ライター・作家 権藤将輝(ゴンドーマサキ)

新作小説「BAR90’s」4月6日Kindleでリリースしました|神戸が舞台の絵本「ス…

ライター・作家 権藤将輝(ゴンドーマサキ)

新作小説「BAR90’s」4月6日Kindleでリリースしました|神戸が舞台の絵本「スマバレイの錆びれた時計塔」(いしだえほん)小説「おばけのリベンジ」(Kindle)販売中|ライター・ディレクターとしてPRコンテンツ制作|PRサービス「インタビュー特集『誰かの物語』」運営

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90年代の楽曲に乗って、あの頃へ

90年代。 あなたにとって、それはどんな時代でしたか? 1983年生まれの僕は、小学生から高校1年生までを過ごした時期。幼少期から思春期に入り、青春前夜とも呼べる頃までにわたる。 振り返ると、もう忘れてしまったことも多いけど、いくつかの記憶に紐づいて必ず思い出されるものがある。そう、音楽だ。思い出を呼び起こす装置としての音楽の性能は、写真と同じくらい有能だ。 おそらく母親の影響で、僕は音楽を聴くのが好きだった。中でも、日本の音楽。90年代は、日本の音楽、いわゆるJ-p

    • コインが両面あるように【じんせい論】

      昔、こんなことを言ってくれた人がいた。 「コインが両面あるように、発信した想いは必ず誰かが受け取ってくれる」 以来、この言葉は、僕が創作活動するうえで支えのひとつになっている。 創作は好きだからしているのだけど、作品を発表するとなると、やっぱりドキドキするものだ。普段「他人の目なんか気にして生きるものではない」と偉そうに子どもたちに説教しているわりには情けない話だけど、評価や感想というものは気になってしまう。 書いた本人としては「おもしろい」と思うから発表するわけで、

      • 「それして何になるの?」という愚問にドロップキック【じんせい論】

        小説を書いている。 YouTubeをやっている。 そう言うと、時々こんな質問に遭遇する。 「それして何になるの?」 ・・・いや、別に何にもなりませんけど。小説を書いたりYouTubeをやっていたりするからといって、ポケモンみたいにゴンドーがゴンドランとかになるわけでもないですし。 これはイジワルな返答で、そういう進化的な変化があるのかを聞きたいのではないのは重々承知している。彼らが聞きたいのは「それして何のメリットになるの?」ということであり、もっと言うと「それして

        • 「実績のあるベテランライター」いったい君は誰なんだ?【しごと論】

          フリーランスとして働いていると、いろいろなところからご相談をいただく。お声がけいただけるのはとてもありがたいことで、フリーランス9年目の僕の場合、ご紹介でお付き合いが始まったお取引先さまがほとんど。いや、すべてと言ってもいい。ライターやコンテンツディレクターを探していらっしゃったところ、お知り合いが僕を紹介してくださったおかげで、僕は今、仕事ができている。 まずはご相談いただかないことには、何も始まらない。だから、「とりあえず相談してみよう」という軽い気持ちでご連絡をいただ

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        • フリーランスの○○論
          6本
        • ショートケーキ's
          37本
        • インタビュー特集『誰かの物語』
          3本
        • クラファン挑戦記(絵本「スマバレイの錆びれた時計塔」)
          13本
        • 雑記
          31本
        • 電子書籍出版にまつわる色々
          8本

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          点ではなく、流れを見る【じんせい論】

          つい先日、取材が急に無くなった。現時点ではリスケ(日程を延期して実施)の予定だけど、もしかしたらキャンセル扱いになる可能性もある。 僕はフリーランスだから、ひとつ案件が無くなると収入減に直結するし、たとえリスケであったとしても別の仕事を入れられたかもしれないから、そういった意味でも損害はないとはいえない。 もちろん、こういったことをゼロにするのは難しい。取材対象者さんやクライアントさんが体調を崩されたり、何かしらの緊急を要する事案が発生したり、そんなことはありえる話だから

          点ではなく、流れを見る【じんせい論】

          新作小説「BAR90's」予約開始!

