面白くないので。高谷(裕之)選手とか、俺とやったら面白いという試合を組んでもらいたいですね。日本人で。高谷選手とか川尻(達也)選手とかでも俺は大丈夫ですし、誰でもいいです」

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◆日沖発「(今後について)いまは何も考えていないです」

──試合を終えた率直な感想をお聞かせください。

「いや、もう、やられちゃいました」

──朝倉未来選手の印象は?

「思い切りのいい選手でした」

──最後のフィニッシュの場面、タックルを取りに行こうとしていたのでしょうか。

「覚えてないんです。さっきちらっと映像を見たんですけど、おそらくタックルに行こうとしていたかもしれないですね」

──右ヒザにサポーターが巻かれていました。怪我などがあったのでしょうか。

「いえ………そういうわけではないです」

──いつもだったら、日沖選手が上を取るようなところで朝倉選手が上を取っていました。ご自身の反応としてはいかがでしたか。

「どうですかね。ちょっと詳細を覚えていないんで……、ベストの動きができてやられたならしょうがないですけど……ちょっと悔しさがあります」

──キャリアを積んできた選手として、若い選手に敗戦したことをどう感じていますか?

「そういう世界なので。自分が弱かっただけです」

──今後については?

「ちょっと、いまは何も考えていないです」

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