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【RIZIN】山本美憂「ママ同士、魅せられた。私たち2人、出来たと思います」、石岡沙織「年齢に関係なく何かに挑戦をする人を応援してもらいたいです」。そして、試合が流れた杉山しずかが語っていたこと=7.29『RIZIN.11』

7月29日(日)さいたまスーパーアリーナで『RIZIN.11』が開催され、第3試合で山本美憂(KRAZY BEE)がMMA5戦目で、ベテランの石岡沙織を破り(禅道会・15勝12敗)、2勝目をあげた。

ともに子どもを持つ母としてMMAを戦う山本と石岡の試合は、判定2-1の接戦に。勝敗を分けたものは何だったのか? もう一人のママファイターで試合が前日に流れた杉山しずかのコメントも併せて、詳細を掲載する。(写真=RIZIN FF/GONG KAKUTOGI)

【試合展開】

山本は女子レスリング世界選手権3度優勝のクイーン。2016年9月にMMA転向し、デビュー戦でRENAにギロチンチョークで敗退。2戦目もアンディ・ウィンに腕十字で一本負けしたものの、3戦目でキャシー・ロブに勝利し初白星。2017年10月のRIZIN女子スーパーアトム級トーナメント1回戦ではアイリーン・リベラに2戦目と同じ腕十字で敗れている。MMAでも強いテイクダウンを武器としているが、スタンドでの打撃、テイクダウン後の展開に課題を抱えている。

対する石岡はJEWELS旗揚げ時から活躍。RIZINでは2017年4月にベスターレ・キシャーにリネイキドチョークで一本勝ちしながらも、8月にRIZIN女子スーパーアトム級トーナメントの出場権を懸けた試合で浅倉カンナに判定で敗れている。禅道会仕込みの打撃と柔道ベースの投げ、さらに強い極めを持っている。

1R、左構えの山本が詰めて右を伸ばした打ち終わり、オーソの石岡は近距離から左フック! 腰を落とす山本。すぐに立つ動作に石岡は落ち着いてステップを踏む。

体勢を戻した山本は、石岡の左ローにカウンターのワンツーの左ストレートでダウン奪取!

 後方に尻餅をついた石岡はすぐに立つと首相撲へ。胴タックルに入る山本に石岡は首投げ&内股で前方に巻き込んでの投げ!

同体で倒れともに上半身を立てたところの際(きわ)で上を取るのは山本。サイドを取るが、すぐに石岡も足をきかせて腰を切って正面に戻すとラバーガードへ。山本のパウンドを防ぎ、ニンジャチョーク狙いで山本が離れたところを立つ。

近距離では首相撲を挑む石岡。そこに外側からパンチを振る山本はコーナーに押し込むと両脇を差してクラッチ。いったん解いて左右のヒザを突く。

右で差して回して投げる山本に足を運んで耐える石岡。しかし首を抱えたところをレスリングで脇を潜る山本はスタンドバック、さらに押し込んでテイクダウン。そのままサイドを奪うと左腕で枕に巻き、右ヒザをニーオンで腹に置く。空いた右手で鉄槌を入れると、下の石岡は両足で山本の頭をセンタク挟みも頭を抜かれる。

がぶりから鉄槌、ヒザは山本! ハーフからフルガードに戻す石岡は腕十字狙い。ここは腕を取られず足を払う山本。いったん体を離すと石岡をスタンドに戻す。左のロングフックは山本。石岡も組むと首相撲からヒザ、さらに右で脇差し崩しにいくが、一瞬ヒザをマットに着いた山本が強い体幹から上を取っていく。

倒されながらもすぐに足を戻す石岡は、両足を山本の腿上にのせて腹を突き出して山本のパウンドから距離を取ると、山本が右を強振してきた瞬間につっかいぼうの足を外して前のめりにさせて腕十字へ! 山本もまたいで頭を蹴ったところでゴング。

2R、石岡を中心に右に回る山本は右フックをひっかける。近距離から左で頭をつかみ右ヒザは石岡! さらに右前蹴りから掴みにいくが、ここで両脇差してのクラッチは山本。しかし、ここで柔道出身の石岡は払い腰! 

