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【RIZIN】朝倉未来「僕が勝たないといけない」vs 日沖発「20年間MMAをやってきたところをぶつけたい」=8月12日(日)『RIZIN.12』

 8月12日(日)『RIZIN.12』(ドルフィンズアリーナ・愛知県体育館)第7試合で、地元・愛知のフェザー級2選手が対戦する。名古屋出身の日沖発(ALIVE/stArt Japan MMA)と、豊橋出身の朝倉未来(トライフォース赤坂)だ。

 禅道会豊橋道場で格闘技に触れた朝倉未来は、DEEP浜松大会を経て、2013年から弟の海と共にTHE OUTSIDERに参戦、二階級(60-65kg級・65-70kg級)で王者となり、2017年にはROAD FCで1勝1敗の戦績を残している。18年4月の前戦ではDEEPに凱旋。COROを相手に判定勝ちを収めた。

 やや遠い間合いから空手のステップでの出入り、サウスポーから繰り出す打撃を武器とし、ROAD FCでは軌道の変わる左のブラジリアンキックで勝負を決めている(写真=ROAD FC)。スイッチして右構えでも戦うこともあり、左右いずれも強いパンチを持ち、カウンターを合わせることに長けている。

 プロMMAでは6勝1敗。唯一の黒星となった17年10月のイ・ギルウ戦では、右フックで得意のカウンターを取りに行ったところをギルウに右ストレートを打ちぬかれダウンを奪われている。また、ギルウのダブルレッグに対し、ノーアームギロチンを仕掛けたもののパスガードされ、下になる展開が多く、判定負けを喫した。

 しかし、海とともに兄弟で上京し、トライフォース赤坂所属となってからの未来は、MMAファイターとして進化。半年間でギルウ戦で見られた課題を克服しており、CORO戦ではポジショニングを譲ることなく、試合巧者のCOROの下の仕掛けを潰し、再三、上を奪っている。試合毎に強さを増し、スタイルに変化がある──いまだのびしろがある26歳の朝倉未来だ。

 対する日沖発は、カナダ『TKO』で世界フェザー級王者となり、修斗世界ライト級王座、SRC(戦極)フェザー級王座も獲得。2011年10月からは『UFC』で8戦し3勝を挙げている。2016年1月からはPANCRASEを主戦場とし、2連勝後2連敗と五分の戦績だ。

 巧みな距離設定から長い手足を利した打撃、ケージレスリングでの四つの攻防に強さを発揮し、MMAのなかの柔術を武器とするなかで、バックを奪取。キャリアの初期にはときに下になることも厭わず「寝技」を駆使する姿も見せてきた。PANCRASE参戦後もテイクダウンの幅を広げるなど進化を続けているが、ここ2試合はアグレッシブな打撃で攻勢に立ちながらも前がかりになったところで逆転負けを喫している。

 オーソの高谷裕之との試合ではオーソに、サウスポーの田中半蔵戦では左構えでも戦っていた日沖だが、基本はオーソ。サウスポーからスイッチもする朝倉を相手にどんな距離・構えで戦うか。下がりながらの打撃も持つ朝倉に対し、攻勢に出たときのデフェンスにも注目だ。

 またグラウンドでは、日沖に一日の長があると見られるが、身体能力の高い朝倉は胸を合わせてトップを取るなどスクランブルに強みを発揮している。その正対の際を日沖がどんな仕掛けをするか。ケージとは異なるリングでの戦いが双方にどんな影響を及ぼすのかも注視したい。

 会見で日沖は、朝倉について、「勢いがあって独特の感覚を持っている。強い印象です」と語り、朝倉は「打撃は結構穴があるイメージ。組みと寝技が強い印象ですが、テイクダウンは取らせないので面白い試合になると思う」と印象を語っている。

 これまで修斗、SRC、UFC、PANCRASEでも、常に自身の成長、本質的に強くなることを主眼としてきた日沖にとって、ランキングやチャンピオンシップといった概念とは異なるRIZINのリングに上がることは意外に思われたが、会見で日沖は、「復帰に関して悩むこともありました。でもRIZINという舞台で地元名古屋の格闘技を盛り上げる意味も含めて、相手も若手でのっている選手なので、自分の中でも挑戦したいと思っています」と、今回の選択を語っている。

 デビューから一貫して地元・名古屋から離れることなく練習を続け、地元に根を張るようにジム「stArt Japan MMA」もオープンした。30代半ばを迎えた日沖にとっては、43戦目となる今回の試合で、自身を支えてくれた周囲に、これまでのように東京遠征を強いることなく地元で生で戦う姿を、勝利する姿を見せたいという思いが少なからずあることは想像に難くない。

 一方の朝倉にとっても豊橋時代から成長した姿を見せたいところだろう。「THE OUTSIDER出身で評価が低いんですが、実績のある選手を初戦から当ててもらえたので嬉しい。地元なので派手な試合で盛り上げて、最後は失神させたいと思います」と強気でビッグネームの日沖の首を狙う。

「元UFC」vs「元THE OUTSIDER」の構図はわかりやすいが、リングに上がれば、いま現在の生身の2人が戦うことになる。そこにこれまでの取り組みや歴史、それぞれの思いがどう重なり、どう現れるのか。一つひとつの動きや選択に注目したい。(会見写真=(C) RIZIN FF)

