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【RISE】那須川天心がイグナシオをKO「(キックと総合)両方やって両方チャンピオンになれるような生ぬるい競技じゃない。でも……」=11.23 RISE121 TDCホール大会

11月23日、東京TDCホールにて「RISE121」が開催された。

セミでは、RISEバンタム級(-55kg)のベルトを賭けた試合に臨む予定だった王者・那須川天心が、挑戦者・イグナシオ“El Misil”カプロンチの体重超過により、ノンタイトル戦でカプロンチと対戦した。

一回り大きなカプロンチが繰り出すバックスピンキックなどのテコンドー仕込みの蹴りをしっかりかわした那須川はヒザ蹴り、三日月蹴り、左ボディブローなど腹・レバーを狙い打ち。最初のダウンを2Rに奪うと、3Rには後ろ回し蹴り、胴まわし回転蹴りを入れながらボディブローで2度のダウン奪取。最後は左フックから左ヒザをボディに突き刺し、3度目のダウンを奪いKO勝ちした。

試合後、那須川は「イグナシオは体重オーバーしてしまいプロとしてどうかなと思ったんですが、それを思わせないくらい強い選手でした。またベストの状態の時に、次は僕がアルゼンチンまで行って戦ってもいいと思っています」と何度もダウンから立ち上って来たカプロンチを評価、海外進出の夢も語った。

さらに「今日のメインはDoAの決勝で階級(-57kg)は異なりますが、優勝者は僕とやりましょう」と新たなテーマを掲げると、RIZINについても「年末もインパクトのある試合をします」と1カ月後の連戦へ出撃を宣言した。

また、RISEスーパーフェザー級(-60kg)タイトルマッチでは、野辺広大が王座陥落。チャンヒョン・リーが第5代王者になっている。

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▼第10試合 セミファイナル ノンタイトル戦 3分5R(延長1R)
○那須川天心(TARGET/RISEバンタム級(-55kg)王者、ISKAオリエンタル世界同級王者)
[3R 1分15秒 KO]※3ダウン
×イグナシオ・カプロンチ(アルゼンチン/ドージョー・セルピエンテ/WKN世界57kg級王者、WKC世界60kg級王者)

※イグナシオが前日計量で85gオーバー。最終計量の試合当日も800gオーバーだったため、王座戦が成立せず試合はノンタイトル戦に。イグナシオは減点1。2オンスグローブハンデが課せられた。(那須川は6オンス、カプロンチが8オンスのグローブを使用)

◆那須川天心(※リング上)
「DoA優勝者は僕とやりましょう」

「勝ってホッとしています。イグナシオは体重オーバーしてしまいプロとしてどうかなと思ったんですが、それを思わせないくらい強い選手でした。本当のファイターだなと思いました。

またベストの状態の時に、次は僕がアルゼンチンまで行って戦ってもいいと思っています。今回はタイトルマッチじゃなくなっちゃったんですけど、僕は16歳の時にこのベルトを初めて獲って、3年が経ちます。ほかにもたくさんベルトがありますが、僕はこのベルト一本だけでいいと思っています。世界最高の選手がRISEにいることを勝ち続けて証明したいと思っています。

あと、今日のメインはDoAの決勝で階級は57kgで上ですけど、優勝者は僕とやりましょう。また、年末にも試合をすると思いますので、インパクトのある素晴らしい試合をします。また応援をよろしくお願いします」

◆那須川天心(※バックステージ)
「年末がどうなるかは分からない。勢いでやっているので」


「RISEのタイトルマッチではなくなったのは残念ですが、相当、気合いは入っていました。そういう相手は倒さないといけないと思っていました。

(注意していたのは)相手の攻撃の1発1発が重いのと、蹴り技が厄介だったので研究してきました。いつも“倒す、倒す、倒す”と(頭が)なってしまうので、今回は冷静にいろいろな技を出して、その上で倒そうと考えていました。相手のパンチは見切っていたけれど、どういう蹴りかは分からなかったので、蹴り1発で終わってしまうこともあるので、相手の技の引き出しを全部見てから倒そうと思っていました。相手が回転技が多いので、こっちも出してやろうと思い、空手の時から作っている胴まわし回転蹴りを出しました。