山本を投げてサイドを奪うが、脇を差している山本もすぐに頭を抜いていく。その際でマウントを奪いに行く石岡は反転しようとする山本のバックマウントへ。そこで山本は逆側に回転し、石岡が乗りすぎたところを、リバーサル! この場面で上を取ることに成功。

頭をつけて左腕をマットに着いた山本の脇を下からすくいラバーガードに行く石岡。足を解くと三角絞めも狙う。頭を抜き、踏みつけは山本! しかし下の石岡も蹴り足を掴みヒールフックを狙う。すぐに体を離す山本。寝技への防御に進化を見せるが、体を離すことでリセットとなるのは進化の途中か。

スタンド再開。左フックをガードの上から叩きけん制する山本。追う石岡に右に回る山本。右の三日月蹴り、右ハイは石岡。山本はサウスポーから右フックを狙う。詰める石岡は右ボディストレート! 山本は左ミドルもバランスを崩し下に。すかさず石岡はバックから腕を狙うもゴング。

3R、石岡の右前蹴りに右フックのカウンターを合わせる山本。オーソの石岡の左前足の外を取り右を打っていく。石岡の入りに左のロングフックでけん制する山本。右に回りながらジャブを突く。石岡は右前蹴りから前へ。しかし山本の右ジャブがヒット。首相撲で組み付くのは石岡。ヒザ蹴りから引き込みに。ラバーガードを解き、再びニンジャチョーク狙い。さらに手首を掴んで腰を切り両足を大きく上げて腕十字へ! 

ここはヒジまで入るが、すぐに引き寄せまたぐ山本は顔面にキック! さらにアゴに固定してからの蹴り上げで石岡の片手が外れる。

そこで正対する山本。石岡はラバーガードに戻し、頭をつけてくる山本に右手で下からパウンド。インサイドで膠着しブレーク。スタンド再開。踏み込んで右は石岡。山本の右フックを肩で受けて返しの右フック、右ボディストレートを打ち込む。さらに山本の右ミドルをキャッチして投げに行くが、ここも際で上になるのは山本! ゴングに勝利を確信した山本はマットを叩いて歓喜し、すぐに石岡を抱き寄せた。

判定は2-1スプリットで山本が勝利。MMA5戦目で27戦目(15勝12敗)ベテランの石岡を破り、MMA2勝目をあげた山本はリング上でマイクを持ち、「やっと勝てたってまた同じセリフなんですけど、今までやってきたことがちょっと出せたかな、MMAの選手としてそれらしいことが出来たかなって思います」と語ると、続けて英語で、「いつも応援してくれる子どもたち、コーチやアーセン、トレーニングパートナーに感謝します。いつかナンバー1ファイターになることを願っています。ベイビー、もうすぐ家に帰るよ! 愛してる」とメッセージ。セコンドのアーセン、カイル・アグオンらを呼びよせ記念撮影に収まった。

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◆山本「MMA選手になれました、と自分で言えるようになりました」

――試合を振り返っていかがですか?

「最初に近づいた時点でバババッといきたかったんですけど、なかなか間合いが合いませんでした。石岡選手もうまかったので自分の思い通りには最初はいかなかったのですが、落ち着いてそこからパンチを出していければいいなと思って。とにかく『落ち着け、落ち着け』って感じでした」

――石岡選手は「最初の1発を効かされた」と言っていました。手応えは?

「あまり『1発』というのを意識していなくて、1発、1発で練習をやっていると自分のリズムが掴めないので、1発で終わらず、4連打までいくようコンビネーションも用意していました」

――何度か石岡選手が腕十字を仕掛けてきました。どう対処していましたか。

「あそこは落ち着いていましたね。腕を取られても『あっ、これ大丈夫』と思っていました。今回は結構、グラウンドを練習していたので。極められそうになったときもセコンドの声もあって対応できました」

――全体的に落ち着いて試合ができた?