          久しぶりに新作小説を出すことになりました! タイトルは「BAR90's」。 内容は、こんな感じです。 <ここは、1990年代の楽曲が流れる一軒のバー。お香のにおいに包まれて眠った客は、歌に乗って、あの頃に帰る> 「BAR90's」には、人生に疲れた客が訪れる。小説家になれないフリーライター、不倫で狂ったキャリアウーマン、窮地に陥る政治家、同窓会帰りの気まずい女性2人組……。不思議な力を持つ店主のバーテンダー傘木(かさき)は、訪れた客にとって必要な90年代の楽曲を選んで

          ショートショート『世界の秘密がバレないワケ』

          「紀元後は」 小学校から帰ってきた娘が無邪気に話そうとするのを、僕は肝を冷やしながら慌てて止めた。口を塞ぐという実力行使で。娘は苦しそうにしている。僕の様子がいつもと違うのを察知しているのだろう。目には涙を浮かべている。たぶん恐い顔をしているはずだ。 「お願いだから、これ以上、言わないで。お願い」 自分で言うのはおこがましいが、優しいパパだと思う。それだけに、娘は突然の豹変に恐怖を抱き、戸惑っていることだろう。娘にしてみれば、親友のミクちゃんから聞いたおもしろい話をパパ

          ショートショート『世界の秘密がバレないワケ』

          ソースは「おソース」なのか【ぶんか論】

          この前、テレビを見ていたら、あるタレントさんがソースを手に持ち、しきりに「おソース」と言っていた。 「おソース、たくさんありますねー!」 「このおソースはスパイシーですねー!」 「あ、さっきと違い、こっちのおソースは甘みとコクがありますねー!」 なんだか気になってしまい、話が入ってこなかった。 「おソース」。ソースに「お」を付けるのは、果たして正解なのだろうか。 「お醤油」はわかる。「お塩」もわかる。「お味噌」もわかる。「お酢」もわかる。でも、「おソース」て。 「そ

          ソースは「おソース」なのか【ぶんか論】

          なぜ「ON AIR」なのか【しごと論】

          なぜ「ON AIR」なのか。昔、やしきたかじんが、こう話していたというエピソードを覚えている。 『“AIR”というのは空気。スタジオの空気がそのまま出ていくもんやねん』 これを聞いたとき、「なるほど」と感銘を受けたのだが、僕はテレビタレントではないので、特に実感する場面は訪れなかった。でも、ライターとして取材やロケを重ねていくうち、この言葉が徐々に内側に染み込んでいき、今ではとても意識するようになっている。 取材やロケが楽しかったりおもしろかったりして心が揺さぶられると

          ショートショート『子午線スリップ』

          俺は、自分の両手を見てギョッとした。甲に浮いていた血管は沈み、骨ばっていたのが綺麗に丸みを帯びている。そして、何より小さい。まるで子どもの手だった。 「あら、起きたの?」 前から声がして、こちらを振り返る顔に息が止まった。母親なのだが、現在の母親ではない。前に座っているのは、若かりし頃の母親だった。 「怖い夢でも見た?」 助手席から心配そうにしている。 「おい、返事くらいしろ」 運転席からの野太い警告に胸がキュッと締め付けられる。父親だ。もう何十年も会っていないの

          ショートショート『子午線スリップ』

          【お知らせ】インタビュー特集『誰かの物語』が始まります。

          このたび、インタビュー特集『誰かの物語』をリリースしました。 『誰かの物語』は、事業や商品・サービスに込めた想いをインタビューして文章で伝える、経営者・個人事業主(フリーランス)・事業担当者向けのサービスです。 === 商品やサービスには、必ず物語がある。現在地に至る紆余曲折や叶えたい未来を知れば、もっと好きになったり、もっとおいしく感じたり、五感が刺激されて、ともすれば人生さえも変えてしまうかもしれない。そして、また新しい物語が巡り生まれ、世代を紡ぐ。『誰かの物語』は、

