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【PANCRASE】ヴィヴィアニが藤野をTKOに降し新王者に。ルックブンミーはこかし&ヒジ、八田がギロチンで勝利=8.5「PANCRASE298」

8月5日(日)、新木場スタジオコーストにて「PANCRASE298」が開催された。メインイベントでは、ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル/1位)と藤野恵実(FIGHT FARM/3位)が女子ストロー級王者決定戦に臨み、ヴィヴィアニが粘る藤野を3R TKOに降し、新王者となった。

また、キックボクシングでの神村エリカ戦から6年ぶりに来日し、今回はMMAで戦ったローマ・ルックブンミー(タイ)が、得意の首相撲からの崩しでテイクダウンを奪い、強烈なヒジ打ちで華DATEを切り裂き、TKOに降している。

そのほか、ブラジルのマーカス・アマラウに「寝技」のみで一本勝ちした八田亮。荻窪祐輔のダブルレッグをがぶり、その立ち際に打撃を決めた秋葉太樹など、個性的でMMAの多様性が観られた「PANCRASE298」の試合結果&写真は以下の通り。

▼メインイベント ストロー級女子第2代王者決定戦 5分5R
〇ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル/CERRADO MMA/パンクラス女子ストロー級1位)
[3R 0分19秒 TKO]※レフェリーストップ
×藤野恵実(FIGHT FARM/パンクラス女子ストロー級3位)
※アロージョが王者に。

1Rからカポエイラのジンガのようにステップし左右足を入れ替え、じっくり距離をとって右ロー、サウスポーで右ジャブを突くヴィヴィアニ。藤野も左を返して当てるが、オーソに構えたヴィヴィアニは右前蹴りも。近づけば首相撲からヒザを突く。「5Rの王座戦を見据え、序盤から行き過ぎないようにした。ラウンド終了間際にテイクダウンに行くのは作戦だった」というヴィヴィアニは、残り1分あまりでダブルレッグでテイクダウン。ヒザを突きながらバックに回りチョークを狙うが、藤野も手首を掴んで極めさせず凌ぐ。

2R、ジャブ、右ストレートのワンツーは藤野。オーソに変えて左前蹴り、左ジャブを放つヴィヴィアニはシングルレッグで組んでいく。ここはしっかり切った藤野が離れ際に左を当てる。若干、ヴィヴィアニは体力を使ったか。藤野の右の前蹴りを掴んで右を当てるヴィヴィアニ。藤野もヴィヴィアニの右ローを掴むが足を抜かれる。クリンチアッパーを当てる藤野。しかし、ドクターチェック。左目周辺が大きく腫れている。再開。ヴィヴィアニのサウスポーからの右ジャブが当たる場面が多くなる。再びドクターチェックも再開。


もう止められたくない藤野は前へ! ヴィヴィアニの右ローに左ジャブを突き右足を取りに行くが切られると右で小手に巻いたヴィヴィアニが体を入れ替える。左目の腫れがさらに大きくなる藤野は左を振り前へ。しかしそこにヴィヴィアニはカウンターのダブルレッグ! テイクダウンを奪われた藤野は右で脇を差しにいくが、右を差しているヴィヴィアニは脇差しパスガード。藤野に背中をつかすとマウントから強いパウンド! そして腕十字へ。ここは藤野が防ぐが際で上を取ったのはヴィヴィアニ。パウンドを入れる。

3R、顔面を大きく腫らすが心折らさず右で突進していく藤野。右に回るヴィヴィアニが右ジャブを入れたところでみたびドクターチェック。レフェリーが大きく両手を交差させストップ。ヴィヴィアニが女子ストロー級王者に輝いた。

ベルトを腰に巻いたヴィヴィアニはリング上で、パンクラス、チームメイト、家族に感謝の言葉を述べると、「日本が大好きです。もっと日本で戦いたい。防衛戦のために練習をします。アリガトゴザイマシタ」と最後は日本語で挨拶をした。

▼第9試合 アトム級 5分3R
〇ローマ・ルックブンミー(LOOKBOONMEE GYM/TIGER MUAY THAI/タイ)
[2R 4分32秒 TKO]※パウンド
×華DATE(Team DATE)

キック時代に来日し、神村エリカをこかすなど首相撲の強さをみせていたルックブンミー。距離を詰めると首相撲からヒザを突き、両脇を差しての崩し、四つから十字にロックし、頭をつけての投げなど、得意のこかしでテイクダウンを奪う。華も一度はシザースでマウントから脱出したものの、2度目のテイクダウンで再びマウントを奪われると、ルックブンミーの様々なヒジを浴び、額をカット。ルックブンミーが危なげなくTKO勝ちした。

▼第8試合 ストロー級 5分3R
〇八田 亮(ストライプル オハナ/パンクラス・ストロー級3位/元ZST王者)
[2R 1分48秒 ギロチンチョーク]
×マーカス・アマラウ(ブラジル/Nordeste Jiu‐Jitsu)

