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【UFC】ヌルマゴメドフがマクレガーを撃破、ライト級王座防衛に成功も試合後に乱闘の混乱=10.6「UFC 229」勝者コメント


UFC(Ultimate Fighting Championship)は日本時間2018年10月7日(日)にアメリカ・ネバダ州ラスベガスにあるT-Mobileアリーナにて「UFC 229」を開催した。(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC)

メインイベントとして行われたハビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア 26勝0敗)とコナー・マクレガー(アイルランド 21勝3敗)のUFC世界ライト級タイトルマッチは、王者ヌルマゴメドフが4Rにリアネイキドチョークで挑戦者マクレガーからタップを引き出し、初防衛に成功した。

しかし、試合前のトラッシュトーク、試合中のやりとりのなかでもグローブを掴んだ等の小競り合いがあったためか、試合後も両陣営の興奮は収まらず。ヌルマゴメドフがケージを乗り越え、観客席に飛び込み乱闘騒ぎに。さらにマクレガーも金網に上るも制され、そこに殴りかかった者もいたため、ネバダ州アスレチックコミッションが事件について調査中で、ヌルマゴメドフのファイトマネーの支払いは保留されている。

試合後の乱闘でヌルマゴメドフ陣営から逮捕者が出ている模様で、イスラム・マカチェフ(UFC5勝1敗)とズベイラ・ツフゴフ(UFC3勝1敗)がその中に含まれていた(マクレガーは告訴せず釈放)とのニュースも出ている。

試合後の乱闘のさなかにケージに入り、AKAの同門のヌルマゴメドフをなだめたダニエル・コーミエーは、SNSで「試合のプロモーションといっても触れてはいけない部分がある。宗教や家族、祖国」と、行き過ぎたトラッシュトークに苦言を呈するコメントを現二階級王者として発している。

ファイトスポーツの価値を貶めることとなった今回の乱闘は、刑事裁判になった4月のマクレガーのバス襲撃や、その因縁までもあおりに使ってきた主催者やメディアによって生み出されたものでもある。選手の感情を追い込むことで、刺激的な言葉や行動を引き出すことはどこまで必要なのか。本誌も伝え手として心に留めておきたい。

なお、今大会は、WOWOWウェブサイトでメインカードが生中継されており、YouTubeでライブ配信された『UFCってなんだ? 話題のUFC 229を裏実況』はUFC Japan公式YouTubeチャンネルにて視聴が可能だ。通常の『UFCってなんだ?』は毎週木曜日に配信が予定されている。

次回、UFCはカナダ・ニューブランズウィック州モンクトンにあるモンクトン・イベント・センターにてUFCファイトナイト・モンクトンを開催する。メインイベントではヴォルカン・オーズデミアとアンソニー・スミスが激突するライトヘビー級マッチが行われる予定。

◆UFC 229 試合結果&主な勝者コメント
現地時間2018年10月6日(土)、日本時間7日(日)
T-Mobileアリーナ(アメリカ・ネバダ州ラスベガス)

【メインイベント】

▼ライト級タイトルマッチ 5分5ラウンド
○ハビブ・ヌルマゴメドフ vs.
×コナー・マクレガー
4ラウンド(3分03秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
※ヌルマゴメドフが初防衛に成功

【試合展開】

メインのマクレガーのためにオクタゴンにスモークをたいたUFC。先に挑戦者マクレガーが登場。続いてロシアのヌルマゴメドフの入場にラスベガスの観衆がブーイング。両手を広げてコールを受けたマクレガー。対する王者は落ち着いた表情。

1R、サウスポーのマクレガーにオーソのヌルマゴメドフ。グローブタッチ無し。詰めるマクレガーは左ストレートから。右足に低いシングルレッグはヌルマゴメドフ。切りかけたマクレガーだが片足立ちになるとヌルマゴメドフは、右足をひきつけ尻をつかせると、左足も手繰り金網まで詰めてテイクダウン。右足を両足で挟み、さらに両足を足で束ねる。上半身は金網で立てたマクレガー。再び両足で束ねると腰を殺して立とうとするマクレガーのスタミナを削っていく。

両足を束ねて手前に引き上半身を寝かせるヌルマゴメドフ。バタフライガードのマクレガーは背中もつきハーフに。細かいパウンドはマクレガーも防ぐがスタミナを削られる。ブザー終了間際にヌルマゴメドフはスペースを開けてパウンドを放つ。マクレガー下のままブザー。

