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【KNOCK OUT】18歳、直心会の組みと打撃でWBC王座獲得! タネヨシホ「何でも戦えるように」=5月3日(木・祝) 「KNOCK OUT 2018 OSAKA 1st」エディオンアリーナ大阪 第2競技場大会

2月25日「NJKF 2018 1st」後楽園ホール大会メインで、能登龍也を5R判定3-0(50-47×3)で下し、WBCムエタイ日本統一フライ級新王者となったタネヨシホ。

小3から兄とともに直心会に入門。プロ修斗で活躍した三宅力会長のもとで、ジュニアからキックを始め、関西を主戦場に数々のアマチュアタイトルを獲得。プロデビュー後10戦無敗も、2017年12月に初黒星を喫し、今回が再起戦だった。

18歳。これまでの嵐のような怒涛の攻撃に加え、組みをまじえた変幻自在の戦いは、タネヨシホの“何でもあり”キックボクシングに進化をもたらしている。裏方に回っていた兄タネヨシキも3月25日のBORDERで復帰戦が決定(※3Rバックヒジで復活KO勝利)。大阪のタネ兄弟に注目だ。

タネヨシホ「自分の実力が石井一成選手に届くのかどうか、試してみたい」

──NJKFで能登龍也選手との再戦を判定で制してWBCムエタイ日本統一フライ級王座を獲得したタネヨシホ選手です。今回は序盤、静かな立ち上がりでした。いつもの1Rから手数多く、行けるところまで行くというスタイルとは違い、落ち着いた試合運びでした。

「いつも1R目から行き過ぎて空回りしてしまうので(苦笑)、今回は会長(三宅力・直心会会長)と話して、序盤は抑えて行くのが作戦でした」

──5R戦で途中でスタミナが切れることなく、逆に終盤のラウンドで爆発しましたね。

「そうですね。毎回絶対に倒すことを狙っているんですけど、5Rでやっとエンジンがかかってよかったです(笑)」

──今回、組みや崩し、コカしを効かせることで打撃も効果的に当てていたように思います。序盤、組み力で能登選手より勝っていると感じましたか?

「いえ、そんなことはないですね。能登選手力強くて、そこは誤魔化しながら組んでいました」

──では、あのコカしが決まったのは?

「それは能登選手、焦ってくれてたんだと思います。いつもと違うと。僕は今回、初めから5R全部やるって設定で戦っていたので」

──能登選手はボディ打ちで腹も狙ってスタミナを削りにきましたが、それを受けすぎることもなかった。

「お腹、打ってきましたね。でもそこで感情的にならずに、ポイント取られても、5Rのことを考えて試合をしていました。こうやって戦えるようになったのも、会長のおかげです(苦笑)」

──中盤以降、オーソから左ミドルがクリーンヒットしていました。同じ左でも三日月などと打ち分けていましたね。

「あれは途中からもう、会長との厳しいミットを思い出していました! ミドル、ロー、三日月、ヒザ、とずっとやってきたので」

──ところで今回の試合、タネ選手はダッキングを使っていました。蹴りのあるキックボクシングでは、あまり頭を下げるダッキングを使う選手を見かけませんが、あれは……。

「はい、蹴りが来ないタイミングで使いました。僕もダッキングを使ったのはこの試合が初めてです。能登選手はやはりパンチが怖いので無意識に出たんやと思います」

──それと前回もそうですが、比較的、タネ選手はローキックに対して足を上げてカット(チェック)しないときがありますね。テイクダウンのある総合格闘技では五味隆典選手などがあまりカットをしませんが、タネ選手の場合はどのような理由からでしょうか。

「ローキックをカットしなかったのは、すぐに攻撃にいけるからです。蹴り足を掴んでパンチを入れたり……でも、これからの試合ではもっとカットしていくと思います。しっかりカットできたら、防御プラス相手の足にもダメージがいくと思うので」

──なるほど。どうカットするかだと。あと、タネ選手のクリンチは脇を潜ったり、相手の脇を差したり、「組み技」が交じっていることで、相手にプレッシャーがかかっているようにも感じます。

「NJKFはムエタイルール5ラウンドだったので、クリンチ・首相撲、ヒザで能登選手のスタミナを削るのが目的だったんです。当然、ヒジ打ちもあるので、近距離では相手のヒジにも気を付けながらクリンチで圧力もかけました」

──直心会の三宅力会長といえば、古くからのファンにとっては、修斗で活躍した総合格闘技の選手という認識もあります。三宅会長の指導から、キックでも総合格闘技のエッセンスを感じる指導や、テクニックも伝えられているのでしょうか。

「僕の場合は、会長から『キックボクシング』を一から教えてもらいました。その動きのひとつが首相撲です。会長は昔、修斗をしてたので首相撲、組み技を教えるのもうまいんですよね。独特のトレーニングもありますし」

──三宅会長の自己流トレーニングは以前、「サーキットトレーニングでラスト1分間、ひたすら一定のリズムで高く跳ぶ練習」とか「回転系の技の練習」などをおうかがいしましたが、ほかにも?