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【前々日会見コメント】

◆日沖 発「ちゃんと気持ちを作って、テクニカルなMMAを見せる」

「(コンディションは)いい感じです。あとは体重を落とすだけです。(RIZINは)最近盛り上がっている団体なのでモチベーションを上げて頑張ろうと思いました。

(対戦相手は朝倉未来で新世代との対戦になるが?)そうですね……。自分が若手と言われていたのが、いつの間にか若い世代が台頭してきて、ちょっと思うところはありますけど、まだまだできるだぞ、というところを見せたいと思います。

(思うところ、というのは)やっぱり同世代がみんな引退したり、指導者になったりしてますので、でも、20年間MMAをやってきたところをぶつけたいと思います。

(どんな試合を)気持ちの見せられる試合をしたいと思います。ちゃんと気持ちを作って、やることをやれば、テクニカルなMMAを見せられると思います。

(これまでのRIZINの印象は)テレビのイベントでもあるので派手だなっていう印象がありました。でも、自分は自分のMMAを見せたいと思います。

(五味隆典や北岡悟などのベテランもRIZINで頑張っているが)やっぱすごいなと思います。いま名前が挙がった選手も同じ団体で戦ってきたメンバーなので、その先輩たちに負けないような戦いを見せたいなと思います」

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◆朝倉未来「未来の格闘技を担う存在になりたい」

「コンデイションは、まあバッチリです。あと体重4kgですけど、水抜きを今日して、という感じです。

(メンタル面は?)今回、対戦相手が格上で、僕が負けて当然みたいな、下馬評でも不利という声があるので、まあ穏やかな気持ちで迎えていますね。

(どんな試合ととらえている?)これからもRIZINで戦っていきたいと思っているので、まあスタートという感じですかね。僕が勝たないといけないと思っていますし、未来の格闘技を担う存在になりたいんで、勝ちたいと思っています。

(勝ち方のイメージは?)僕は今までほとんどフィニッシュしてるので、判定ではなくKOなり、フィニッシュして勝ちたいというのはあります。

(対戦相手の日沖発について)実績もすごいですし、グラップリングはすごい上手いなという印象を受けましたね、試合を観て。経験もありますし、手ごわい相手だなと思います。

今回は、僕は自分がメインだと思っているので、一番盛り上がる試合をして、最後、会場を爆発させたいと思います」

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◆RWEDDINGS presents RIZIN.12
2018年8月12日(日)14:00開場 / 15:00開始
ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
※市役所駅(名古屋市営地下鉄名城線)7番出口より徒歩5分

▼第12試合 RIZIN MMA特別ルール 70kg契約 5分3R
矢地祐介(KRAZY BEE)
ルイス・グスタボ(ブラジル/EVOLUCAO THAI)

▼第11試合 RIZIN MMA特別ルール 61kg契約 5分3R ※ヒジ有り
元谷友貴(フリー)
祖根寿麻(ZOOMER/修斗バンタム級環太平洋王者)

▼第10試合 RIZIN MMA特別ルール 77kg契約 5分3R ※ヒジ有り
ストラッサー起一(総合格闘技道場コブラ会)
住村竜市朗(TEAM ONE)

▼第9試合 RIZIN 女子MMAルール 65kg契約 5分3R ※ヒジ有り
KINGレイナ(FIGHT CLUB 428)
ケイトリン・ヤング(米国/MINNESOTA MARTIAL ARTS ACADEMY)

▼第8試合 キックボクシングルール 59kg契約 3分3R
内藤大樹(ストライキングジムAres)
般若HASHIMOTO(クロスポイント吉祥寺)

~休憩~

▼第7試合 RIZIN MMA特別ルール 66kg契約 5分3R ※ヒジ有り
日沖 発(ALIVE/stArt Japan MMA)
朝倉未来(トライフォース赤坂)

▼第6試合 RIZIN MMA特別ルール 120kg契約 5分3R ※ヒジ有り
ロッキー・マルティネス(グアム/スパイク22/DEEPメガトン級王者)
侍マーク・ハント(Martial Arts Fighter team侍)※桑原清

▼第5試合 キックボクシングルール 65kg契約 3分3R
海人(TEAM F.O.D/シュートボクシング日本スーパーライト級王者)
小川 翔(OISHI GYM/WBCムエタイ日本ライト級王者、HOOSTCUP日本スーパーライト級王者)

▼第4試合 RIZIN女子MMAルール 53kg契約 5分3R ※ヒジ有り
村田夏南子(フリー)
アンジェラ・マガーナ [Angela Magana](プエルトリコ/フリー)

▼第3試合 キックボクシングルール 59kg契約 3分3R
Ryuki(RKS顕修塾/英雄伝説2017年-60kg級アジア王者)
直也(VERSUS/INNOVATIONフェザー級3位、WMC I-1-58kg級王者)

▼第2試合 キックボクシングルール 70kg契約 3分3R
松倉信太郎(TRY HARD GYM)
奥山貴大(GSB名古屋/シュートボクシング日本ウェルター級1位)

▼第1試合 キックボクシングルール 53kg契約 3分3R
瀧谷渉太(KSS健生館)
佐藤執斗(GSB名古屋/WMC I-1 51kg・54kg王者)

【当日券】

8月12日(日)『RIZIN.12』ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)大会のチケットが「A席完売」となっていたが、演出プランの一部変更により、若干枚数が当日券として発売が決定。12日14時から西側入場口周辺の「当日券売り場」にて発売される。

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