2R、中央を取り手を低く構えるマクレガー。ヌルマゴメドフは右のオーバーハンドフックを当て、腰を落としてダウンしたマクレガーはすぐに立ってヒザ蹴りを狙うが、ヌルマゴメドフは金網に詰めてシングルレッグ! ハイクラッチでリフトしテイクダウンから脇差しパス。マクレガーも両足戻すがクローズドで背中つける。インサイドからパウンド・鉄槌、ヒジ放つヌルマゴメドフ! 中腰になり、足を解いて頭抱えるマクレガーにパウンドラッシュ! レフェリーが止めないなか、打ち疲れたかヌルマゴメドフはサイドからキムラ狙いに。腕を抜いたマクレガーはシングルレッグへ。ヌルマゴメドフのがぶりを外し、立ったところでピンチとなった2Rが終了。

3R、先に右ジャブを突くマクレガーだが足の動きが鈍い。右ロー返すヌルマゴメドフはダブルレッグも切るマクレガー。しかしヌルマゴメドフの圧力に金網に詰まりシングルレッグに入られる。差し上げるマクレガー。ジャブ左ハイはマクレガー。しかしヌルマゴメドフも右を返し、スタンドに付き合う。左をかわして組み付くヌルマゴメドフ。切るマクレガーに再び組み付き押し込むが、外側のヒジを持つマクレガーは金網背に休む。ホーン。

4R、ワンツーはマクレガー。さらに左の前蹴りもヌルマゴメドフは距離外す。右を見せてから得意のシングルレッグで金網までドライブし、ボディロック。横につき小外でテイクダウン! 尻をつかせるとバックからマウントはヌルマゴメドフ。エビ打つマクレガーにヌルマゴメドフはバックマウントからリアネイキドチョーク。顎上から掌と掌を合わせたパームトゥパームで絞めるとマクレガーはタップした。

試合後、ヌルマゴメドフはマクレガー陣営に激高。ケージを乗り越え観客席で乱闘となり、オクタゴン上でもセコンド勢も入り乱れた前代未聞の混乱に。ヌルマゴメドフとAKAで同門のダニエル・コーミエーもケージインし、ヌルマゴメドフをなだめるが、ヌルマゴメドフは戴冠式を要望。しかし、ダナ・ホワイト代表は、この状況ではベルトを渡すことはできない、と伝え、ヌルマゴメドフはブルース・バッファーの勝利コールの前にオクタゴンを後にした。

2016年11月のエディ・アルバレス戦の勝利以来約2年ぶりMMA復帰戦となったマクレガーだが、ブランクは隠せず4R一本負け。ロシア人初のUFC王者ヌルゴマメドフは、MMA27勝無敗とした。

【セミメインイベント】

▼ライト級マッチ 5分3ラウンド
○トニー・ファーガソン vs.
×アンソニー・ペティス
2ラウンド(5分00秒)TKO(ドクターストップ)

※右でダウン奪うぺティスだがファーガソンの猛攻に金網に釘付け。拳を痛め3Rに向かえず。

【試合展開】

1R、ともにオーソから。ペティスの右ローに右を狙うファーガソン。左の距離をバックステップでかわすぺティス。左構えも見せるファーガソン。ぺティスは右を当てる。詰めるファーガソンが懐深くぺティスの左右をかわすと右から左のダブル。ぺティスの右にファーガソンも右アッパー、左ジャブでアゴを上げさせる。追うファーガソンは金網を蹴って詰めて右を打ち込む。ファーガソンは圧力かけ続ける。

2R、ファーガソンのローの打ち終わりに右を合わせたぺティス! ヒザをマットに着き背中見せるファーガソンはガードの中に入れ、草刈りから立つ。ともに出血もドクターチェックはペティス。右額から出血も再開。後ろ廻し蹴りはぺティス。かわすファーガソンは埋めて左右ボディ、さらに右ヒジ! 右ボディ。右ヒジ! 金網背にするぺティスも左右を返す。左ボディ、右ストレートを対角線に打つファーガソン。追い詰められたぺティスは捨て身気味のカポエイラキックも下になりパウンド受ける。

2R終了後、右拳を痛めたペティスは3Rに向かえず。ダウンのピンチからきっちりペースを取り戻して勝利したファーガソンは、試合後「メインイベントの勝者、俺がメチャクチャにしてやるから待ってろよ! もう無駄な時間を過ごしたくない」