「ほかにも会長の独自トレーニングはありますよ。でも……それは内緒です(笑)」

──三宅会長は「偏った攻撃ではなく総合的にバランスよく強くなること」を指導されているそうですね。

「はい、自分でも何でも戦えるようバランスに気をつけています。小学生の頃から会長から『総合的にバランスよく強くなれば、どんな相手にも対応できる』と言われていました。パンチ、キックだけでなく、さきほどの首相撲、それにヒジもヒザも、あらゆる攻撃で」

──三宅会長がリングネームも考えてくださったそうですね。

「はい。『漢字表記で誰が読めるんねん。カタカナでいけ!』と」

──首相撲にヒジ・ヒザというとムエタイですが、タネ選手にはムエタイのイメージはあまりないです。

「ムエタイは好きではないですけど、ヒジありは好きなんです! 能登戦で効果的に当てたヒジも、会長とよく練習していた攻撃です。ヒジは、近い距離で1発で試合を終わらせることができるので好きなんですよね。まぁ、ヒジで斬って終わらせたことはまだないんですけど(苦笑)」

──さて、5月3日「KNOCK OUT 2018 OSAKA 1st」で、地元・大阪での試合が決定しました。どんな試合を見せたいですか。

「去年は地元での試合で負けてしまった(12月「DEEP☆KICK 34」で滉大に判定負け)ので、次の試合は応援に来てくれる、周囲の人たちのためにも勝ちにいきます。守りには絶対入りません!」

──2018年は「KING OF KNOCK OUTフライ級トーナメント」も開催されます。5月大会で勝ってトーナメント出場となった場合、フライ級のどんな相手と戦いたいですか。

「KNOCK OUTフライ級トーナメントは、もちろん一番強い人と試合をしたいです。僕の中で一番はやはり石井一成選手なので、自分の実力が石井選手に届くのかどうか、試してみたいですね。そのためにも5月大会で勝ちたいです。それが今の目標です」

──マネージャー役を務めていた実兄の多根嘉輝選手も、3月25日のBORDERで復帰戦(※追記:3RバックヒジでKO勝利)が決まっており「KNOCK OUT参戦を目指す」と意気込んでいるそうですね。ヨシホ選手から見た兄・嘉輝選手とは?

「兄はひとつ上で、幼い頃に兄と喧嘩ばかりしていたから、2人とも父親に直心会の三宅会長のところに連れてこられたんですよ。僕は小学校3年生からで、兄もジュニアから活躍していたんですが、僕がいい感じに勝ち上っていったら『俺がサポートするよ』と言って、トレーナー兼マネージャーの裏方に回ってくれたんです。今度、復帰するんですけど、“タネヨシキ”選手は強いですよー。練習では僕より普通に強い!(苦笑)。KNOCK OUTに出られる実力は十分にあると思います。兄弟揃ってKNOCK OUTに出たいです!」

──2人ともアマチュアのジュニアからやってきた経験の強さがありますね。

「大人になってからキックをやるより、ジュニアからやっている選手のほうが絶対強いです。技術的にも。それに試合経験や遠征経験もあるから、アウェーでも落ち着いて戦えます。いい試合をすぐに組んでもらえる東京の選手に比べて、大阪のほうがタフな試合を勝ち上らないと東京に呼んでもらえないため、レベルも高いと思います」

──なるほど。最後にファンにメッセージを。

「僕は僕にしかできない試合で、皆さんを喜ばせてきいたいと思っています。これからもタネヨシホ、タネヨシキの応援をよろしくお願いします!」

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◆『ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017』
 3月17日(土)イースト・プレスより発売

『ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017』が3月17日、イースト・プレスより発売された。本文二段組、560頁に及ぶ第1弾の今回は歴史篇。柔道、柔術、レスリング、バーリトゥード、MMA、空手、キック、立ち技格闘技──ゴン格31年の取材史に書き下ろしコラムも収録! → http://goo.gl/Enmvrc

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◆「KNOCK OUT 2018 OSAKA 1st」
5月3日(木・祝)エディオンアリーナ大阪 第2競技場
15:00 OPEN/16:00 START

▼64kg 3分5R
大月晴明(マスクマンズ)
山口侑馬(山口道場)

▼55.5kg 3分5R
宮元啓介(橋本道場)
髙橋 亮(真門ジム)

【出場決定選手】
タネヨシホ、髙橋一眞

【主催】
株式会社キックスロード/協力:ぴあ株式会社・rsc products・株式会社RIKIX・株式会社ブシロード/協賛:ダイヤモンドブログ・AINEXX

【チケット】
入場料金 (消費税込み)※当日¥1,000up
ロイヤルシート(パンフレット付き) 16,000円(当日17,000円)
SRS 10,000円(当日11,000円)
RS 8,000円(当日9,000円)
S 6,000円(当日7,000円)
立見 3,000円(当日のみ)
チケット先行発売:2018年3月17日(土)11:00~
チケット一般発売:2018年3月31日(土)10:00~

チケットぴあ
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