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【ONE】V.V Mei「人生経験が出る」=5月18日(金)ONE72でアンジェラ・リーと再戦

5月18日(金・現地時間)、シンガポール・インドアスタジアムで開催される「ONE Championship“UNSTOPPABLE DREAMS”」のメインイベントで、ONE世界女子アトム級王者アンジェラ・リーに挑戦するV.V Mei。

世界で、特にアジア圏では日本で報道される以上にスーパースターとしての存在感を高めているアンジェラ・リーとの試合は、現地でも大きな注目を集めている。

2016年、女子MMAのベストバストとも言われた前戦から2年。奇しくも同時期に日本女子MMAをともに支えてきた同世代の浜崎朱加藤野恵実の試合も並ぶなかアンジェラ・リーとの再戦を迎えるV.V Meiは、「今回は前戦を超えるものになる」と語った。(photographs by ONE, GONG KAKUTOGI)

前回よりも完成度が上がっている

——今回の試合に向けて、米国でキャンプも張ったそうですね。

「はい。約2週間、結構ぎゅうぎゅうに詰めて練習して、いい感じで帰ってきました」

——複数のジムに行かれたのですか?

「メインで行っていたのは、ロサンゼルスのジョシュ・バーネットのチーム、UWF USAです」

——UWF USAというとRIZINで浜崎朱加選手と……。

「アリーシャ・ガルシアがいましたね。あとビクター・ヘンリーとパンクラスにも出ていた山本翔平選手とか、ほかにも何人かアマチュアの選手がいました」

——軽量級の選手もいましたか。

「いましたね。あとは寝技はチェックマット本部で練習して、グラップリングでも米国はかなり強い選手がいるので、いろいろと細かい部分を教えてもらいました」

——それは対アンジェラの寝技面での防御・対処という面も含めて?

「そうですね。ほかにもCMMAというCalifornia Mixed Martial Arts and Fitnessというジムがあるんですけど、そこには小柄な選手が揃っていたので、そこでレスリングを中心に練習しました。あとは、チーム・オーヤマでカーラ・エスパルザ(元UFC世界女子ストロー級王者。元Invicta FC世界ストロー級王者、6月9日UFC225でクラウディア・ガデーリャと対戦)ら様々な選手がいました。チーム・オーヤマでもレスリング──総合ですけど、総合とレスリングをうまく合わせていくような練習を中心にやっていました」

——ピュアレスリングの強化ということではなく?

「やっぱり日本でも寝技と打撃、それぞれではいい練習はできているのですが、それを組み合わせるような“間の部分”というのが欠けているなと思っていたので、総合のレスリングと、あとケージワークですね、壁際の攻防とかを中心にいろいろと練習していました」

——際(きわ)で思い切りよく仕掛けてくるアンジェラ・リーとの前戦での反省点も踏まえてというところも?

「そうですね。際で遅れずいかに自分の形を作れるか。その繋ぎの部分をどれだけうまくできるかで、5ラウンドをうまくペース配分、スタミナの配分とかもしながら、ゲームづくりができればなと思っています」

——今回も5Rでしたね。フルラウンドになっても戦い続けられるような練習もされてきたと。

「その点でもすごく良かったです。米国はやっぱり効率のいい練習メニューを組んでいるので、有酸素運動で持久力をつけながらテクニックを磨くことが出来ます。例えば、ずっと動き続けながら、お互いに打撃からタックルに入ったり、タックルフェイントから打撃とか、それがメニューとしてしっかり組み込まれていて、ドリル形式で延々と続ける感じです。だからかなり有酸素運動で、コンディショニングを整えながら技術を磨いていくという部分でとても効率の良いメニューだと思いました。あとは、マットスペースがすごく広いので大きく動きながら打ち込みができるというのも良かったです」

——それをリアルサイズのケージでもできるという。

「そうですね。そのサイズを体感しながら、動きがやっぱりダイナミックにできる部分がすごくいいなと思いました」

——アンジェラ戦で、有酸素の部分はヴィー選手が動き続けることが重要になってくるということでしょうか。

「それもありますが、やっぱり5ラウンドとなると、有酸素と無酸素を組み合わせていかなきゃいけないので、そういった部分でも体に教え込むとか、覚え込ませるという部分では、すごくいいなと思います」

——有酸素と無酸素を組み合わせる。無酸素の部分では日本で取り組まれている武術的なことも活きてきそうですね。

「そうなりますね」

——今回の試合は当初、昨年11月のシンガポール大会で行われる予定でした。リーの交通事故により延期されて今大会で仕切り直しとなったわけですが、前回流れたことは、どのような影響がありましたか。