セコンドの声もいつもよりよく聞こえていましたね。冷静に戦うのはいいことだし、最初から倒しに行くのもいいことなので、両方を融合させたい。強い相手をKO出来て良かったです。これからも格闘技を盛り上げ、RISEのベルトの価値を高めていきたいです。

(相手の体重超過に怒りは?)まあ、計量のときにちょっとありましたけど、そういう感情を試合に持ち込むといいことはないので。ただ、最初に身体を見たときに、コイツ、デカいなと。もっと体重を落とせよ、と思いました(苦笑)。今までやってきた相手の中で1、2番目にデカかったですね。

ただ、試合自体は僕のフェイントに相手が引っかかっていたので、僕のペースで進んでいました。相手が身体がデカいからこそ、落ち着いて戦わないといけないなと思っていました。

あのボディ(攻め)は減量苦で倒したボディじゃないですね。本当に効かせて倒しました。ボディを攻める練習はかなりやってきたので、ボディを効かせたら、もう相手の心が折れているのが分かったので、いろいろな技を出しました。でもボディで倒れるのは良くないです。僕がボディで倒れたら、もうその時は引退する時です。ボディはまだ意識があるじゃないですか。

(アルゼンチンに乗り込んで再戦してもいいと言ったが)いろいろな所に行ってみたいなと思って。この試合を観て、またやりたいという選手も出てくるだろうし、世界で試合がしたいです。

(内藤大樹に指名されたら?)もうぜひ。僕はいつでも。(試合は見た?)あまり見れてないですけど、『DEAD OR ALIVE』的な戦いではなかったですね。もっと面白い試合をして欲しいなと思いますが。

(年末の試合のルールは?)僕はキックを広めたいので。総合(格闘技)には総合でいいところがあるけれど、両方やって両方チャンピオンになれるような生ぬるい競技じゃないんで。総合やるなら、総合の練習をずっとやっていかないとダメだと思うんで。

まだ、どんなルールになるか分かりませんが、僕はキックボクシングルールでやりたいなと思います。(12月29日と31日の2大会があるが?)そうですね……2連戦はもう絶対にやりたくないと思ってました(苦笑)。でもどうなるかは分からないですね。僕はいろいろ考えてやっているのではなく、勢いでやっているので。

(LINEのスタンプが広まったのは?)すごく嬉しいですね。けど、友達に使われると腹が立ちますね(笑)。『今日、遊ぶ? 何してんの?』って聞いたときに『肘』とか返されるとイラッと(笑)。まあ、嬉しいことでもあります」

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▼第9試合 RISEスーパーフェザー級(-60kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R
○チャンヒョン・リー(韓国/RAON/挑戦者・同級1位)
[判定3-0]※49-47、49-45×2
×野辺広大(RISE ON/INSPIRIT/RISEスーパーフェザー級王者)
※チャンヒョンが第5代王者に。野辺は初防衛失敗。


3月の再戦。前回はノンタイトルでチャンヒョン・リーが2R KO勝ちを収めている。

1R、ステップを多用し、オーソ構えから左ジャブ、左ミドルもジャブがわりに放つ野辺。コーナー詰めるチャンヒョンは右フックをテンプル後方に回り込むような角度で打ち込みダウンを奪う。

2Rも同じ右フックでダウン奪うチャンヒョン。野辺の打ち返しにも右クロスはテンプルに当てると野辺はこの回、2度目のダウン。野辺はチャンヒョンの猛攻を足を使って凌ぐ。

3R、減量にも苦しんだチャンヒョンはスタミナ厳しいか手数が減ってきた。動きが落ちない野辺はステップと蹴りで反撃。左右ミドル、4Rに三日月蹴りを腹に効かすと、5Rには野辺が左右ボディラッシュするもダウンさせるには至らず。計3度のダウンを奪ったチャンヒョンが、判定3-0で新王者となった。野辺は初防衛に失敗した。

先輩のイ・ソンヒョンとRAONジムで共同で代表を務め、ともに練習してきたというチャンヒョンは、「RISEのチャンピオンになるのが夢でした。もっとアグレッシブな試合で勝ちたかったのですが、広大が強かったです。これからRISEのチャンピオンとしてもっと強いところを見せたいので、すぐに明日から練習を始めます」と謙虚に語った。


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