ZSTからパンクラスに主戦場を移してからしばらくはルールの違いからスタイル構築に苦しんだ八田亮がここにきて開眼。

柔術黒帯というアマラウを相手に、ハーフガードから潜りスイープ。あるいはシングルレッグから足関節、サドルロックから離れ際のノーアームギロチンという独特のムーブでタップを奪った。打撃を使わず一本勝ち、3連勝を決めた八田は「これでフォロワーが増えるといいです。グローブがうざいので、師匠・平(直行)さんのように素手の試合がしたいです。結局、僕はパンチを出さないですけど」と飄々と語った。

▼第7試合 ミドル級 3分3R

〇新村優貴(フリー/第14代パンクラス・ミドル級王者)[負傷判定2-0]※29-28、29-29、30-28
×林 源平(和術慧舟會Iggy Hands Gym)

新村の右ストレートに後退する林。3Rに左目上を大きく腫らし続行不可能に。傷は両者バッティングによるもののため3Rまでの判定で新村が勝利。

▼第6試合 フライ級 5分3R
×荻窪祐輔(K-PLACE/パンクラス・フライ級7位/2014年NBTスーパーフライ級優勝)
[1R 3分40秒 TKO]※パウンド
〇秋葉太樹(総合格闘技道場reliable/パンクラス・フライ級8位)

荻窪のヒザ着きダブルレッグからすぐ立つ秋葉は、荻窪の再びのダブルレッグをがぶり。亀からガード・寝技ではなくスクランブルで立とうする荻窪の立ち際にワンツーを決めた。

▼第5試合 フェザー級 3分3R
×牛久絢太郎(K-Clann/パンクラス・フェザー級9位/2014年ネオブラッドトーナメント同級優勝)
[判定3-0]※30-27×2、29-28
〇ユータ&ロック(秋本道場jungle junction/2012年修斗新人王)

1R、右で差してテイクダウンはユータ。2R互いにTDも立つが牛久が受け身に。3R、ユータはシングルレッグのテイクダウンで背中着かす。

▼第4試合 フェザー級 5分3R
〇内村洋次郎(イングラム)
[1R 2分12秒 KO]※左ハイキック
×ヴィトル・トファネリ(ブラジル/Team Brazillian Thai)

サウスポーの内村はオーソのトファネリとほぼ立ち技勝負。左ストレートの戻し際に左ハイでKO! 試合後、「久しぶりにマイクを握らせてもらいます。勝ったり負けたりでトップ10と戦えなかったんですけど、自分も残り少ないと思うので、パンクラスで駆け上がりたいです。一人、戦いたい選手がいます。もし叶うんでしたら高谷(裕之)選手、よろしくお願いします」と対戦をアピールした。

▼第3試合 ウェルター級 3分3R

〇手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/パンクラス・ウェルター級4位)[3R 1分18秒 TKO]※パウンド
×KAZZ(GRABAKA)

1R、左ボディ突き前進する手塚にダブルレッグ仕掛けKAZZだが、がぶる手塚。2R KAZZの右フックで腰落とす手塚だがダブルレッグテイクダウンからヒジ。3R 、手塚が金網詰め左フック右ストレートでダウン奪い、パウンド。

▼第2試合 ストロー級 5分3R
×高島俊哉(フリー/パンクラス・ストロー級7位/2017年ネオブラッドトーナメント同級優勝)
[1R 4分29秒 リアネイキドチョーク]
〇前山哲兵(フリー/パンクラス・ストロー級9位)

互いにバック奪い合い前方に落とすが、前山が2度目のトライで極める。

▼第1試合 フライ級 3分3R
×安永有希(東京イエローマンズ/2011年NBTスーパーフライ級優勝)
[判定3-0]※30-27×2、29-28
〇中村龍之(ロータス世田谷)

1R 安永の入り際にアッパー当てる中村。シングルレッグから脇下に潜り後転スイープを狙う安永をしっかり潰すした中村がケージレスリングも制す。

【中止】第10試合 セミファイナル ライト級 5分3R
アキラ(フリー/ランキング1位)
中止
アルセン・バティロフ(ロシア/STRELA TEAM)
※バティロフが本計量71.85kg、再計量71.6kg。ルール上2パウンド以内の71.2kgまでなら試合は出来たが、71.6kgの400g超過で失格、試合中止に。

<プレリミナリーファイト>

▼フェザー級 3分3R
×渡辺謙明(パラエストラ東京)
[判定0-3]※27-30×3
〇櫻井裕康(NEVER QUIT)

▼フライ級 3分3R 
×渡辺竜也(MAX GYM/RINGS)
[判定0-3]※27-30×3
〇三澤陽平(ALLIANCE)

▼フライ級 3分3R
〇水谷健人(AACC)
[3R 0分23秒 腕十字]
×池田一歩(Brave Heart)

▼ストロー級 3分3R
〇リトル(GUTSMAN)
[1R 0分15秒 TKO]※パウンド
×宮澤雄大(K-PLACE)

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