◆勝者トニー・ファーガソン「俺がチャンピオンだ」

「面白かった! この瞬間を誰にも奪われたくない。俺がチャンピオンだ。マクレガーとやりたい。もし今日、ハビブがヤツをフィニッシュできなければ、俺がやってやる。戻って来られてうれしい。最高の1日にしてくれたファンに感謝だ!」

【メインカード】

▼ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド
×オヴィンス・サン・プルー vs.
○ドミニク・レイエス
判定0-3(27-30、27-30、27-30)

【試合展開】

1R、ともにサウスポー。左の蹴りを積極的に打ち込むレイエス。バランス崩したOSPはオーソに変える。左フックはOSP。組んだOSPを突き放すと、OSPは小手に巻いての内股。残したレイエスにダブルレッグもレイエスは頭にヒジを打ち下ろす。クラッチ組みテイクダウンするOSPだが立つレイエスは左の強打! 両手を伸ばして嫌うOSPにレイエスはさらに速い左を拳を返して伸ばす。

2R、後ろ手の左を警戒しオーソのOSP。レイエスはインロー。OSPのダブルレッグ狙いに右で縦ヒジも合わせる。押し込むOSPに体を入れ変えたレイエスが離れる。右から左ミドルはレイエス! OSPの左ローに左STを合わせる。走る左ローはレイエス。OSPのダブルレッグは2度切る。左ミドルヒットさせるレイエスだが深追いはせず。

3R、左ハイから入るレイエス。さらに左STからインロー! レイエスの左の蹴りをブロックするOSP。詰めるOSPに下がりながら左を当てるレイエス。さらにワンツー。レイエスの蹴り足を掴み金網に押し込み左で差すOSPだが、差し返して体を入れ替えるレイエスは、OSPの詰めを金網背にかわしてサークリング。終了間際、OSPの左から右の打ち終わりを左に回りかわすと、すぐさま左ストレート! OSPが後方にダウンと同時にホーンが鳴った。

試合後、10連勝のレイエスは「KOだと思うけど、みんなはどう思う? タイトルマッチをやらせてほしい」

◆勝者ドミニク・レイエス「OSPはこれまでで一番タフな相手だった」

「ノックアウトした感触はあったんだけど、まあでも、勝てたことには満足だ。試合に臨んで、今日は戦闘ができた。今までの自分のキャリアで対戦した中で、一番タフな相手だった。ペースをプッシュしてきたし、お互いに打ち合っていたからね。自分にとってはものすごい相手だったけど、結局は自分がとにかく良かったってことだ。この階級はほとんどがベテランで、あまり若いやつがいないから、盛り上げられるヤツになれて本当にうれしいし、ランキングを駆け上がっていきたい。家に帰って、チームと話して、UFCとも話して、次にどうするかを決めるつもりだ。このポジションにいられることをとても名誉に思うし、トップまで上り続けてやる」

▼ヘビー級マッチ 5分3ラウンド
○デリック・ルイス vs.
×アレクサンドル・ボルコフ
3ラウンド(4分49秒)KO

【試合展開】

1R、ともにオーソ。左インローはルイス。ヴォルコフも同じインローを返す。左ジャブ、左の三日月蹴りに後退するルイス。さらにアッパーを浴び、目に入ったとチェックを要求する。小外でテイクダウン奪うヴォルコフ。サイドからヒジ。亀からシングルレッグ狙うルイスだが、バックマウントはヴォルコフ。しかしルイスは腕手繰り正対し、中腰からパウンド狙い、ヴォルコフは足を伸ばしてパウンドを突き放す。

2R、長いワンツーから右を上から打ち込むヴォルコフ。くの字になるルイスだが近距離から反撃。左ボディストレートを腹に突くヴォルコフ。さらに左前蹴りを腹に。下がるルイスに左ハイも打つ。ブロックするルイスは右フックから左の飛び込み。かわすヴォルコフは左インロー2発。さらに左ハイをガード上に当てる。

3R、左インローでじりじり前に出るヴォルコフ。ルイスは足払い狙うがルイスはバックステップ。ヴォルコフは右アッパーから左右連打するが、ガード固めるルイスは反撃の機をうかがう。前足に左右の蹴りはヴォルコフ。さらに左ジャブ。左ミドルを連打する。右クロス狙うルイス。避けるヴォルコフは右ロー。ルイスは右ストレートもヴォルコフはスウェイでかわすが残像が残る。

