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和音を用いたリップスラー

前回のスラーをまじえて取り組むリップスラーから今回は少し踏み込んで、和音を用いたリップスラーです。

楽譜を見るとわかるのですが、(いやいやこれ見たことある譜面!普通のリップスラーじゃん)てなるかと思います。そう、どこかで見たことのあるリップスラーです。

ただ一点違うところは、各調最初の2小節です。ここのクオリティを保ってその後の小節に取り組むことで、見知った楽譜が違うものに見えてきます。

それでは解説していきますね。

アルペッジョとは
和音の各音を同時に奏するのではなく,下から上へ,あるいは上から下へ順次に演奏する方法


よくあるアルペッジョと違うところ

よくあるアルペッジョと違うところは、各調のはじまりにそれぞれ音階を記載しているところです。

たったそれだけのこと、と言えばそれまでですがこれがあるかどうかでいつもの見たことのあるアルペッジョの本当の取り組み方がわかります。

各調の音階を最初から最後まで同じ音量で吹けるかどうか、でその後のアルペッジョをなめらかに演奏できるかが変わってきます。

最初から最後まで同じ音量で演奏するには、アパチュアの大きさ、口の中の形、マウスピースと唇と歯の密着、息の吐く量がグラデーションのように変わっていく必要があります。自分の音をよく聴きながら演奏してみましょう。

このレシピで意識すること

各調最初の音階をなめらかに演奏できたと仮定して話を進めます。

楽譜をみると和音がどんどんぬけていき、最終的にはオクターブのリップスラーになりますよね。

各調の3小節以降、音が切り替わる前に音階でグラデーションのように変わっていった口(いろいろをまとめてあえて「口」と言わせてください)を思い出し、音が切り替わると同時に口も切り替えてください。

この時口がうまく切り替わらないとなめらかさがでません。口を動かさないように、とか息だけで変わる、と思っているとうまくいきにくいです。

いろんなバランスがうまく取れ、その口の使い方に慣れてくれば動きは減ってきますので見た目的に結構口が動いてしまっても気にしないでくださいね。見た目よりも大切なのは音ですから。

2種類のパターンの使い分けについて

上行からはじまるパターンと下降からはじまるパターン、ぼくはやっぱり吹きやすい音からはじまるといいな、と思って使い分けています。

自分にとって少しでも(ちょっと低いな)とか(高い...)と思うような音域からこの練習を始めてしまうと、準備をしすぎた口で吹き始めてしまうことが多いからです。

なので2つのパターンを行き来しながら練習に取り入れることをお勧めします。

取り組み方のコツ

音階を使った4つの練習バリエーション op.3-2の中で以前紹介した、自分の頭の中の音程の幅をつくる練習をこのリップスラーに取り入れることで、リップスラーをやりつつ音程感覚を養う練習にもなります。各調で基準の音を鳴らしながらアルペッジョに取り組むことで、平均律のピッチではなく、純正律のピッチを身につける練習にもなりますのでおすすめです。

また、音階を使った4つの練習バリエーションの中で紹介したいい音色で吹ける音域をひろげるスケール練習と組み合わせることで、より効果が見込めます。

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