「それが、そんなにがっかりもしなかったんです。延期なら延期でこちらにもできることが増える、という感じで捉えていました」

——なるほど。アンジェラとクリスチャンのリー姉弟は、若くて試合経験が豊富ではない分、試合をするたびに完成度が高まっているように感じます。当初はあの手足が長い身体を活かしたグラップリング寄りだったのが、だんだんと……。

「打撃練習もしっかりやっているようですし、あの体型を活かしたトリッキーな技も仕掛けてきますね。そこで後手に回らないようにしないと。思い切りよく来るから、調子に乗らせないようにして潰していこうと思います」

——MMAで28戦、立ち技の試合も経験されてきたヴィー選手もあらたに積み上げたものがあると。

「前回の試合では自分の中でもともと持っているものを出すような感じだったんですけど、いまは打撃を強化したり、TEPPEN GYMに行かせてもらって那須川(弘幸)会長の指導を受けています。ボクシングでも葛西裕一トレーナーにテクニックを教えてもらって」

——TEPPEN GYMでプロ練習に参加されていましたね。葛西トレーナーにも指導を仰いでいたのですね。

「TEPPEN GYMに月2回くらい来てくださるので、そこで見てもらっています。打撃の部分を強化できてきているので自信になります」


——平川智也選手ら総合の選手のセコンドとして那須川弘幸会長の姿を見かけることもあります。

「臨機応変に見てもらえます。相手の動画とかも見て対戦相手によって作戦を考えてくださって、前回のジーナ・イニオン戦でも対策を練ってもらって当てはまってたので、今回もたぶんいけると思います」

——那須川天心選手とサイズが合いそうですが、スパーをすることも?

「ライトスパーですけど、全然スピードがヤバいんで(苦笑)」

——米国と日本、それぞれのいい部分を取り入れてきたようですね。

「はい。全体的な完成度・技術は前回よりも上がっていると思います。前回に比べたら、新しいものをプラスできました」

——ちょうど2年前、あのときの自分をぶつけたのとはまた違うV.V Mei選手が見られそうです。この2年で互いに成長し、5ラウンド、タフな試合になりそうですね。

「かなりタフな試合になると思いますけど、どれだけ力まずにリラックスしていけるかということも重要だと考えています。そういった部分では、人生経験が出ると思います。まだ彼女は若いので。タフな状況になったときに、いつもはイケイケな彼女の心をどれだけ折れるか。折れたときにどうなるか。そういう勝負になると思います」

—─5ラウンド集中した試合になりそうです。ONEは日本でも視聴が可能なので、多くのファンが画面ごしにも声援を送ると思います。最後にファンにメッセージを。

「前回はものすごく盛り上がって、皆さんに楽しんでもらえた試合だったのと思いますが、今回はそれを超えるものになっていくと思いますので、期待してください」

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◆ONE Championship“UNSTOPPABLE DREAMS”
5月18日(金・現地時間)シンガポールインドアスタジアム

▼ONE世界女子アトム級タイトルマッチ(※52.2kg)5分5R
アンジェラ・リー(王者/米国)
V.V Mei(挑戦者/日本)

▼ムエタイ世界フライ級王座決定戦 3分3R
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
セルジオ・ヴィールセン(オランダ)

▼ONE世界フェザー級タイトルマッチ(※70.3kg)5分5R
マーチン・ヌグエン(王者/豪州)
クリスチャン・リー(挑戦者/米国)

▼キックボクシング 3分3R
ヨーセングライ・IWEフェアテックス(タイ)
クリス・ンギンビ(オランダ)

▼ライト級(※77.1kg)5分3R
青木真也(日本)
ラスル・ヤキャエフ(ロシア)

▼ライト級(※77.1kg)5分3R
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ハルン・アトランゲリエフ(ロシア)

▼ライト級(※77.1kg)5分3R
アミール・カーン(シンガポール)
イ・ソンジョン(韓国)

▼ムエタイ 3分3R
シントンノーイ・ポーティラックン(タイ)
ジョゼフ・ラシリ(イタリア)

▼フェザー級(※70.3kg)5分3R
ミース・メウ(カンボジア)
シエ・チャオ(中国)

▼バンタム級(※65.8kg)5分3R
フオン・シハオ(シンガポール)
シェ・ビン(中国)

▼バンタム級(※65.8kg)5分3R
ロエル・ロサウロ(フィリピン)
スーノット・ペリンカット(インドネシア)


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