残り20秒、ルイスは左ジャブを胸に当て、右ストレートを顎に打ち込み、ヴォルコフは後方にダウン! さらにルイスは中腰からパウンド当て、ヴォルコフを失神させ、残り11秒でKO勝ち。胸をドラミングして勝利の雄たけびをあげた。

◆勝者デリック・ルイス「全力を注いで戦ったのが最後に効いた」

「第3ラウンドに入るときにスコアカードで劣勢なのは分かっていて、とにかくやってみて何かをつかめるよう神に祈るしかなかった。コーチが本当に俺を助けてくれて、試合を通じて集中力を保たせてくれた。彼はすごくタフなヤツで、倒すのは厳しいと思っていたけれど、全力を注いで戦ったのが最後に効いたな」

▼女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド
○ミシェル・ウォーターソン vs.
×フェリス・ヘリッグ
判定3-0(29-28、30-27、30-26)

【試合展開】

1R、ともにオーソ。ウォーターソンは前足の蹴り、さらに左構えにスイッチし右前蹴り、サイドキックを当てる。詰めるヘリッグは右の蹴り、ストレート。回るウォーターソンをワンツー当てて詰め両脇を差し上げる。

2R、左で脇差すヘリッグ。離れ際に右ヒジ振るウォーターソンだが、金網に詰まる。体を入れ替え、離れ際にヒジを狙い、下がりながら左上段の蹴りはウォーターソン。さらに脇を差し上げて投げてテイクダウン。ハーフのヘリッグはフルガードに戻して三角絞めを狙うが腕差し入れるウォーターソンは担いでパス。

3R、ウォーターソンの蹴りに構わず詰めるヘリッグ。ニータップ気味にテイクダウン狙うが、それを切り返したヘリッグが上に。ウォーターソンは下からヒジ打ち、ラバーガード狙うがヘリッグは腕を抜く。スタンド再開。シングルレッグに入るウォーターソンを差し上げるヘリッグ。四つから互いにヒザ突き、ウォーターソンは離れ際にヒジ狙う。

試合後、オクタゴンのなかでウォーターソンは「ヘリッグと私はともに10年この業界にいる。ベルトに挑戦したい。母親としてUFC王者になりたい」と王座挑戦をアピールした。

◆勝者ミシェル・ウォーターソン「82kgある夫が私を振り落とすことができないならフェリスにもできないって分かっていた」

「今夜の自分のパフォーマンスにはとても満足。ものすごく熱心に取り組んできたし、ここで確実にパフォーマンスを発揮したかった。自分は見過ごされていると感じているの。私のサイズのせいかもしれないし、ニックネームのせいかもしれない。分からなけれど、私の目標はタイトル戦で、自分を証明してそこへ近づけるためにここへ来た。自分のグラップリングを誇っているし、180ポンド(約82kg)ある私の夫がこのトレーニングキャンプでのメインパートナーだったから、彼が私を振り落とすことができないならフェリスにもできないって分かっていた。次の相手は誰でもいいわ。だからUFC次第だけれど、自分よりランクが上の相手と戦いたいわね。タイトルに近づけるものなら何でも歓迎よ」

【プレリム】

▼フライ級マッチ 5分3ラウンド
×セルジオ・ペティス vs.
○ジュシー・フォルミーガ
判定0-3(26-30、28-29、28-29)

※3R、フォルミーガのシングルレッグに背中を見せたぺティス。フォルミーガは背中に跳びつきRNC狙う。

【試合展開】

1R、サウスポーに構えたぺティスは左インロー。オーソに変えるとフォルミーガがワンツーで飛び込む。オーソからの右の蹴りを掴んでシングッレッグTDするフォルミーガだが、ペティスは立つ。今度はダブルレッグでテイクダウンしたフォルミーガ。ペティスはガードから足を効かす。

2R、左構えのぺティスはオーソにスイッチ。フォルミーガはダブルレッグで腰に組み付くが切るペティス。フォルミーガはシングレレッグから横につきボディロックTD。背中つくペティスはフォルミーガを跳ね上げて立つ。