「そうですね。試合に向けた時間もオンとオフを使い分けられたと思います」

――際の場面で、投げられながらも上を取るのは山本選手でした。MMAの経験値が増えるなかでレスリングの技術もさらに活きてきたのではないでしょうか。

「そうですね。自分の身体がどこにあればいいとか、どこにつければいいとかは、レスリング時代の技術が身体に染み付いているのと、あとは相手の重さは感じなかったので組み合いや絡み合いはしやすかったです」

――MMAに慣れてきたという感覚はありますか。

「MMA選手になれました。自分で言えるようになりましたね」

――試合後、リング上で石岡選手とどんな言葉をかわしましたか。

「試合前はあまり“ママ”ってことを意識しないでいて、ひとつの試合としてフォーカスしていたんですけど、やっぱり終わってみると、ママ同士というか、石岡選手にも子どもがいるし、そいういうことを考えてグッとくるものがあって、石岡選手が試合前に言ってくれたように、『ママ同士、一緒に魅せれたらいいな』ということが、私たち2人、出来たと思います。だから、本当に石岡選手には『ありがとう』と言いたいです」

――アーセン選手や子どもたちとも話しましたか。

「話しました。アーセンはいつもあんな感じで泣いちゃうし(笑)。でも本当にそばにいてくれるだけで凄く心強いから。ミーアとは電話で話をしました。グアムで家族とみんなで見てくれていて喜んでいました」

――練習もあるなかで子どもたちとの関係は?

「子供たちにとってはいまの私が自然な形なので、『ずっと戦い続けてくれ』と無理難題を言ってますが(笑)、自分もそういう風に思ってくれてるほうが、日々のトレーニングも生活も送りやすいので、そういう関係でいると思っています」

――年齢を重ねた上での調整の難しさは?

「全くないです。レスラー気質なので、追い込んだら追い込んだ分だけ自信になるので、追い込めなかったときのほうが調整し辛いです。自分が追い込まれて、練習がハードになればなるほど、パフォーマンスが上がっていくと思います。今回もグアムでいいトレーニングキャンプが出来たので、次も今回以上に追い込めればいいと思います」

――今後の展望は?

「もうちょっと立ち技で……前回の試合とは違って今回はグランドの時のほうが落ち着いていました。もっと立ち技で相手を見て、ブンブン振り回すだけじゃなくて、もっとうまく自分でポジションを取って打っていけるようにしたいです。あとはボクシング、キックボクシング、レスリング、グラップリング……全部がまだまだなので、伸びしろいっぱいなので(笑)、頑張ります」

――いまは誰と戦いたいとか、対戦相手うんぬんより自分を高める方向でしょうか。

「自分を強くするだけですね」

――今年中にまた戦いたいですか?

「できれば大晦日に戦えればいいですね」

◆山本(一夜明け会見)「ディフェンスが成長した」

「昨年10月から長い間かかってやっと戻ってこれて、やっとMMAらしい試合が出来たと思います。またどんどん強くなってこのリングに戻ってきたいと思います。

(あらためて試合を振り返って)グラウンドになった時に、相手に極められなかった。ディフェンスが成長したと思っています。あと、打撃はもうちょっと落ち着いて出来たらと思います。ワチャワチャした部分があったので、まだまだこれからですね。

(浅倉カンナの試合について)グラウンドのコントロールが凄く上手だと思って見ていました。(※会見で浅倉は「山本美憂と戦う時が来るのでは?」と問われ「試合があるか分からないですけれど、私が小さい時からレスリングで活躍している大先輩なので、その大先輩と同じリングに立っているのが嬉しいです」とコメント)

(次の試合はいつに?)それは榊原(RIZIN実行委員長)さんの指示があれば。自分としては年末くらいがいいいかなと思っています。

(戦いたい相手は?)誰というのはないです。自分が強くなることことだけを考えてトレーニングしているので、次が楽しみです」

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◆石岡沙織「山本選手が『勝っちゃってごめんね』と言ってくれて。お互い子どももいて、どういう気持ちで練習しているのかわかるので……」

――試合を終えた率直な感想をお聞かせください。

「最初にもらった1発が見えていなかったので、それが足にくるほど効いてしまって……。それからは極めれそうだった腕十字とかもダメで……敗因は最初の一発です」

――関節技で攻める場面もありました。

「やっぱり攻めきれなかったです。本当、効いちゃっていたので……力が入らなくて」

――山本選手と実際に肌を合わせていかがでしたか。

「凄い超人なのかなと思っていたんですけど、向き合えば1人のひとで。人柄も知っていますし……『殺される』という恐怖はなかったですけど。気持ちがこう……のみ込まれる感じではなかったですが、どうしても打ち破れなかったです」

――上をとることやパウンドが強い山本選手に対して、ラバーガードは作戦だったのでしょうか。

「もともとラバーガードは得意だったんですけど、練習もしてきて……でもそれ以上に(山本は)対策をしてきているなと感じました。手の位置だったり……」

――山本選手が手をマットに着いてくれればオモプラッタ等に行きたかった?