          【お知らせ】インタビュー特集『誰かの物語』が始まります。

          インタビュー特集『誰かの物語』に関するご案内

          インタビュー特集『誰かの物語』とは商品やサービスには、必ず物語がある。現在地に至る紆余曲折や叶えたい未来を知れば、もっと好きになったり、もっとおいしく感じたり、五感が刺激されて、ともすれば人生さえも変えてしまうかもしれない。そして、また新しい物語が巡り生まれ、世代を紡ぐ。『誰かの物語』は、誰かを救う力に満ちている。そんな、誰かの想いが詰まった素敵な物語の数々をご紹介します。 ※編集オフィスBuild-Word代表・権藤将輝(ゴンドーマサキ)がインタビューと執筆を担当します

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          つながった縁を起点に可能性を切り拓く。ステーキ&カフェ「人生意気に感ず」店長・田中誠の物語

          商品やサービスには、必ず物語がある。現在地に至る紆余曲折や叶えたい未来を知れば、もっと好きになったり、もっとおいしく感じたり、五感が刺激されて、ともすれば人生さえも変えてしまうかもしれない。そして、また新しい物語が巡り生まれ、世代を紡ぐ。『誰かの物語』は、誰かを救う力に満ちている。そんな、誰かの想いが詰まった素敵な物語の数々をご紹介します。 今回は、ステーキ&カフェ「人生意気に感ず」店長の田中誠さんの物語。 厳選赤身肉×特製ソースが病みつきに。ステーキをカジュアルに味わえ

          つながった縁を起点に可能性を切り拓く。ステーキ&カフェ「人生意気に感ず」店長・田中誠の物語

          誰もが“マイナス20歳”を叶えられるように。化粧水「hikuireru」を手がける株式会社nagu辻敏幸の物語

          商品やサービスには、必ず物語がある。現在地に至る紆余曲折や叶えたい未来を知れば、もっと好きになったり、もっとおいしく感じたり、五感が刺激されて、ともすれば人生さえも変えてしまうかもしれない。そして、また新しい物語が巡り生まれ、世代を紡ぐ。『誰かの物語』は、誰かを救う力に満ちている。そんな、誰かの想いが詰まった素敵な物語の数々をご紹介します。 今回は、化粧水「hikuireru」を手がける株式会社nagu代表の辻敏幸さんの物語。 65以上のエビデンスを持つ特殊な水を100%

          誰もが“マイナス20歳”を叶えられるように。化粧水「hikuireru」を手がける株式会社nagu辻敏幸の物語

          人々の健康寿命をのばしたい。ヘッドスパ専門店「muladhara spa」永峰麻里の物語

          商品やサービスには、必ず物語がある。現在地に至る紆余曲折や叶えたい未来を知れば、もっと好きになったり、もっとおいしく感じたり、五感が刺激されて、ともすれば人生さえも変えてしまうかもしれない。そして、また新しい物語が巡り生まれ、世代を紡ぐ。『誰かの物語』は、誰かを救う力に満ちている。そんな、誰かの想いが詰まった素敵な物語の数々をご紹介します。 今回は、ヘッドスパ専門店「muladhara spa」永峰麻里さんの物語。 “治療レベルのヘッドスパ”と呼ばれる「プーラ式ヘッドスパ

          人々の健康寿命をのばしたい。ヘッドスパ専門店「muladhara spa」永峰麻里の物語

          絵本「スマバレイの錆びれた時計塔」ができるまでの、もう一つの物語。

          作者とスマバレイ2018年3月29日、僕は仕事のために車に乗って大阪の箕面に向かっていた。たまたまつけていたラジオ番組は、その日が最終回。あいみょんの『君はロックを聴かない』が流れると、春特有のセンチメンタルに覆われた。女性のDJがリスナーに語りかける。「明日からは新しい番組が始まります」。 “何があっても毎日は続いていく” 振り返れば、これが「スマバレイの錆びれた時計塔」という物語のモチーフだった。その2日後の3月31日。お花見に訪れた須磨浦山上遊園で目にした日時計が、

          絵本「スマバレイの錆びれた時計塔」ができるまでの、もう一つの物語。