3R、フォルミーガのシングルレッグに背中を見せたぺティスを追いかけスタンドバックを奪うフォルミーガ。4の字ロックで背後からパウンド、RNC狙う。金網背に負ぶさるフォルミーガを背負ったままぺティスは中央まで歩き、諦めの表情。判定3-0でフォルミーガが勝利。フォルミーガは佐々木憂流迦、ベン。ヌグエン、セルジオ・ぺティスを相手にUFC3連勝。

◆勝者ジュシー・フォルミーガ「ナンバー2を倒したんだから、セフードとのタイトル戦を隔てるものは何もなくなった」

「勝ててうれしいけれど、やっぱり少しフラストレーションは感じている。最初のラウンドでは彼のことを把握するのに時間を使い、その後は俺のセコンドからコントロールを握るために必要なアドバイスが出始めた。テイクダウンを奪い始めてからは、第2ラウンドと第3ラウンドで勝利するために必要なものが自分にはあるのが分かっていた。第3ラウンドではかなり支配的な位置にいて、フィニッシュできなかったのが少しフラストレーションだけど、それも試合の一部。そういうところに取り組んで、勝利への道を見つけなければ。ヘンリー・セフードとのタイトル戦と俺を隔てるものは何もなくなった。たった今、ナンバー2を倒したんだから。後はチャンピオンだけさ。次はタイトルを懸けて戦いたい」

▼ウェルター級マッチ 5分3ラウンド
○ビセンテ・ルーケ vs.
×ジェイリン・ターナー
1ラウンド(3分52秒)KO

※ターナーのバックヒジをかわし振り向いたところに右フックでダウン奪い、ガードの中からターナーの頭を引き付けパウンド。ルケはUFC3連勝。

◆勝者ビセンテ・ルーケ「次は名前の横に(ランキングの)数字がついているヤツと戦いたい」

「最高の気分さ! 俺は何よりもUFC 229でバトルしたかった。それがこんな試合を2週間前に受けた理由だ。(ターナーが)コンテンダーシリーズで戦うのは見ていたし、彼がタフな相手なのは分かっていた。彼はライト級の選手だけど、打撃は重かったし、ちょっと押された。でも、俺には自分がベストだって感覚があって、自分にはやれると分かっていた。ランキングがどうとかは気にしない。俺は自分がトップ15に値すると感じているし、次は名前の横に(ランキングの)数字がついているヤツと戦いたい。俺は大事なところでやってのけた。俺は勝敗を問わず、全てをさらけ出して戦うタイプのファイターだ。自分が言った通りの人間であることを証明するためにここにいる。すぐにベルトを懸けて戦うことになると信じている」

▼女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド
○アスペン・ラッド vs.
×トーニャ・エヴァンジャー
1ラウンド(3分26秒)TKO

※亀のエヴィンガーをサイドからリストコントロールしパウンド、最後はバックマウントからパウンド。23歳ラッドはMMA7戦無敗に。

◆勝者アスペン・ラッド「コヘイヤかジンガノが次のステップとしてベスト」

「全てがプラン通りだったと思うわ。すごく落ち着いた気分だった。彼女との足の合わせも快適だったし、グラウンドになったときには私がコントロールして望んでいた通りのフィニッシュを決めた。ヤナ(クニツカヤ)が私とのバトルに興味があるのは分かっているし、UFCもそれを望むなら構わないけれど、私としてはもっとランキングの高い相手とやりたいわね。ベチ・コヘイヤかキャット・ジンガノが、次のステップとしてはベストじゃないかしら」

▼ライト級マッチ 5分3ラウンド
○スコット・ホルツマン vs.
×アラン・パトリック
3ラウンド(3分42秒)KO

※サウスポーのパトリッキ。オーソのホルツマンは3Rにパトリッキの左STの打ち終わりに右STでダウン奪い、マウントで顔面から滑らせるヒジでダメージ与え、強いヒジ連打でKO。UFC3連勝。

◆勝者スコット・ホルツマン「次はトップ15の相手を。何より家に帰ってベビーにキスしよう!」

「ここ何週間かは本当にハードだった。家では赤ん坊が生まれたのに、俺はこの戦いのために、妻と子どもをおいてトレーニングキャンプに行かなければならなかったんだ。いろいろな感情がうずまいているけれど、今この瞬間、俺は世界の頂点にいる。今回みたいなファイトカードを組まれるとプレッシャーが高まるものだけど、家族をおいてきた時点で既に俺の肩には大きなプレッシャーがかかっていた。次はトップ15の相手と戦いたい。この階級で自分の位置を固めてきたし、次のステップに進みたいのさ。だけど何よりもまずは、家に帰ってベビーにキスしよう!」