「そうですね。三角(絞め)にも(腕)十字にもいけると思ったんですけど、十字は感触もよかったんですけど、極め切れなくて。もう足に……力が入らなかったです」

――判定は割れましたが、下からの仕掛けでは石岡選手がコントロールしていた時間も多かったように思います。

「正直、(1票が)自分に入るとは思っていませんでしたので、(入れた人は)自分のそういうところを評価してくれたんだなと嬉しかったです」

――試合が終わった直後に涙を流されていましたが、その涙は悔しさでしょうか。

「勝っても負けても苦しかったんですけど、あの……(涙を流して)試合が終わった時に山本選手が『ほんとうごめんね。勝っちゃってごめんね……』と言ってくれて。お互いどういう気持ちで練習しているのかがわかるので……子どもに我慢させたり、それでも勝ちたいと思ってお互いがやってきたので……。だから終わったあとは『おめでとうございます』と言いました。自分が勝っても泣いただろうし、負けても泣いたと思います」

――現時点で今後の展望をどう考えていますか。

「……ちょっと今後はないです。あんまりいまは空っぽというか……(涙ぐむ)。与えられた役割というか、カードを必死にこなしていきたい……」

――ファンにメッセージをお願いします。

「応援ありがとうございました……。年齢に関係なく何かに挑戦をする人を、文句を言わず応援してもらいたいです。これからも」

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◆杉山しずか「最高の相手がいて最高のモチベーションを作れたので、形にしたい」=中井りん欠場で試合中止決定前に語ってたこと

 2008年のJEWELS旗揚げから活躍し、好成績を残していた杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)。2014年大晦日でのライカ戦の一本勝ちを最後に結婚・出産のためリングからいったん離れていたが、2017年2月のDEEP JEWELSで現役復帰。連勝をマークしたことで『RIZIN』参戦を決めていた。

 しかし、女子格闘技の人気に火をつけたRIZIN参戦に“間に合った”ものの、年末のデビュー戦は新鋭の渡辺華奈に判定負け。試合後、「たくさんの人に助けてもらって格闘技を続けられてる。そのことをもっと思い出せばよかった」と悔し涙を流していた。

 そんな杉山が6月の「Deep Jewels 20」で強豪・藤森祥子を相手に再起戦で判定勝利。

RIZIN復帰を決めた。今回の対戦相手は、元Uパンクラス女子バンタム級王者でUFCにも上がっていた中井りん(修斗道場)。RIZINでは57.15kg契約ながら村田夏南子にも勝利している。

杉山とは実力者同士のハイレベルな試合が期待されたが、中井が猛暑での練習中に熱中症となり、急性腎炎を併発してドクターストップ。杉山は、中井の欠場を試合前日の夜に知らされたという。下記の一問一答は、その欠場が正式決定した前後のものとなる。この会見後、報道陣に中井の体調不良が伝えられ、杉山は関係者と長い話し合いに入っていた。

――現在のコンディションは?

「怪我も無くいい練習の期間を経て、休みもしっかり取れたので調子はいいです」

――メンタル面はいかがですか。

「どちらかというと緊張しながらも、早く試合がしたいと2週前くらい前から思っていて、体重も意識しはじめた頃で、いち早く試合がしたいと準備が出来ている感じがしました。なんか眠りが浅いのか、たくさん試合をしている夢も見て、30Rくらい戦ったんじゃないかな(笑)」

――夢の中での結果は?