【アーリープレリム】

▼女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド
×リナ・ランズバーグ vs.
○ヤナ・クニツカヤ
判定3-0(27-30、27-30、27-30)

※クニツカヤは右で小手に巻いての内股等の投げでテイクダウン。

◆勝者ヤナ・クニツカヤ「私のターゲットはアスペン・ラッド」

「自分のパフォーマンスには満足していないけれど、もちろん、優勢で勝てたのはうれしい。私のこれまでのUFCキャリアの中で最大の問題だったのがメンタルで、これからもっと戦っていく中で自信を高めていくわ。試合でフィニッシュを決めたいの。それが私の一番の目標。今日のパフォーマンスを見て、UFCがすぐに次の試合をお膳立てしてくれることを願っているわ。これから2、3カ月でまた試合がしたい。私のターゲットはアスペン・ラッド対トーニャ・エヴァンジャーの勝者と対戦することだから、今日は彼女たちのバトルをしっかり見るつもり。2人ともタフだと思うし、どちらかとショーを見せられたら素敵ね」

▼ライト級マッチ 5分3ラウンド
×グレイ・メイナード vs.
○ニック・レンツ
2ラウンド(1分19秒)TKO

※1R、右フック当て、首相撲ヒザ打つレンツは、メイナード立ち際に左当てハーフから強いパウンド当てる。2R、サウスポーから右当てるレンツはオーソに戻しワンツーで前に出ると右STに続けて右ハイキック!

◆勝者ニック・レンツ「誰かをKOするよう特に要請されていた」

「信じられない気分だね。何が原因かは分からないけれど、俺の中で何かが変わった。2人目の子どもが生まれた後、自分が変化したのを感じた。前の俺とは人間としてもファイターとしても違うし、今夜はみんながそれに気づいてくれたことを願っている。俺はこのファイトカードで誰かをノックアウトするよう特に要請されていた。彼らはグレイ・メイナードを相手にそのタスクを完了するという真のチャレンジを俺に与えた。そのことを喜んでいるよ。グレイはUFCで戦ってきた中でも最もタフな相手の一人で、彼を倒したという事実はどのファイターに対しても物を言う。俺は長いことUFCにいたし、25歳だったニックから大きく変わった。俺には自信がなく、スキルもなかった。十分に優れていなかった。長い連勝を記録して、負けた。そういうことを通じて、ただ勝てばいいってわけじゃないことが分かった。ショーを見せるのが大事なんだ。ファンを楽しませることさ。今、そういう勝利ができて、俺は自信を持って自分が世界でベストだと言える。次の敵が誰であろうとね」

▼ウェルター級マッチ 5分3ラウンド
×ライアン・ラフレア vs.
○トニー・マーティン
3ラウンド(1分00秒)TKO

※2R、ラフレアーの左ローにマーチンはカウンターの右STでダウン奪い、ダースにとらえる。3R、マーチンは右を伸ばしながら右ハイキックでダウン奪い、鉄槌TKO

◆勝者トニー・マーティン「みんなは俺をグラップラーだと思っているけれど、俺の右手は黙っちゃいない」

「聞かれれば華麗なるパフォーマンスだったと言うよ。ライアン・ラフレアはタフな相手だし、ウェルター級の中では強敵の1人だ。サイズ的にもそうだし、彼と今回の俺みたいな戦いをしたことがあるやつはいない。グラウンドゲームは自分がコントロールできたし、打ち合いもそう。この試合に挑むにあたってムエタイを必死にがんばってきた。みんなは俺のことをグラップラーだと思っていて、俺がこれまでの試合でキックを放つことはあまりなかったけれど、俺はストライキングだって強烈だし、今日はそれを示すことができてうれしい。ウェルター級でパーフェクトな形でキャリアをスタートできたし、この勢いを続けたい。ドナルド・セラーニ対マイク・ペリーの勝者と戦いたいね。2人ともスタンド・アンド・トレードが好みだし、それが俺にとって面白い。もう言ったように、みんなは俺をグラップラーだと思っているけれど、俺の右手は黙っちゃいない。俺は29歳で、今がこの階級のトップを目指すときだ」

詳細情報はUFC公式にて

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