「毎ラウンドいい感じでした。前回さいたまスーパーアリーナで戦わせてもらった経験(2017年12月29日・渡辺華奈戦)が自信になっていると思います」

――今回、中井りん選手との試合が女子アスリートとして注目を集めています。

「光栄です……。最近は会ってない感じがありますが、彼女も30歳、同い年として10年間ずっと見てきたし、女性として美しいアスリートだと思っているので、そういうところも2人で見せられたらいいかなと思います」

――どんな試合展開を予想していますか。

「向こうは組んでいたいと思うでしょうから、組みに来るか、誘われて打撃を出したところにタックルを合わせてくる、そういう感じだったと思うので、彼女の不得意としているところは分かっているので、そこを攻めていきます」

――どんな部分が進化しましたか。

「スピードが上がりました。前回のRIZINに関して言えば、試合が決まってから1カ月無かったのでちょっと急いで体重と戦術を作りました。今回はもう少し時間がありましたし、6月にJEWELSで試合をしましたけれど、その時から中井戦を見ながら練習してきたつもりなので、準備期間があった分、数値的にはダッシュの速さが上がりました。身体も前よりパキッとしたのを感じますし、目に見えて身体も変わったと思います。

 HIITトレーニングも回数も心拍数ももっと強度を上げられるくらい調節できるようになりましたし、運動能力が上がった気がしますね。体重は普段から軽い状態を保つようにしたので、今まで出来なかったハンドスプリングが軽く出来るようになったほど身体も軽くなりました。あと、『超人女子』に出始めた頃は懸垂が9回しか出来なかったんですが、今は10数回できるようになりました」


――フィニッシュはやはりK太郎スリーパー?

「もうそしたら最高ですね! やっぱり(夫の中村)K太郎より有名になりたいっていうのはあるので。目標にしてるし、世界で一番尊敬してるファイターでもあるから。そこは狙いたいです」

――互いにファイターで子育てするなかでK太郎選手の支えも?

「たくさんしてくれています。子どもの世話ももちろんですし、普段練習をともにすることはないでけど、ときどき自分で撮った練習動画とかを(K太郎に)送るんです。何にも返信もないんですけど、でも何にも言わないってことは頑張ってるって思ってくれてるのかなと思ってます。そういう感じなんですけど、メンタル面でも支えてくれています」

――中井選手は今までで最大の敵になると思います。勝敗を決める鍵となるのは?

「今回は身体もしっかり作れましたし、早く試合が出来るというくらいの仕上がりなので、あとは気持ちが折れなかった方が勝つと思います。たぶん私は折れないと思うから、勝負のポイントはそこかなと思います」

――ファンへメッセージをお願いします。

「そうですね…………辛い時期もありましたし(涙ぐむ)、いい想いも格闘技をやっていてさせてもらって、全ては自分が選んだことですし、その選んできたことがここに繋がったと思っています。毎度毎度いろいろな人に支えてもらっているから、こんな好きなことが出来ていると分かっているので、形にしたいというというか。そこに最高の相手がいて最高のモチベーションを作れたので…………それを見せたいです」

(◆中井りんの欠場が決まり、杉山が試合当日、リング上で挨拶)

「こんにちは。杉山しずかです。今日、私たちの試合を楽しみにしてくださっていたファンの皆様、いつも応援してくれる友達、チームのみんな、本当にすみません。私たちはこの日のために一生懸命に練習してきているので、私もいろいろな気持ちになりましたが、たぶん、中井選手が一番辛いんだろうなと思います。私たちみんなに起こりうることだったので、ぜひその辺を皆さんご理解いただいてると思いますが、私からもお伝えしておきます」

(自宅療養中の中井りんからのメッセージ代読)

「今回、急病でドクターストップかかり、大変なご迷惑をおかけして本当に申し訳なく思っております。何より試合を楽しみにしてくださったファンの皆様に本当に申し訳ないことをしたと思っています。ファンの皆様、本当にすみませんでした。そして対戦相手の杉山選手、本当にすみませんでした。こうなってしまった以上、自分自身のプロとしての管理不足を深く反省しております。今は1日も早く体調を戻し、RIZINのリングに帰って来られるよう頑張りたいと思います。杉山選手からいただいた『試合がなくなった私より、きっと試合ができない中井選手のほうが辛いのでは』という優しく、温かい言葉は決して忘れません。改めてお詫び申し上げます」

(メッセージを聞いた杉山)

「たくさんのものを懸けてこの試合の準備をしてきました……。少し時間は必要かもしれませんが、中井選手の回復をお祈りします。また(試合を)楽しみにしていてください」

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